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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
210/215

パンダさんの心頭滅却すれば火もまた涼し!

アンニュイな午後。パンダさんは博士の研究所を訪れました。


博士は天才的科学者でしたが、パラノイアな発明で、学会から永久追放。

人里離れた野生の王国に亡命してきたのです。

博士は世間に復讐しようと新しい研究に着手。動物たちに協力を求めました。

ここでなら誰憚ることなく思う存分、非人道的な生体実験ができるでしょう。

研究所行ったらお小遣いもらえるしゴハンも出るので、みんな喜んで、

クスリ飲んだり、電気流されたり、解剖されたりしてるのです。


さて、パンダさんです。博士から一向に声がかかりません。

博士は小動物ばかり優遇しているのです。これはズルイ!不公平!差別だ!

研究所は楽しそう。あんまり愉快なんでそのまま帰ってこないのもいる。

そして聞き捨てならないウワサが耳に入ったのです。

「研究所はクーラー効いてて、夏でも涼しい!」

パンダさん、とうとうガマンできずに自分から押しかけちゃった。


ちょうど博士は、遅い昼食に取りかかっていました。改造手術が長引いたのです。

「いいトコに来た!ボクにもちょうだい」

博士はシブシブ、夕べの残りのカレーを出すことにしました。

「お腹がペコペコなんだよぉ」

ガツガツガツッ!んがぐぐっ!ペッペッペッ!

「なんじゃこりゃーっ!かっかかか辛れぇぇぇーっ!」

パンダさん、あわてて水をガブ飲み!

頭は熱くなり変んな汗がダラダラ舌はヒリヒリ!

「このクソ暑い中、なんてものを食わせるんだ!・・・これがウワサの非人道的な生体実験ってヤツか!」

博士、ムッとしました。せっかくごちそうしてあげたのに・・・

「暑い時に熱いものを食べると暑気払いになるんじゃよ」

「???????」

「いやっ、暑い時に熱いものを食べると汗が出るから涼しくなるんじゃよ」

「暑い時に熱いものを食べたから汗が出たんだぞ」

「だからぁ、汗が出て体が冷やされたから涼しくなっただろ?」

「汗が出たのは暑さ×熱さのコラボじゃねぇかっ。そんな回りくどい方法でなく、体温下げるなら素直にアイスクリーム食べればいいじゃん」

「・・・例えばここにタコヤキがあるとする。皮はカリカリで中はトロトロ熱くて食べられん。そこへグツグツ煮立った鍋焼きウドンが運ばれてきたら、タコヤキの熱さは感じないじゃろ?」

「えっ?タコヤキとウドンがあるなら早く言ってよ。熱くても食べるからさぁ」

「た、例えばのハナシだ!より高いものがあれば他は相対的に低く感じるという・・・」

「んじゃ、先にタコヤキでいいよ。そいでウドンね」

「タコヤキもウドンも無いと言ってるだろーがっ!」

「ははーん、ボクに食べさせずに独り占めする気だな!ゴーツクバリめっ!」

「きっ君とはオハナシにならんっ」

「オハナシじゃねーよ、タコヤキ!いい?タ・コ・ヤ・キ!タコヤキだよ!」



パンダさんの心頭滅却すれば火もまた涼し!

ええっとこりゃ、喉元過ぎれば熱さ忘れる、ってヤツでしょうーかねぇ・・・


・・・・・・・・・・To Be Continued


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