表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バンパイアと僕の奇妙な日常  作者: libra
01 タナトス
12/19

第12夜 寂しさ

で、授業が始まった訳だけど.....。

(いろんな方向で)家に残してきた居候が心配で授業に身が入らない。



「...ら、.....はら」

帰ったら、貴重品が無くなってましたなんて事ないよね....。

「.....しはら、星原!!」

「は、はいっ!?」

しまった先生に指名されていたか。



....無事に答えられて良かったー。

考えてみれば寝てる間に貴重品持ち出してトンズラできたんだよな。

やっぱ、来客とかで存在を知られるとかの心配をすべきかな。



さて、学校終わって買い物もしたし帰ろう。

.....なんともなってないよね?

出かけた時のままだよね?


外観異常なし。

鍵で玄関の扉を開ける。

部屋を見渡してみる......うん、変わった感じはしない。


カーテンを閉めると、僕が帰って来たからか、それともカーテンを閉める音を聞いたからかミアが2階から降りてきた。

「セラの様子は?」

「はい、明後日くらいには完治すると思います」

ジーッ


「な、なんですか!?私なんか見つめても何も起きませんよっ!?」

ミアが狼狽えた声で叫ぶ。

「いや.....気にしないで」

「気になりますよ!!」

そりゃ、そうか。

「いやさ、君たちが居なくなったらまた一人で飯食う事になるんだなって」


「....それって」

「君らが普通の人間とまでは行かなくても、せめて男だったらなぁ.....」

ミアは唇を尖らせて言った。

「女だったらなんですか?」

「若い一人の男の家に同じ年頃の女の子....ヒトには世間の目ってのがあるんだよ」


「.....まあ、それ以前に私たちには家がありますから」

だよねえ、こっちのワガママで引き止める訳にもねえ。

最初は渋々だったのにな....いざ出て行かれるとなるとまた一人になるのかと、寂しくなる。



***

「.....一人....かぁ」

体に響くからゆっくり動いていると自然と物音を立てずに動くことになる。

立ち聞きなんかじゃないわ。不可抗力よ、これは。たまたま聞こえただけだもの。


事故で死にかけて、師匠に助けられて、瀕死から脱する為にバンパイアにされて.....師匠と別れてからの....何年だったかしら?

フェットを助けたのが最近と感じられる程度には一人だったのだろう。


「まあ、共感したところで何ができるわけでもないし......感謝はするけど....その手の事には何もできないわね」




***

墨を溶かしたような暗闇に包まれた空。

その下にはたくさんの家々が立ち並んでいる。

「みーつけた」

その一つの屋根の上でフードを被った人影が楽しげに呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ