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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんのSDGs!

アンニュイな午後。パンダさんはボサッと店番してます。

ヒマだなぁ。何かこう、血沸き肉躍る事でもないかなあ・・・

と、ムコウからウシさんがリヤカー引いてやってきました。

荷台にはいろんなものが積まれているのです。

それ、なあに?どこ、行くの?

ウシさんはため息ついて汗をふきふき一休み。

「ガラクタいっぱいなんで捨てに行くんだよ」

捨てる?!そんなっ、MOTTAINAI!

だったらボクにちょうだいよ!

即決!ウシさんは快く荷物をゆずってくれました。


山と積まれた品物を前にパンダさん、ご満悦です。

ニタニタしてると、奥さんが出てきました。

見るなりビックリ!

「なんじゃーっ?!このゴミはっ!」

誰が置いていった、ただじゃすまんぞとイキる奥さん!

まあまあとパンダさん、「さにあらず、もらったのさ」

何だとぉーっ!こんなガラクタ、どーするんだよっ?!

パンダさん、少々ムッとして奥さんを諭します。

あのな、地球はひとつ!かけがえのないものなんだぞ。

この大地、自然、天然といったものは無限ではないのだ。

欲望のママに消費していては、いつか無くなってしまう。

その時になって、ギャン泣きしても手遅れなのだ。

限りある資源を大切に!

リサイクルで再生可能な社会を目指すんだ!

「このゴミのどこが再生可能なんだ?」

そうやって濁った心、腐った眼、だからガラクタに見える。

意識高くしてごらん。ほうら、宝の山だよ・・・


しかし、見れば見るほどポンコツでした。

壊れたTV(ブラウン管)、破れたソファ、脚の折れたコタツ、

錆びついたブラ下がり健康器、テフロンはがれたフライパン、

焼けコゲたBBQコンロ、色あせたアイドル等身大店頭用POP、

それからVHSビデオテープにファミコンソフトが山ほど・・・


「捨ててこいっ!」


パンダさん、ガラクタ積んだ大八車をトボトボ引いてます。

あー、こんなもんどうやって処分すればいいのか・・・

おテントウ様が西へ沈んでいきます。いよいよ、進退窮まりました。

ピコーン!その時、パンダさんの脳裏に雷鳴の如くヒラメキがっ!

そうだ!森のハズレの底なし沼に捨てよう!

あのあたり、メッタに誰も寄りつきません。うってつけではないかっ!

パンダさん、喜び勇んで底なし沼に急行!

ダッパーン!威勢よくガラクタを沼に放り込んだ!

あーっ、スッとした。ゴミを片付けると気分がいいなぁ。


その時です。沼がブクブクと泡立ちウズ巻いた。

ぼおぅと光に包まれて美しい女神様が現れたのです。

手にはしっかり声変りヘリウムガス缶(残量アリ)が!

「これはアナタの落としたものですね」


パンダさん、他の不法投棄まで残らず全部持って帰らされちゃった。



パンダさんのSDGs!

捨てる神あれば拾う神あり!


・・・・・・・・・・To Be Continued


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