第17夜 輝く手と、絶体絶命とーー
時間があっても......執筆意欲がなきゃね。
交差させた剣で大鎌を弾き飛ばす。
「ぐっ!」
タナトスの口からぐぐもったうめき声がした。
そのまま腕を切り飛ばそうとした。
が、タナトスの手から放たれた大量の複製されたナイフによって阻止される。
無理やり体を捻って躱す。
躱した先に第二射が襲いかかってくる。
2つの剣を駆使して全て払い落としたところで大鎌が襲いかかってくる。
飛び退いて、交差させた剣を大鎌に叩きつけて、地面にめり込ませる。
ーーえ?
次の瞬間私の脇腹に掌底が叩き込まれた。
・・・・・・
えーと。
なんだ今の.....。
手が光って、セラが吹っ飛んだぞ。
「!?....大河....さんっ!?」
あ、ミアだ。
「なんでここに?セラさんが眠らせた筈.....」
「一時間くらいで目が覚めて、で、部屋にあった手紙を読んでここに....」
何故かミアが頭を抱える。
どうしたんだろ?
「って、そんな場合じゃないですよっ!!セラさん!」
吹き飛ばされてなかなか起き上がらないセラに駆け寄るミア。
でも、こういう時って大抵.....。
「あううっ!?」
セラの相手の手からナイフが投げられてミアの足に突き刺さった。
そのままうずくまるミア。
「ちょっ、女の子だよ!?」
相手がこちらを向く。あ、僕もマズい?
とっさに木の影に隠れる。
グサグサと、何かが木に突き刺さった音が連続でした。
続けて何故か破裂音。
......破裂音?
恐る恐る盾にした木の反対側を見てみると、表面がズタズタになっていた。
......殺す気かぁ!?
って、動かないセラがやられそうだ。
とっさに木に突き刺さったナイフを1本引き抜く。
ちゃんと飛びさえすれば....とにかく何かしたい。
ナイフを掴んだ。
何か温かいモノが僕の手に流れ込んで来た。
・・・・・・・・
セラさんが倒れて動かなくなった。
思わず気が動転して駆け寄ってしまった。
冷静な時なら絶対しないのに。
タナトスがみすみす近づけさせる訳ないって分かっているのに。
「あううっ!?」
足に鋭い痛みを感じてすぐ、バランスを崩して転んでしまった。
生温かい感覚が足を包み込んでいく。
足を見ると、やはりナイフが突き刺さっていた。
込められた魔力の影響でか、血がたまにピシュピシュと、音を立てて吹き出してくる。
「ちょっ、女の子だよ!?」
大河さん、心配してくれるのは嬉しいけど.....間が悪いよ。
ほらやっぱり、ナイフを投げられてる。
木の影に隠れたのを見て思わず胸を撫で下ろした。
「セラさん、セラさん」
「.......」
タナトスが大河さんに気を取られている内にと、セラさんに呼びかけるけど.....反応がない。
タナトスがこちらを向いた。
歩み寄ってくるタナトス。
「さようなら、セラ・アマミヤ」
タナトスが大鎌を振り上げ、セラさんにトドメを刺そうとする。
私はそれをただ、見ていることしかできない。
そういえば、彼女はなんで特に何も悪さをしていない....筈のセラさんを狩ろうとしているんだろう?
他に心配するべき事があるだろうに、何考えてるんだろう、私。




