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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんのアックスボンバー!

パンダさんは薪割りをしています。

日没までに薪100束を奥さんから厳命されたのでした。

切り出した木材をオノで細かく割る!割る!割る!

猛暑日の炎天下、汗びっしょり、喉はカラカラ、頭クラクラ・・・

ええいっ、やっとれん!遂にパンダさんgive up!

薪はまだ3束しかできていませんが、もうパンダさんはへばって動けません。


そこへ女子高生たちが通りかかりました。

「パンダさん、何してるのぉ?」

マズイとこをマズイのに見られた!

いやパンダさんとて、女子高生は大好きです。

だけどそれは、

“野菊のごとき君なりき”

といった純情可憐な乙女を愛しておるのです。

ところが現実の女子高生ときたら、ウザイことウザイこと!

森羅万象をkawaiiの可否のみで断じ、世間をなめくさって渡ってしまう。

更に怖ろしいのは複数形になるや、威力は無限大に膨れあがる!

ニンゲンの最も恐るべき群生相といえましょう。

あの黄色いのや居候が増長するのも、彼女たちが無責任に持ち上げるから。

ですが、パンダさんのパン屋さんにとっては上得意客でもあります。

あだやおろそかにはできず、パンダさん満面の笑み。

「薪を割ってるんだよ」

「マキってなあにぃ?」

この程度でイラッときては商売はできません。

「パンを焼くカマドの燃料にするんだよ。あと、冬の暖房用」

「冬のだったらこぉんな暑い日にやらなくてもいいじゃん」

「お天道様に干してよく乾かさないとダメなんだ」

でももう女子高生たちは聞いていません。

割った薪やオノを珍しそうにイジリまわしています。

「でもなんか、面白そう!」

「やってみる?」

「暑いし重たいしヤダぁ」

女子高生たちはキャピキャピ去っていきました。

あとにはポツンとパンダさん・・・

でもこれくらいではクジケナイ!

これだ!パンダさん、閃いた。

誰かにやらせよう!今のはチョットしくじった。

相手がスマホより重いものを持たないJKでは仕方ない。

パンダさんは早速キャンペーンを実施します。


「 魅惑の新体験!感動と興奮!

  MAKIWARI!

  美容と健康・ストレス解消にもってこい!

  一回ひと束分 特別利用料100えん 」


さぁこれで自分は何もせずに薪ができてオコヅカイまで儲かる!

パンダさん、張り切って客引きを始めます。ところが、見向きもされません。

りょ・・・料金が高かったのかな?

80えん→50えん→30えん→20えんと値下げしたけど応募ナシ。

更に18えんからは2えん刻みでプライスダウンも効果はありません。

8えん→6えん→5えん、4・3・2・1・・・ゼロ!

おいおい!無料だぞ、無料!タダですよぉーっ!

それでも!志願者は現れなかったのです。

くそっ、タダでもやりたくないっということか!

パンダさんは血涙をふりしぼります。

とどのつまり、パンダさんがやらねばならぬのでした。

進行が遅いと奥さんに叱られながら、パンダさんはオノを振るうのです。



パンダさんのアックスボンバー!

捕らぬ狸の皮算用!


・・・・・・・・・・To Be Continued


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