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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんの創世記!(前)

世界は神様が創りました。

光を灯し、上と下を決めました。

固いもの、やわらかいもの、ふわふわしたものが出来ました。

そうして時間をスタートさせたのです。

草や木を植えるとグングン成長するではありませんかっ!

神様はここでピンと閃きます。

そうだ、どうぶつを作ってみよう!

自分で勝手に動き回るモノがいたらどんなに楽しいでしょう。

神様は次々と生命を吹き込んでいきます。

あっという間に、世界は動物でいっぱいになりました。


ところが、です。

せっかくの動物たちは、のそのそしてるだけ。

産めや増やせでギュウギュウづめになってきました。

寝転ぶ場所もない!動物たちは文句を言い始めます。

これにはさすがの神様もキレました。

「みんな、出ていけ!」


でもまぁ、無計画に生産した神様にもチョッピリ責任はあります。

神様は動物たちのために環境をプレゼント。

あったかいところとさむいところ。

空と海と陸を用意しました。

空にはお天道様と星を並べ、

海には塩水を満たし、

陸には山や平野とか・・・

動物はそれぞれ、好きな場所で暮らすのです。


動物たちには、神様よりポイントが与えられました。

ポイントを使って能力を上げるのです。

例えば、

空を飛びたいとか、海の中を泳ぎたいとか、

速く走るとか、力を強くとか、

角や甲羅で身を守るとか、暑さ寒さの対策も必要です。

動物たちは、どんな能力を得ようかアレコレ考えます。

気をつけないとイケナイのは、ポイントには限りがあるのです。

あれもこれも装備していたら、スグ無くなってしまいます。

飛行だの潜水だの、大それた望みはポイントを大きく消費しました。

なのでトリは他の分野に能力を回せず、やたらとモノ忘れが酷い。

サカナも同様。泳ぐことに夢中で、気がつけばマナ板の上。

なるほど、これでは種の存続にもかかわります。


動物たちはようやく事の重大さにビビり、慎重になりました。

攻撃力とか守備力とかバランス重視で配分しないとエライことになります。

だけど、食い気には勝てません。

キリンは高いところの葉っぱ食べようと首を伸ばしてしまい、うつむくのも一苦労。

ラッコなんか貝殻割るだけのために、

・仰向けに浮かぶ

・お腹の上に石を置く

・貝を掴んで打つべし!打つべし!打つべし!

で、ポイントを使い果たし、体がちっちゃくなって毛皮にされるアリサマです。

持ち家を望んだカメやカタツムリは生涯背負いこむハメに。

キバをカッコよく伸ばしたサーベルタイガーは絶滅しました。

あちこちでドッタンバッタンの悲喜劇が繰り広げられらのです。


そうして、世界各地に出発する期限が近づいてきました。



                          (つづく)

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