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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんの使い魔として異世界に召喚されてしまいアイドル志望のツンデレ女勇者と魔王討伐するハメになった件!(中)

帝国と魔王は長い間戦争を続けていた。

何が発端で何が目的なのか、もう誰も知らない。

帝国軍は魔王城を攻略せんと進軍!

しかし魔王城は難攻不落、断崖絶壁やジャングルが幾重にも立ちはだかる。

そこはブリザートと雷鳴がトドロキ、悪魔や怪獣・チミモーリョーがバッコ!

底なし沼に落とし穴や人食い人種にゾンビ集団が待ち構えているのだ。

帝国軍はウカツに手が出せず、森の入り口で何百年も待機していた。


この膠着状態を打破しようと、毎年春と秋に勇者が討伐に出かける。

成績は・・・軍隊がダメなのに期待するほうがどうかしてる。

大抵は、ジャングルにちょこっと入ったとこで魔獣にヤラれてリタイヤ!

それでも人気企画なので毎回参加者は増えるばかり。


パーティ名を決めよう!とボクは提案した。

コイツらの名前は発音がムズカシイうえにメチャクチャ長い。

名前には出身地・生年月日はモチロン、プロフィールに特技・趣味まで詳細に綴られる。

虚偽申請は重罪。うぷぷっ失礼女には「アイドル失格」まで入ってるのね!

年々長くなるので、本人さえ把握しきれない。死ぬ頃には単行本くらいになるそうだ。

なので普段は職業・地位とか身体的特徴なんかで呼び合ってる。

メンドクサイのでパーティ名なんてないのだ。

短いのにすればいいんだよっ!省略するとか、頭文字だけ並べるとか。

「その発想はなかった!」

ボクはいくつか候補を出した。

「Bu-saiQ」「C-come」「Show ben cozo」「E-voG」・・・

その中から失礼女がカッコイイと選んだのは、

「SOUL LOW」

コイツが笑顔でこれを連呼するかと思うと、うふっボクはニンマリ!


魔王討伐の作戦は、失礼女がひとりで勝手に決めた。

魔王城では毎晩盛大な宴会が催されている。

余興に芸人とか呼ばれるのだが、それに紛れ込んで出演する。

そして油断してる魔王の寝首をかく!

ちょっとヒキョウだが、なかなか良い作戦だ。さすが、失礼女!

失礼女が唄って踊れるスーパーアイドル、ボクが曲芸して魔女が猛獣使い。

坊主頭はマネジャーだ。あれ、アフロは?

「もうすでにコックとして魔王城に潜入させてある」

道理でいないと思ったが、決行は今夜!

作戦名は「Go for ROLLY」だっ!


ボクたちはダンスアイドルユニットとしてマンマと魔王城に招待された。

事がトントン拍子に進んで、いよいよ出番!

「次は、SOUL LOWの皆さんです。はりきってどうぞ!」

煌びやかなスポットライトが失礼女を包み込む。

魔王は真正面、至近距離!しかも酒でヘベレケ!今だ、チャンス!

?!ホラ、チャンスだってばっ!

失礼女が固まって棒立ちのまま動かない。どころか、ガタガタ震えてる。

なんとコイツ、人前での初ステージにキンチョーしてアガッてやがる!

いつも失礼なクセに何やってんだよっ!とにかく動け!何か言え!

おいおい、観客が不審に思ってザワつきだしたぞ。

テンパッた失礼女、イキナリ素っ頓狂な声張り上げ剣を抜いた。

「まっまままマオー、死ねぇーっ!」

あーもう、ダンドリがメチャクチャだよっ!


(つづく)


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