パンダさんの探偵物語!
どんよりとした鬱陶しい梅雨空であった。
ジメジメと蒸し暑くブルーな気分。
どこやらから流れる流行歌が妙に耳に響く。
アンニュイな午後。
事件が起きた!
パンダさんは茫然と立ち尽くしていた。
白昼堂々、大胆な犯行。
何と何と、買ってきたばかりのエクレア6個が消失したのだ。
いったい何故?誰が?どうやって?
あらましは次のとおりである。
パンダさんは奥さんからオツカイを頼まれた。
午後から友達のレッサー一家が遊びにくる。
もてなしのオヤツに、パンダさんはエクレアをチョイスした。
もちろん、パンダさんの大好物だ。
レッサーは夫妻と娘がやって来る。
パンダさん家には奥さんと赤ん坊。
なのでパンダさんはエクレアを6個購入した。
(この事実は重要なので記憶しておこう)
ウッキウキで帰宅したパンダさん、早速準備に取り掛かった。
久しぶりなので一杯やろう。酒やオツマミも用意万端。
そうだ、ゲームをしよう!
去年のクリスマス、やはりレッサー夫妻を交えてのパーティー。
「人生ゲーム」でパンダさんはコテンパンにヤラれた。
奥さんにも見捨てられ破産“貧乏農場”にブチ込まれた。
あの悔しさは忘れはしない。
コノウラミハラサデオクベキカ!
飛んで火に入る夏の虫!リベンジの絶好のチャンス!
パンダさんは屋根裏に封印した「人生ゲーム」を運びだした。
そうしてリビングに戻ってきたら・・・
テーブルの上に置いたハズのエクレアは忽然と消えていた・・・
捜査は難航を極めた。
犯行はわずかなスキをついて短時間で繰り広げられたようである。
パンダさんの奥さんは洗濯物を干していた。赤ん坊は寝ている。
ある瞬間、エクレアはまったくの無防備な状態であった。
当時、リビングは開けっぴろげ。
キッチンダイニング、寝室、子供部屋・・・どこからでもアクセスできる。
昼間のことで玄関にカギもかかってないから、外部からの侵入も容易であろう。
すなわち、誰にでも可能だったのだ。
となると・・・?
*パンダさんからの挑戦状
フッフッフッ!君にこのトリックが判るかね?
謎はずべて解けた!
年貢の納め時だ。
首を洗って今夜は震えて眠れ・・・