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読者への挑戦

 さて、これまで幾多の名探偵たちの活躍譚で使われてきた伝統あるフレーズを、この章のタイトルとすることに、私は湧き上がる興奮を禁じ得ないでいる。

 我らが名探偵乱場秀輔(らんばしゅうすけ)は、前章の段階で事件の謎を解明した。とはいえ、乱場が解明したのは、笛有霞(ふえありかすみ)毒殺のトリックとその犯人についてだけであり、犯行動機まで看破できてはいない。が、これは致し方ないであろう。動機というのは目には見えないものため、たとえどんな証拠が出てきて、探偵がいくら考えを巡らせたとしても、それは「推理」ではなく「推測」の域を決して出ることはない。実際、現代の探偵学において、動機から犯人に迫る手法というものは、あまり重要視されてはいないらしい。

 さらに、笛有庸一郎(よういちろう)が霞の死体を焼いた動機。笛有親子しか住んでいないはずの妖精館に、多くのソファや客室が用意されていた理由についても、乱場は自分の考えを持ってはいるが(後の調査で、それは正しかったことが判明するのだが)、これもこの段階では推測でしかない。彼、乱場秀輔が確固たる証拠と推理をもって言い当てることが出来たのは、霞殺しのトリックとその犯人についてだけである。

 当然のことながら、読者諸君がこの章に至るまでの間に得た手掛かりは、全て乱場が見聞きしたそれと全く同等のものである。

 誰が、どのようなトリックを用いて笛有霞を毒殺せしめたのか? これについてはもとより、もし余裕をお持ちなのであれば、あくまで「推測」の域を出ないまでも、庸一郎が霞の死体を焼いた理由についても考察いただければ幸いである。

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