第7夜 魔力の話
説明パートは多分この辺で終わってくれた筈。
そのうち、バンパイアの設定をまとめると書きましたが、いつ書こう?
さて、やたら長く感じた昨日の夜から一夜明け....。
「.....なんでカーテン閉め切ってるんだ?平気なんだろ?」
「やだなぁ、大河さん。防寒性を高める為に決まってるじゃないですかぁ」
普通に閉めたら多少光が漏れる筈だが、カーテンはそれを完全にシャットアウトしている。
「フェット!!ノリボケなんかしなくていい!!日光を浴びても問題無いのは平常時の時だけ、弱ってる時は治癒力をフル稼働させる為に極力日光を避けなくてはならないわ」
あ、大怪我と言えば.....。
「セラはバンパイアハンターにやられたって言ったよな?」
目の前にいる大怪我した女の子が、人を刺し殺せそうな目で見てくるんですが、どうしたらいいんでしょう?
「丁寧な言葉遣いをすれば問題ないですよ」
さいですか。
「...フン、言ったわね。確かにハンターに殺されかけたわ。それが?」
「率直に聞く、...ソイツはアナタがバンパイアだから襲ってきたのか?それとも、彼らに狙われるような事でもしでかしたのか?」
「....少なくとも連中に喧嘩を売った覚えはないわ」
ミアを見る。
物凄い勢いでうなづいている。
「そう、まあ、気休めにはなるよ」
彼女達には休息が必要だ。
でも、できればあまり長くは居座っていて欲しくはないし、バンパイアハンターが絡んで来るとしたら尚更だ。
下手すれば家を吹き飛ばされて路頭に迷いかねない。
まあ、とりあえず今は朝飯の準備に専念しよう。
「で、2日で治るんだっけか?」
ミアはパンを食べながらうなづいた。
「あの鎌が普通に魔力を込めただけの武器で良かったです。毒なんかが塗ってあったらもう少しかかっていたと思います」
「思ったんだけどさ、魔力ってなんなのさ?」
「ゲームなんかに出てくる魔法を使う為のアレよ」
セラが面倒くさそうに言った。
「バンパイアはなんとなく納得できるけど、人間が使うってのはなぁ」
「魔法を使える人間は確かにいますよ、ただ、世間一般に知られてないだけで」
「魔力は誰にでも備わってるわ。それが何らかのキッカケで発現したヒトがいわゆる魔術師って奴ね」
「........」
「バンパイアはバンパイアになる時に魔力を流し込まれるの。それがキーになって魔力を操れるようになるわ」
.....なんかのマンガにこんな感じの特殊能力あったなぁ。
「魔力は、魔法を使うだけでなく、武器の攻撃力や、身体能力を高めたり、体の機能を強化する事に使えます」
...ん?それじゃあ
「魔力を発現させた人間にはバンパイアみたいな身体能力やら再生力が身につくのか?」
「バンパイアほどとは言えないけど、それなりに高い身体能力と紙で切った程度の怪我が30秒で治るくらいの治癒力がつくわ」
おお、
「ですが、バンパイアほど魔力の容量が大きくないので、気休め程度にしかなりません。身体の強化にも魔力を使いますから」
「ミアも使えるの?」
「魔力ですよね?私は使えませんよ」
.....本当に今日が休みでよかった。
聞きたい話や、聞かなきゃいけない話が多いからな。