パンダさんのアウトブレイク!
アンニュイな午後。
パンダさんはソファに寝そべりポップコーンをほおばっていました。
ポップコーンはこうしたダラダラした空間には最適のオヤツなのです。
パンダさんくらいの“通”となると、普通の食べ方はしません。
さっきから親指でポップコーンを真上に弾き、空中で口で受け止めています。
おっと、コントロールが外れた。
ポップコーンが床に落ち、転がっていきます。
これはイケナイ!
慌ててパンダさんはテーブルの下に潜り込みます。
あった!あったぞーっ!
パンダさんは歓喜のあまり、思いっきり立ち上がったのです。
ガツン!
フト、パンダさんは目を醒ましました。
あたりはすっかり暗くなっています。
はて何時頃だろう?
パンダさんが起き上がろうとすると、
ズキン!
あっ頭が痛いではありませんかっ!
痛い!イテテテテ・・・
どうしたんだ?なぜ、こんなにアタマが痛いんだぁ!
こんなことは初めてです。
パンダさんの胸にドス黒い嫌な予感が広がっていきました。
頭痛だけでなく悪寒動悸息切れ気持ちが悪い。
こっ、これはっ!
びょびょびょ病気ではないかっ?
それも今チマタでウワサの、あの・・・
何てこったい!
パンダさんは悲痛な覚悟を決めました。
こうなってしまったらもう家を出よう。
愛する妻や娘に感染させる訳にはイカナイ。
パンダさんはPC内のフォルダを全消去するなど身辺整理。
別れがツライので黙って裏口から出ようと・・・
バッタリ奥さんと出くわしたのです。
「出かけるの?」
パンダさんは言葉になりません。目にいっぱい涙を浮かべて棒立ち。
これには奥さんもビックリ!
「どうかしたの?お腹でも空いたの?」
何でもない、トナカイさんのとこへ行ってくる。
パンダさんは振り切るように家を飛び出しました。
ボクがいなくなっても君なら大丈夫だ。
だけどだけど、決してあの黄色いのや居候にヨロメくでないぞ!
トナカイはお医者さんです。以前は船に乗っていました。
パンダさんは事実の公表を決断したのです。
身を犠牲にして動物界に警鐘を鳴らそう!
パンダさんは使命感に燃え、Dr.トナカイに訴えました。
「アタマが割れるように痛いのです!」
ふむ、ちょっと診てみましょう。
Dr.トナカイは慎重に患部を調べます。
「ははあ、コブができてますな・・・」
パンダさんのアウトブレイク!
今この瞬間を完全燃焼し未来を見据えるパンダさん!
当然、過去の事なんて振り返らないし憶えちゃいないぜ!
・・・・・・・・・・To Be Continued