パンダさんのバガボンド!
少年は孤独であった。病弱でいつもイジメられていた。
その日も、チンピラにインネンつけられた。
そこへ!通りすがりのヒーローがサッソウと助けてくれたのだ。
少年は感動した。そして決心した。自分もヒーローになろう!
腕立て伏せ100回、上体起こし100回、スクワット100回、そして10kmのランニング!
結果、最強のヒーローが誕生した。彼はツワモノと称えられた。
向かうところ敵なし!
格闘家、武芸者、軍人、テロリスト、ヤクザが束になってもカナワナイ。
しかし、ツワモノはさらなる高みを目指していた。
ライバルを求め、決闘!道場破り!ストリートファイト!
なみいるチャレンジャーを次々とボコり、ついに頂点を極めたのだ!
敗北を知りたい!
ツワモノは武者修行の旅に出た。
もはや彼にとって、人類は道ばたの小石ほどの障害にもならぬ。
昔、ウシやクマと闘った空手家がいたそうな。
ツワモノは最強の敵を求めて、ついに野生の王国に潜入した。
野生の王国!弱肉強食の無法地帯!
ピーンと張りつめた緊張感!行き交う動物は殺気がみなぎっている。
ツワモノとて身長192cm体重155kgのヘビー級だが、
ゾウやゴリラなんかに囲まれては小っちゃくて見えない!
しかもコイツラには鋭いツメやキバまであるのだ!
ツワモノはブルブルッと体を震わした。
これだ!求めていたものは!オラ、ワクワクしてきたぞ!
この猛獣どもをすべてブッ倒してこそ地上最強は完結する!
ツワモノはケモノ道をなおも進んだ。
ふと、一軒のパン屋があり店先にパンダが座り込んでいる。
どころか、パンダは仰向けに体を投げ出し瞑目・・・
寝て・・・いるのか?
いや、そんなハズはない。ここは常在戦場!野生の王国!
パンダはノホホンとした風貌でゴマカシてるがその実、大熊猫!
カンフーやったりお祓いしたり、最近ではメイドまでこなしている。
ゆめゆめ油断召されるな。
危ない、危ない!マヌケ面の衣の下にはヨロイが隠されてる!
だが、パンダは微動だにしない。死んでるのかとおもわれるほど!
あっ動いた。寝返りうってる。とすれば、やはり寝ている・・・?
ムニャムニャとヨダレたらしたり、いかにも無防備ではないかっ!
一見、何の変哲もない。どころか、スキ、スキ、スキ、スキだらけなのだ!
これが”無”の境地ってやつか!くそっ誘ってやがる!
ええい、ままよっ!ツワモノは臍下丹田に力を込め、一歩踏み出した。
ふわあぁぁぁ。何とパンダがアクビしたのだ!
ツワモノは全身ビッショリ汗かいた。
できる!
あのまま向かっていけば、ヤツザキになるところだった!
ツワモノは金縛りにあって動けない。
負けた!やられる!ツワモノは恐怖した。そして死をも覚悟した。
その時、奥から別のパンダが現れた。
「またこんなとこでサボッて!往来で寝るな、このグータラ!」
パンダ奥さんはパンダさんをひっぱたいて起こした。
えり首つかんでズルズル引きずっていった。
「今日はこれくらいでカンベンしといたる!」
ツワモノは悠然と野生の王国を後にしたのであった。
パンダさんのバガボンド!
心頭滅却すれば火もまた涼し!
・・・・・・・・・・To Be Continued




