第4夜 居候するに当たって
短時間にそれなりの量を書くと雑になる気がする。
【バンパイアの生態、及びその特徴について】
「....どうでもいいけど、そのホワイトボードどっから持って来たの?」
「それはその.....企業秘密です」
「自前?それともどっかから取って来たの?」
ミアの説得によりセラを再び寝かせた後、少し席を外していたら我が家のリビングになぜかホワイトボードが出現していた。
「え〜、これから居候するに当たって余計な誤解を招かない為にも大河さんにはバンパイアの生態やらなんやらを知ってもらおうと思います!」
流しやがった。
「まず大河さん。アナタが知っているバンパイアの特徴を答えてください」
「え〜と、日光に弱い。十字架や聖水、教会などのキリスト教に関わるような物もダメ。
ニンニクもダメ。催眠術や変身能力を持ってて不老不死。あと、影が.....」
....影、できてね?
長いツインテールの髪の影が床に出来ている。
「アレ?」
「伝説や伝承という物は年を経るにつれ、信憑性や正確さが失われていくものです。勘違いや誇張、思い込み.....人間は機械ではありませんから正確に情報を子孫に伝承出来ないんです。おまけに、伝承を記録していた石板や古文書といったものを紛失してしまうというケースもありますし」
「伝言ゲームみたいなモノ....そのものズバリか」
世紀単位での伝言ゲームじゃあ、間違った情報が混じっていても仕方ないな。
「まあ、そういう事です。普通の人がバンパイアの弱点として真っ先に思いつくであろう『日光に弱い』というのも間違いなんです。
バンパイア=闇の生き物という先入観が産んだ勘違いが今日まで伝わってしまったようです」
「んじゃぁ、セラは日中でも出歩けるのか?」
「直射日光を浴びても問題ありませんが、浴びている間はバンパイアとしての特殊能力....治癒力や催眠術といった物の力が弱くなります」
ふーん、やっぱり日光は苦手なのか。
「えーと、次はキリスト教関連の弱点ですが、元はキリスト教徒だったバンパイアにのみ有効です」
「つまり、全てのバンパイアに当てはまるとは限らない?」
「はい」
ちなみに、セラはキリスト教徒ではないそうだ。まあ、一応日本人らしいしね。
・・・・30分経過・・・・
「...小説やら映画やらの創作物では吸血衝動に駆られて吸ってしまったりと、いった描写がありますが実際にそんな事はないそうです」
「....今思ったけどさ、ないそうですって、誰が言ってるの?」
「セラさん自身ですが?」
「....もしかして今までの話って」
「彼女の自己申告ですけど?」
.......。
「それ、嘘だったら僕アウト.....」
「なんでです?」
「寝ている間に襲われでもしたら....」
朗らかに説明していたミアの表情が途端に曇る。
「....セラさんはそんな恩を仇で返すような人じゃありません!」
「無理やり転がり込んできたバンパイアを信じろって言われてもさ.....」
仮にセラがミアに本当の事を教えていたとしても、彼女が嘘を吐いたり、情報を隠している可能性もある。
「.....そんなに心配なら保険をかけさせてあげるわ」
この小説でのバンパイアの設定は多分そのうちちゃんと書くと思います。