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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんの使い魔として異世界に召喚されてしまいアイドル志望のツンデレ女勇者と魔王討伐するハメになった件!(上)

アンニュイな午後、ボクはロッキングチェアに身を沈め優雅にココアをたしなんでいた。

ヒマだなぁ・・・何かこう血沸き肉躍る面白いことでも・・・

と、その時である。

すうっと体が浮き上がったと思ったら、急にグルグル回って暗黒に吸い込まれてく。

ああああああーっ!


ナラクの底に嫌というほどシタタカに叩きつけられた。

イテテテテと身を起こしてみると、洞窟の中。ボクは四人の男女に囲まれている。

見ればボクは魔法陣に立っていた。正面には魔法少女?が涙目で震えてる。

えええーっ!どうやらボクは異世界に召喚されてしまったようだ。

「おい、こんなのが最強の使い魔なのか?」

右側の女がイキナリ失礼なセリフ!

「いっいえあのぉ、経典通りにやったんですけど・・・」

「パンダにしか見えんが」

「じゅ呪文のツヅリを、そのぅ間違えたようです・・・」

「ドラゴンとパンダじゃ”ン”しか合っとらんじゃねぇかっ!」

まあまあと、ノッポのアフロヘアとチビな坊主頭、ふたりの男が割って入った。

「しかしパンダといえば大熊猫、仮にも猛獣ですよ」

坊主頭がシタリ顔で失礼女を説得した。

「けっ、出てきたもんは仕方ない。客寄せくらいになるだろ」

失礼女は見下すように鼻で笑った。どこまでも失礼なヤツだ。


「じゃ、改めて」坊主頭がメンバーを紹介してくれた。

坊主頭は神官だが、実はまだ学生で落第回避の単位取得のためパーティに参加した。

アフロはこの異世界の異世界出身、出稼ぎで郷土料理店バイト中をスカウト。

異世界人雇用で補助金が出るらしい。包丁使えるなら刀も振り回せるだろと剣士。

諸悪の根源、魔女は見習い。まあまあカワイイが小学生じゃボクの趣味じゃない。

あと5年したらおいでと思ったら、何と108歳!ええーっ?!

当然、間違った召喚の儀を返喚する術を知らない。コノヤローッ!

嗚呼、ボクは元の世界へ帰ることができないんだっ!

案の定というか嫌な予感的中、失礼女がお頭・勇者!

冒険とかクエストにマッタク興味なさそうなのに何で?

実はこの失礼女、帝国立アイドルグループのオーデション受けて見事落選。

しかし割とカワイイけどなぁ、センターは無理でもアンダーくらいなれるだろ。

何で落ちたんだ?やっぱ失礼だからか?

「だってホンモノのエルフとかネコ耳がいるんだぞ」

辺境から出てきて行く当てなく途方に暮れてたら、勇者募集のチラシが目に入った。

帝国も男女共同参画推進中、女のエントリーがコイツだけだったんで即採用。

史上初の女性勇者、また17歳で最年少記録を塗り替えた。

えっコイツ17だったのかっ!元の世界じゃ花のJKじゃねぇかっ。

でもしょせん話題作りの特別枠だから何のスキルもない。

だからパーティにはこんなポンコツしか寄ってこないんだ。

「で、パンダは何ができるんだ?あっちょっとカンフーやってみてくれ」

はあっ?

「パンダならできるだろ?そうだ、お祓いとかも得意だってな!」

ちっ違う違う違う!そりゃ別パンダだ!

「なぁんだ、使えねーっ!」

でもハッタリになるからと”白黒の呪術師”ってことにされてしまった。


かくてボクはなし崩し的にこの失礼女のパーティに参加をヨギなくされた。

あれっでも一体、何をするの?

「決まってるだろ!魔王を討伐するんだよ!」

えっええええーっ?!


(つづく)


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