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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんのバイオハザード!

野生の王国!

動物たちは生き延びるために、ギリギリの闘いをくりひろげています。


腹が減っては戦さはできぬ!

命をつなぐためにも、ほかの命を奪わねばなりません。

それが、弱肉強食!食べるのです!

でもそれぞれ好き嫌いがあるので、ハンターとエモノの関係はマチマチ。

コアラはユーカリを、テントウムシはアブラムシを、アリクイはアリを、

ネコはネズミを、マングースはハブを、グドンはツインテールを、食べるのです。

それらは「天敵」と呼ばれました。


危険はそれだけではありません。

暑くなったり寒くなったり、水がなくなったり津波が押し寄せたり!

地震!カミナリ!火事!オヤジ!

大自然の脅威には、成すスベもない。

なにしろ、無法地帯!救援も保険もありません。

それらは「天災」と呼ばれました。


動物たちは、デンジャラスなサバイバルライフを強いられているのです。


さてこんなアブナイところですが、ノホホンと暮らす連中もいます。

とりあえず「天敵」がいなければ、どうってことありません。

「天災」は忘れたころにしかやって来ないし。

パンダさんなんか熊ですから、動物ヒエラルキーではかなり上位。

それにイザとなったら、竹林に逃げ込めばエサもあるし大丈夫でしょう。

「いやいや、油断は禁物ですぞ」

ムツゴロウ先生はオゴソカに告げました。

「どんなに強くても病気にかかるのです」

「ビョーキ?」

「ホラ、お腹出して寝たりするとセキやクシャミが出るでしょう?」

「うん、殴られてないのに頭痛いし、寒いのに何か熱いとか」

「それが病気です。病気はバイ菌でかかります」

バイ菌は目に見えないくらい小っちゃくて弱いけど、

大きなゾウや強いライオンをも殺すのです!

そんなバイ菌にも好き嫌いがあって、

インフルエンザはトリを、コレラはブタを、ヘルペスはコイを・・・

「ウシなんか病気になると、脳みそにポチポツ穴が開いてしまいます」

なんてこった、ただでさえヤツは足りないのに・・・

恐ろしいのは、病気の連中を食べるとバイ菌が変異して、伝染ってしまうのです。

「そりゃ、大変だ!」


パンダさんはあわてて家に帰りました。

ちょうど、ティータイム。お客さんがいました。

リビングで奥さんとキリンのお嬢さんが仲良くミルクを飲んでいます。

部屋に飛び込みパンダさん、絶叫!

「飲んじゃイケナイ!それ飲むと、きょきょきょ“狂牛病”になるぞっ!」


えっ?

キョニュウ病?????

何それ、ステキ・・・


奥さんとキリン嬢、顔を見合わせるやミルクを一気飲み!

キリンさんなんか、ボトル分捕ってカケツケ三杯!

大ジョッキでお代わりだあ!



パンダさんのバイオハザード!

誰が言ったか知らないが、言われてみれば確かに聞こえる!

ウシさんが気を悪くするので「BSE」と呼びましょう!


・・・・・・・・・・To Be Continued


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