プロローグ
わーい、二作目だZE!
一作目も現在進行形で続いているので不定期になります
世の中自分が主人公になれるなどという幻想は流石にもう持っていないが、
少し期待をしない訳じゃない。しかし、
どちらかと言うと脇役みたいなささやかな感じが本望だったりする。
そうそう俺の名前は、黒雲翔一、本日より私立野坂学園高校の一年生になり、
今から入学式だったりする。
「え~君達は本日より――」
つまらない校長か理事長の話も終わり、俺を抜いた新入生の期待が高まる。
なぜかと言うと生徒会長の話が始まるからであり理由は
曰く、美人らしい
曰く、お茶目らしい
まあまだ理由があるらしいが俺はあんまり興味が無いので他は知らないのだが、
ぶっちゃけ親戚だし………幼なじみのバカがこの前俺に語っていたが半分以上聞き流していたしな
「諸君は、さきほど校長先生がおっしゃっていた通り
今日より野坂学園へ通うことになる。
この学園の生徒になるからには、規則正しい生活を送ってほしい。
私からは、以上だ。良い学校生活を過ごしていただきたい」
俺意外のヤツらからの歓声そもそも入学式に何故歓声なんかが発生するんだ?
たかが『話』だろうに…
とまあ、色々あったが入学式は無事終了した。
「翔一、何部に入るんだ?」
「そうだな~……」
「翔ちゃんは、あたしと陸上部に入るの!」
最初に口を開いたのが、さっき俺が幼なじみのバカって言っていた佐東冬琉、武道バカである。
身長は俺よりでかくて184あってガタイがもう、
どこのボディービルダーだよってくらい筋骨隆々としている
最後に俺を陸上部に勧誘しようとしたのが山河杏、
コイツも幼なじみだ身長が低いのがコンプレックスらしい
別にいいと思うのは俺が男だからだろうか?
「杏、勝手に勧誘するなよ…俺は高校から帰宅部なの」
「いや、翔一、俺と柔道をやらないか?」
「だが断る!」
「「チェッ」」
「やっぱりか…でも、部活には入らないぞ」
「え~、運動神経ありえないくらい高いのに勿体ないよ」
「そうだぞ。素人のくせに俺がお前に何回負けたと思ってる?」
そうなのだ。素人の俺は冬琉に武道で負けたことが一回もない。
それにガタイのいい冬琉に比べて俺は細い方なのになぜか筋力が近いのも
謎の一つだったりする
「ていうか、冬琉お前、俺に勝ったことないだろ?」
「ぐう、言ってくれるじゃないか」
「翔ちゃん、家に帰ったら戦闘機のプラモデル作るつもりでしょ。それも毎日」
「いいじゃんか。てかさ、さっさと教室行くぞ」
「は~い」
「ああ」
そうして教室に行くのが遅れた俺達は先生に怒られた
「まあ、遅れたバカが三人ほど居たが…では、自己紹介を一番のヤツからしろ」
「まず、先生がしてください!」
「ふむ、そうだな。俺は桐生琢磨だ。これから一年間面倒を見ることになった」
そこからみんなが自己紹介をしていった徐々に自分の番が回ってきた
「俺は黒雲翔一です。趣味は模型作りです嫌いなことは暇がないことです。
まあ一年間よろしく」
とまあ、適当な自己紹介を済ませて俺は眠りに落ちた
****
そのとき俺は変な夢を見た
一人の女の子が俺を一生懸命呼んでいる
俺はそこに行こうとするのだが足が動かない
近づけない俺を見て悲しそうな目で見てくる
俺はそんな顔を見たくないのに動けない自分がもどかしい
そこで俺は夢から目が覚めた
****
そして放課後
「さて、家に帰ったら、何を作るかな~やっぱりイーグルかな~」
自宅に帰ろうとしたら廊下で杏に見つかってしまった
「あ!翔一あのさ陸上部のミーティングもうすぐ終わるから待っててくれる?」
「まあいいけど早く来いよ」
「了解了解♪」
うわ~心配な返事だな。まあ待つけど…
「ねぇ、黒雲くん、黒雲くんてさぁ彼女いる?」
「いねぇけど?それがどした?」
なんだなんだ?俺にそんなん聞いてどうするんだ?
「ちょっ!こんなかっこいいのに彼女いないんだって!」
「まあ、よくわからんが俺は帰るぞ?」
後ろで女子がわいわいやっていたが絡まれるとめんどくさそうだから、屋上に逃げた
「もう!なんでこんなところにいるの!翔ちゃん!」
「ああ?女子に絡まれたから逃げてきたんだよ」
「あ、そうなの?じゃあ、帰ろ?」
「ん、わかった」
「にしても、翔ちゃんはかっこいいからね~」
「なんだそれ?嫌味か?誉めてるのか?」
「誉めてるんだよ♪」
なんか機嫌いいな…ふむ、女子はよーわからん
「じゃあ、ここで、また明日」
「うん、また」
まあ、今日は珍しい事があったが高校生活の滑り出しはよかっただろ…
いきなり怒られたけど
「ッ!なんで家の電気付いてんだよ!そうか……あんにゃろー!」
俺は、電気の付いてる自宅に猛然と走っていった
そしておもいっきりドアを開く
「おい!何勝手に人の家に上がり込んでんだ?瑠璃!」
「仮にも私の方が年上だ。お姉さんと呼べ、あと夕食を作っておいたぞ」
まさかのバッドエンド……大量殺戮兵器の瑠璃の作った飯…中学の時初めて食ったが食べた瞬間、
俺は泡を噴いてぶっ倒れたらしい、かなりのトラウマものだった。ならば一人生け贄になってもらおうか
「じゃあ、瑠璃姉、飯食う前に着替えてくる」
「待ってるからね」
ふっ、作戦は成功したようなものだ。まずは普通に着替えを済ませてっと
「もしもし?冬琉か?」
『翔一か…どうした?』
「家来ない?飯食おうぜ。まだ食ってないだろ?」
『わかった今から行く』
「おう、待ってるぞ」
あとは、瑠璃をどうにかしたらミッションコンプリートだ。
しかし、ヤツはどうしたらリビングからいなくなるだろう…
「瑠璃姉、今日はどうするんだ?」
「泊まっていくに決まっているだろう」
よし、そろそろ冬琉も来るころだな
「じゃあ、布団敷いてきなよ」
「そうさせてもらおうか」
作戦成功!
ピンポーン
さて、あとはコレを冬琉のヤツに食わせたら終了だ
「よく来たな。冬琉、さっさとあがって食え食え」
「お、おう」
瑠璃、今回は俺の勝ちだ。
「いただきます」
「食え食え」
「美味そうだな……ムグッ!」
「食え食え、平らげろ」
無理矢理、冬琉の口の中に食い物を押し込む俺、
冬琉がすごい目で見てきたが全力で無視、ついに冬琉は地面に伏した
「お前の犠牲、無駄にはしない…」
さてと、コンビニにでも行ってくるか
「瑠璃姉ー、ちょっとコンビニ行ってくる」
返事がある前に家から脱出。しかしもう夜か星は綺麗だからいいけど…
「弁当と飲み物でも買っていくか」
にしてもまだ寒いな~ジャケットが手放せないな。
その時上から上からなにかが降ってきた
「ちょっ、なんで空から人が」
そして俺の上に落ちてきた
「ッ!お前危ないだろ!」
「む、おぬしなぜここにいる?」
しかし俺の言葉を無視してきた。?俺のことを知っている?
そこで初めて彼女の顔を見て息を呑んだ。
彼女は今日夢で見た女の子と同じ顔立ちをしていたから
腰まで伸びた不思議な色の髪、大きな赤い淡く輝いている瞳、細身でスタイルが良い
完全な美女(?)。しかし、この美しさは人間離れしていた
「話をしている暇はない。翔一、妾は神崎天音じゃ、妾と一緒に来い」
「ちょっ、待てなんで――て、おわ!」
俺がすべてを言う前に神崎が首根っこを掴んで空を跳んでいた。
「ちっ!まだ付いてくるか。翔一ちょっとスピードを上げるがよいな?」
「ちょっと待て!話を聞かせろ…うぉおお!?」
人の話を聞かずに移動速度を上げやがった。てか何から逃げてるんだ?
ふと、気になった翔一は後ろを見て危うく腰を抜かしそうになった。
それは、黒い闇の様な獣だった、真っ黒な体に赤く爛々と輝く双眸があり、
口らしき所から白くぎらつく牙が覗き涎を垂らしたバケモノの様な狼が翔一達を追いかけて来ていた。
「神崎!あれ何だよ!」
「天音でよい、それについてはあれを撒いてからだ」
そこからの天音の動きはさらに、凄かった急加速、急ブレーキ、急上昇、
使える所は徹底的に使い、気が付けば狼みたいなヤツはいなくなっていた
「さて、まずさっきの狼モドキの説明からじゃな、
あれは影狼というアヤカシの様なものじゃ。そして妾は、バンパイアじゃ」
「信じたくないけど目の前であんなものを見せられたら信じるしかないだろ。
それで、あの影狼とやらは倒せるのか?」
「ふむ、そこでじゃ妾と契約しろ、さすれば翔一お前の大切な者達を守ることが出来るぞ。
さあ、どうする?」
「どうする?と、言われてもな~」
すると、天音がおもむろに俺の腕を掴んだ。掴まれた途端、世界が変わった。
無機質な建物が崩れ、紫の炎がすべてを包んだ。すると、どこかからか天音の声が響いてきた。
『どうだ?これが妾達の世界だ。問おう、汝、力を欲するか?』
「なぜ、契約をしなければならないんだ?」
『お前が影狼を見た、それが理由だ。そしてヤツらを野放しにするとこの世界もああなる。
さてもう一度問おう、汝、力を欲するか?』
俺は、頷く
『代償は一つ、妾を守ることだ。この代償を受け入れるか?』
「ああ、任せろ」
『なら――』
そこで世界が元に戻り、目の前に天音がいた満面の笑みを浮かべて
「契約成立じゃ」
すると、俺が何かを言う前に天音が俺を引っ張った
「おい、何をす……ムグッ!」
そこで天音にキスをされたことに気がついた。その日、俺の日常が非日常になった……
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