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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
214/214

パンダさんの失恋レストラン!

戦争はまだ続いている。人類は総人口の半分を失い、女子供までもが闘っていた・・・


ボクは連邦軍のエースパイロットだ。最年少だが撃墜数はNO.1!

ボクが一番上手く操縦できるんだっ。たぶんボクは天才か新人類なんだろう。

それなのに、あぁそれなのに!みんな、認めたくないんだ。ボクがいないと困るクセに。

特にカタブツの艦長は、ボクを目の敵にしてる。

「自分勝手に動くな!」「弾を無駄遣いするな!」「無益な殺生するな!」

ウルサイなぁ!勝ってるからいいじゃん!

今日も昼食がボクの嫌いな煮魚だったんで、こんなん食えるか!って、ちゃぶ台ひっくり返したら「食べ物を粗末にするな!」と殴られた。親父にもブたれたことないのに!

だから、ボクは艦を脱走してやったんだ。


灼熱の太陽。荒涼たる砂漠。汗が目に入る。お腹はペコペコ、喉はカラカラ。

足を棒にしてトボトボ、やっと町に着いた。廃墟のようなところだった。

店があった。なになに・・・?「パンダさんのパン屋さん」とな?

中に入ると誰もいない。暗くてホコリまみれ。食事、できますかぁ?!

奥からゴソゴソとパンダ(?!)が出てきた。ヤル気のないウツロな目・・・

その時、店の前に大型トレーラーが停まりドヤドヤと男たちが入ってきた。

?!あれは公国の軍服!ててててて敵の兵士じゃねぇかっ!

「オヤジ、13人だ。メシを食わせてくれ」

連中は乱暴でヤカマシイ。ボクはカウンターの隅でシカトしてた。

そこへ、ガッシリしたヒゲ男がお色気タップリのスレンダーな金髪美魔女と同伴出勤!

「よぉし、オレのオゴリだ。何を頼んでもいいぞ」

ヒゲ男は隊長らしい。部下たちは歓声を上げて次々と注文する。

ボクはチョットうらやましくなって横目で見てたら、美魔女さんと目が合った。

「パンダさん、このボーヤの分もちょうだい」

ボクはドキドキした。もうこれは、美魔女さんはボクのコト、好きに違いない!

その証拠にヒゲ男は渋ったが結局オゴッてくれた。美魔女さんの尻に敷かれてるんだ。

だよなぁ、こんなダサいオッサンに美魔女さんはモッタイナイ!


ゲスパンダが鼻の下伸ばしてイソイソとお子様ランチを運んできた。

コイツも美魔女さんをイヤラシイ目で見てるのか!変態め!ああっオトナって汚れてる!


ハンバーグに玉子焼きとコロッケ。うげっケチャップライス(旗付き)にグリーンピースとトリニク入ってる!くそっエロパンダめ!ボクに恥をかかせようとしてんだな!

よぉし、負けるもんか!美魔女さんのためだ!いざっ、いっただきまぁーす!

まずはコロッケから攻めよう。ガブッ!口の中に不穏な食感が広がる。見れば黄色い粘着性のある・・・こっこれはっ!かかかカボチャじゃねぇかっ!

カボチャコロッケなら原材料をキチンと表示せいっ!もぉ食っちまったじゃねぇかっ!

ボクは緑黄色野菜ってヤツが前前前世から大大大嫌いなんだぞ!あのクソパンダ!

しかし、美魔女さんが見てる。ボクも男だ!せっかくの好意を吐き出すわけにゆかぬ。


ボクは目を閉じゆっくりと咀嚼した。

落ち着け、これはコロッケだ。カボチャと思うからイケナイ。そう、カレーコロッケだと思おう。色が似てる。ボクはいま、美魔女さんのカレーコロッケを美味しくいただいてるんだ・・・そう、そうに違いない!モグモグ。気持ちが悪い。吐きそうだ。だが、耐えねばならぬ。ウプッ!これはオトナへの試練だ。ボクは、このひとに勝ちたいっ!うんうん、よぉし、これはカレーだ。カレーカレーカレーっ!断じてカボチャなどではない。カレーカレーカレー・・・


外が騒がしくなった。見張りが「スパイだ」と少女を連行してきた。

あっ同じ艦に乗ってた幼馴染み!そっか、ボクを迎えに来たんだ!フフン、惚れてるな?

でも捕まるなんて相変わらずのドジッ子!美魔女さんもいることだし知らん顔してよっと。


「へぇぇっアンタ、カボチャ食べれるようになったんだ!」


幻想はコナゴナに砕け散り後には残酷な現実だけが胸の奥からこみ上げてきた・・・

ひでぶっ!



パンダさんの失恋レストラン!

ブレーンバスター!ブレーンバスター!ブレーンバスター!早くぅーっ♪


・・・・・・・・・To Be Continued


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