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バンパイアと僕の奇妙な日常  作者: libra
01 タナトス
14/19

第14夜 タナトスの嗤う夜

連載開始から1ヶ月です。


早いですねぇ.....。

「...果たし状なんて随分洒落た事してくれるじゃない」

手紙に書かれていた場所に着く。

本当にこの公園って広いわよねぇ。

端の方はちょっとした林のようになっている。

昼間は賑わう公園も陽が短くなったこの時期の7時を過ぎれば、もう人気はなくなる。


「セラさん.....」

「フェットは下がってて、私がやるわ」

フェットが臨戦態勢に入るのを窘めていると、普通のヒトがこの程度の暗さなら見えるであろう距離に黒いフードを被った黒ずくめの人影が立つ。


なんだか、この格好だけで職務質問されそうね。でも、その際たる物は手にしている得物(大鎌)でしょうね。


フードの中から金色の髪がたなびいている。

「フフフ....この和の国では決闘をする時にそれを書くんでしょ?」

澄んだ高い声が響く。

「日本語が随分と上手ね」

「仕事柄ポピュラーな国の言葉なら粗方しゃべれるわ」

言い終わるなり彼女は大鎌を構えた。


「セラ・アマミヤ、貴方の罪はアナタがバンパイアであるという事.....討伐させていただくわ」

「あら、私が何者かを理解して勝負を挑んできているの?それなりに名前を売ったつもりだったけど?」

それに不意打ちを返り討ちにしたしね。


「....あの時は避けると思って油断していたわ。でも、もう油断なんてしない」

いい(表情)ね.....。

「....アナタ、名前は?」

「コードネームなら教えるわ」

「....ふん、名乗りなさい」

彼女は大鎌を誇らしげに掲げ、名乗った。

「タナトスよ、不死の存在であるバンパイアに死を与えるハンター....それが私!」

「不意打ちで倒せないどころか、返り討ちに遭ったのに?」

名前負けね。それになんだか中二病っぽいわ。

「アナタ、自分がそれなりに強いって自覚ある?......というか自分で付けたんじゃないのだけど」

「一応してるわ、で、いつまでダラダラしゃべっているつもり?」

フェットが森の方に移動したのを横目で確認しながら言う。


「....それもそうね、ではーー」

「ッ!?」

「さようならーー」

速いーー。

タナトスは跳躍して一瞬で距離をゼロにしてしまったーーヒトにしてはやる方ね(・・・・・・・・・・)


振り下ろされる大鎌が私の立っていた場所を粉砕する。

「なっ!?確かに当たったはずっ」

タナトスが戸惑ったように言う。


「いくら強い犬でも、狼には勝てないのよっ!!」

大鎌を蹴りつける。それだけで大鎌は持ち主の手を離れ、吹き飛んだ。

「まだ続け....ッ!?」

降参するか聞いたらナイフを投げ、反撃してきた。

とっさに上体を逸らして躱す。

「まだよっ!」

タナトスは叫ぶとまたナイフを構えて投げてきた。

正直、遅くて避けるのは造作もないわ。

「セラさん!?」

ナイフを軽々と避けた時、フェットの鬼気迫る声がした。

と、同時に背中に何かが突き刺さった。

「.....ッ!?」

思わず息が詰まって、地面に膝を付いてしまった。

タナトスの笑い声が夜空に木霊した。



・・・・・・

.....うう、頭がズキズキする。

なんで...僕はリビングなんかで寝ている...んだろう?

とりあえず今はーー7時20分。

1時間以上寝てたのか。

....なんで寝たんだっけ?

記憶がグチャグチャになってて思い出せない。

あ、そういえばあの2人は何処にーー?

寝床にしていた物置部屋に行くと荷物がすっかり跡形も残さずに消えていた。


念のため鍵を確認するとちゃんと掛かっていた。


「.....なんだこれ?」

また物置部屋に戻ると見慣れないダンボール箱が目に入った。

箱の底にはテープで止めてあったものを剥がしたような後があった。

少し離れたところにこれまた見慣れない便箋を見つけた。


「........」

僕は手紙を一読すると、適当に見繕ったパンを口に放り込んで自転車に跨った。

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