心の旅―電車―
いつもの道。いつもの電車。代わり映えのない毎日。
でもその日はどこかいつもと違う。
何が違う? 私の心。
同じホームに反対方向へ進む電車が止まっている。
何も考えず、乗ってしまった。
どんどん電車は進んでゆく。
気がつくと来た事もない場所。
海が見える。
いつもとはまったく違う景色。
ビルに囲まれていない、青空と、青い海と、生い茂る緑。
しばらく停車いたします。
そんなアナウンスが流れ、私はまた何も考えず降りる。
平日の朝。この駅に降りる人は私しかいない。
海が見える。
なぜだか涙が出た。
とっても切なくて、甘い景色。
どこかで私が追い求めていたもの。
帰ろう。
そしていつもと同じ日常に戻ろう。
ちょっと遅刻だけど、まぁ、それはご愛嬌。
次の休みは旅にでよう。
どこでもいい。でも、海が見たいな。
うん。そうしよう。
日常があるから、美しく見えるものもある。
でも、ちょっと疲れてたのかな?
帰ろう。そして休日は旅に出よう。
それがいい。
1時間程度の現実逃避