甘やかさ令嬢
おわかりいただけただろうか?前世の記憶を取り戻した三人アシャール、エイヴァ、シャリルは
全員アイリズ__もとい悪役令嬢推しだ。ここからどんな展開が待っているのか、、。
アイリズside
「殿下♡今日の紅茶はどうでしたの?」
お茶をしたときに聞きそびれた。紅茶の感想を聞く、
「俺のために用意してくれたことから何まで感謝しているよ。美味しかった。ありがとう」
さっきの態度と打って変わって微笑んで甘く、にこやかに囁いてくる。
耳元で聞く殿下の声は本当に砂糖菓子のようだった。
「あしたもお伺いしてよろしいの?」
完全にとろけた表情で聞くと殿下は二つ返事で了承してくれた。
今までの態度はどうだったのかと不思議にも思うが
日々のイライラが消えてゆくように甘い時間だ。
「あの、、。アイリズ、様。」
殿下との甘い時間を遮るなんて。この平民は空気が読めないのだろうか。
でもビクビクしている姿は悪い気はしない。
「平民風情がわたくしになんのようですの?」
「あ、えと」
くちごもってハキハキしていない。取っつきにくいったら。
「こら、アイリズ。そう威圧してしまっては教えてくれるものも教えてもらえないよ?」
「殿下もわたくしに不満があるんですの?」
さっきまで甘やかしてくれたのにやはり平民の味方をする。
「もちろん一番好きなのはアイリズ、君だ。でも彼女は何かを伝えたいのだろう?」
「そこまでいうのでしたら聞いてあげないこともなくてよ」
自分でもよくわからないことを平民にいうこれが懐柔されているというものか。
でも大好きな殿下に言われたら従うしかない
「ずっと言いそびれていたのですが、、あたし、、アイリズ様が大好きなんです♡」
え、、
「あたらしいやり口ですの?汚らわしいったらないわ。」
この平民は何?わたくしはキライだと言っているのにでも、、
このわたくしが自らこの平民を虐げる理由は?なんだ?
はじめは殿下に愛されたくて、でも愛されなくて、、
自分より下の相手がいることに安心していたような?
でも、、悪いところがあるじゃない、?ん?ない、、ないな。
自分でもこう思うことは苛立たしいが可愛くて優しくてひたむきで
フツーにいいこというものだ。
「殿下、、。どうしましょう?エイヴァがいい子に見えてきてしまいました。」
「それは、いいことなんじゃないか?」
殿下に少し優しくされただけでわたくしはこうも簡単に、
考えを改めてしまうのか、、。