表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
213/214

パンダさんのザ・スナイパー!

抜けるような青空!絶好の行楽日和!

スタジアムには5万もの大観衆が押し寄せていた。

あらゆる人種の老若男女が熱狂的に拳を突き上げ足を踏み鳴らしコール!

与党党大会、大統領の登場を待ち望んでいるのだ。


大統領は人気が高かったが、その強引な政策で敵も多い。

テロや暗殺未遂、ハニトラにもしょっちゅう狙われていた。

オレは大統領のSPで警備の責任者だ。あらゆるリスクを排除せねばならん。

反対派にデモ隊や不審者は片っ端からタイホし、近隣は通行止め、不要不急の外出禁止、モチロン大会の参加者には顔認証と手荷物検査を徹底させた。

それでも一抹の不安がぬぐい切れない。

過激派がプロのスナイパーに大統領の狙撃を依頼したのだ!


正体不明の超A級スナイパー!コードネームは「銃の悪魔」!

狙ったエモノは逃さない。どの国家や組織にも属さず思想信条もオカマイナシ。

高額な報酬さえ渡せば相手が誰であろうと引き受ける。

その「銃の悪魔」が入国した形跡があるのだ。オレはただちに人員を倍増した。

ヤツは長距離狙撃が得意だ。高所から狙われるオソレがある。

会場のスタジアム周辺はビルが林立し商業施設や遊園地もある。

オレはビルはすべて立入禁止、商業施設と遊園地は客もろとも封鎖した。


大歓声に迎えられて大統領がゆっくりと登壇する。自信に満ちた笑顔で観衆に応える。

その時、モニターを睨んでいたオレの心臓が凍りついた。

大統領の背後、遊園地の観覧車がゆっくりと動いてるではないかっ!

シマッタ!「銃の悪魔」は観覧車に乗っていたのだ。ゴンドラが頂点に達した地点、まさに大統領の後頭部を見下ろすこれ以上ない狙撃ポイント!

オレは本部を飛び出し遊園地に走った。大急ぎで観覧車の鉄塔に飛びつき必死で登っていく。ゴンドラには・・・ガッデム!短髪の若い東洋人がひとりで望遠カメラのようなものを構えてる!コイツが「銃の悪魔」かっ?!

ゴンドラが頂点に差し掛かったまさにその時、オレはドアを蹴破って中に乱入した。間に合った!オレは驚く東洋人を組み伏せ腕をねじり上げる。確保!危機一髪だった。


ところが東洋人はメソメソ泣いてる。聞けばジャパンの週刊誌のカメラマンなそうな。

どうやら大統領のスキャンダルをスクープしようとしてたらしい。

コノヤロー!まぎらわしいこと、するんじゃねぇ!


オレは怒りに震えたが地上に降りるまでどうすることもできない。

ゴンドラが頂点に達した。大統領をまっすぐ見下ろしてる。

その対角線上、大統領のスグ足元に・・・WFT!パンダ!パンダがうずくまっているではないかっ!

ヤラレタ!オレは脳天をブチ抜かれたかのショックを受けた。

オレ達は上からの狙撃ばかりに気をとられ、下からの攻撃にマッタク無警戒だったのだ。

パンダはゆるキャラに混じり顔認証をすり抜けた。手荷物検査もなにも、パンダはマヌケヅラで油断させてるが実態はクマ!いくらイキッてるとはいえ79歳のジジイなんざぁ右フック一発でKO!あの世行きだ!OMG、万事休す!


神に祈るオレをアザ笑うかのようにパンダはおもむろにフトコロから何か取り出した。

そしてステージに向かって壇上の大統領のトナリで花束渡そうとしてるアイドルちゃんをスマホでローアングルから盗撮してた。



パンダさんのザ・スナイパー!

オレの後ろに立つな!


・・・・・・・・・To Be Continued


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ