パンダさんの虚構推理!
よう、やってるかい?オレ、パンダ!名探偵だ。
ハードボイルドだぜ!ブルースを聴かせておくれ!
普段は世を忍ぶ仮の姿でパン屋なんかやってるが、
なあに、探偵なんてのは子供にだってできる。
謎はすべて解けた!真実はいつもひとぉつ!
やっかいな仕事を引き受けちまったぜ。
政財界の黒幕が死んだ。
ばく大な遺産をめぐって骨肉の争いさ。
今日はいよいよ親族会議。何かが起きる!
オレはパン屋の御用聞きとして屋敷にもぐりこんだ。
会議は見ものだったな。
紳士淑女諸君が罵り合い、あっというまに決裂!
こりゃあ血をみなけりゃ収まらない。
まあまあと弁護士が間に入った。よけいなことをしやがる。
バトルロイヤルで最後に残った者が優勝でいいのに。
一同は案内されて食堂にゾロゾロと移った。
メシでも食って頭を冷やそうというわけだ。
大テーブルに各々席についた。
未亡人、長男夫妻、次男、長女とダンナ、親類etc、
そして黒幕がメカケに産ませたというナゾの美少女・・・
この並びは。ゼヒ憶えておいてもらいたい。
料理が運ばれ、弁護士はオドオドしながらグラスを手にした。
「何はともあれ、穏やかにいきましょう。カンパイ!」
だが、異変はその直後におこった。
「うっ!」ナゾの美少女がグラスを落とし身もだえて倒れたのだ。
悲鳴、怒号、宴は瞬時に修羅場と化した。
「みんな、そこを動くな!」
オレはそう命じ、美少女に駆け寄った。
血が出てる・・・
これが赤飯炊いてお祝いするもんじゃないことは明白!
「死んでる!殺人だ!料理に毒が盛られたに違いない!」
メカケの子とはいえ、絶世の美少女!
オトコだったら全財産相続させるに決まってる。
それを妬んだヤツが邪魔者を殺害したのだ。
料理に毒を盛れる人物・・・
そう、コックだ!コックが毒を盛ったんだ!
「コック!キサマが真犯人だっ!」
何ということだ!長年忠実に仕えてきたコックが、まさか!
「ふざけるな!」「恩知らず!」「死刑にしろ!」
あ、チョット待てよ。
美少女ちゃんはカンパイのジュース飲んで死んだんだよな。
料理まだ食べてないじゃん。
するってえとぉ、毒はジュースに・・・
栓はその場で抜いたから、ええっと・・・
「今のナシ、ナシにしよう!ノーカン、ノーカン!」
が、時すでに遅し!
コックは寄ってたかってボコられ泡吹いてズタボロ!
アワテンボさん達ね、血の気が多いんだから、もう!
パンダさんの虚構推理!
真実を知ることが幸せとは限らない!
・・・・・・・・・・To Be Continued