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(元)勇者の異世界旅行記 ~お仕事終わったので旅に出ます!~  作者: 天宮
序章:「勇者」のはじまりからおわりまで。
1/15

1:勇者の仕事が終わった日のこと。

 アリアル歴三二三五年―――。


 この日、世界は歓喜に沸いていた。すべての人が、喜び、安堵していた。







 神聖帝国リリヴァル・ターレ、帝都ヴァリアル、ヴァリアル城謁見の間にて。

 そこで一つの式典が行われていた。

 玉座には皇帝が、周囲には帝国の高位貴族。この大陸の主要な国の王族と重鎮、果てには他六大陸六国家、すべての王族たちが出席している。人類史始まって以来の出来事。

 彼ら彼女らの目的はただ一つだけ。ある者の偉業を讃える。ただそれだけのために、すべての者が集まっていた。



「勇者カケル・コーノミヤ様、ご入場!」



 入場を告げる声と共に、謁見の間の大扉がゆっくりと開いていく。

 そこにいるのは一人の少年。見た目は普通の子だ。黒い髪に黒い瞳、どこか幼さを残したその子供は、真っすぐと前を向き、静かに、ゆっくりと進んでいく。

 所定の位置についたのか、少年はゆっくりと跪き、頭を垂れた。



「これより「魔王」討伐の功績を称え、勇者カケルへの報償授与式を執り行う!」



 進行役の貴族の言葉を受け、皇帝を立ち上がった。



「勇者カケル。此度の「魔王」討伐、まことに大儀であった。そなたのおかげでこの国は救われた!いや、この国だけではない。この大陸、他の六大陸、そのすべてが!この世界そのものが、そなたの行いによって救われたのだ」

「もったいない、お言葉です」

「勇者よ。我ら人類種は、そなたの献身に報いねばならぬ。そなたの願いを聞かせてほしい。我らの力の範囲で、その願いを叶えよう」

「私は―――、っ…?」



 少年が何かを告げようとしたその時。何かに気付いたかのように、少年は息を詰まらせゆるりと目を見開いた。

 そして少年は、泣きそうな顔で笑いながら、言葉を紡ぎ始めた…。



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