第一章 01 ハジマリ オブ オワリ オブ レクイエヌ
西暦199X年。アカシックレコード・全ての現象の記された究極の知恵の書は、人類によって解析された。だが、それが原因で人類は、あの忌まわしき事件を「ラスト・レクイエヌ」を引き起こしてしまう。しかし人々はまだこの時知る由も無かった。「ラスト・レクイエヌ」すら永遠の序章に過ぎない事を。
昔、ブログに小説を書いていて、ある読者の方からお怒りのメールを頂いた。彼女は私の小説が「とある摩術の禁書目緑」のコピーペーストあるいは、違法うpだと主張した。
私は「とある摩術の禁書目緑」をパクったのではなく、「円周率」をパクったのであって、これ以上騒ぎ立てるなら、そもそも「とある摩」が「円周率」の一部を丸々パクって、さも自分のオリジナルの如く銭を掠め取っている事に関して問わねばならなくなる。と、丁寧に返信したのだが、ふじこふじこして面倒になって、ブログを一瞬で塵一つ残さず消し去った。
とある誠実な作家の作品が、一人の女性の無思慮によって潰された例である。卑小な小娘の分際で、偉大なるパイへ逆らうとは、これは知らなかったでは済まされない。直接パイを見た事もないくせに、人からの又聞きを鵜呑みにしてイチャモンを付ける行為は、公共の福祉の観点から止めて頂きたいものだと大変遺憾に思う。
政府には早く円周率の解析を再開して欲しいものだ。でないと第2第3のある読者が欲望や無思慮を振り回して社会の混乱を助長しないことにならないとも限らなくもないのだから。