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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
207/215

パンダさんの神々の山嶺!

野生の王国!弱肉強食の無法地帯!

そこは雄大な大自然の真っただ中にありました。

ウッソーとしたジャングル、トウトウとした大河、月の砂漠、草原の輝き!

そして中央には山がそびえ立っていました。

どうぶつたちは「大きな山」と呼びアガメタテマツっておりました。


さて、野生の王国に国境を接する「トナリの国」がありました。

この二か国は非常に仲が悪かった。ご近所さんなら波風立てない方がいいのに。

近親憎悪というか、常にライバル意識を持ち、罵りあってきました。

トナリの国にも山がそびえ立っています。

トナリの国では「高い山」と呼びアガメテテマツっておりました。


そこで「大きな山」と「高い山」、どっちが優れているか激しい論争が起きるのです。

双方とも譲りません。こっちを褒め、相手を貶す。

誹謗中傷罵詈雑言が飛び交い、ワイロやハニトラが横行、あわや戦争の危機!


「このままでは、イケナイ!」

おおっ我らがパンダさんが立ち上がりました。

「どっちが雄大だとか景観が良いなんてのは、しょせん個人の感想じゃないか。そんなもん、推しとアンチのレスバより不毛だ。ボクらは感情的になってはダメだ。もっとこう、理知的というか科学的に決着をつけよう。さよう、誰の目にも明らかな数値でね」

「富士は日本一の山!」と童謡にもなる根拠とはなんぞや?それは標高でしょう。

山という以上、地べたが盛り上がってなくてはなりません。

そしてそれが丘じゃない証明として標高!高さこそ山の条件!山のポテンシャル!

「ならば、標高が高い方を勝ちとしよう!」


ところで、どうぶつたちはモノサシを持ってないので、度量衡が統一されてない。

高低差はキリンさんより高いと測定不能!

ええっ山は雲まで届いてるのに!どうやって測るんだよっ!


「心配ご無用!」パンダさん、胸を張った。

「水は低きに流れる。大きな山と高い山に雨どいを渡して水を流すんだ。水が流れていった方が低い!すなわち負けだ!」


さっそく大きな山と高い山に雨どいを渡す世紀の大工事!周辺住民の反対や技術的な問題に材料とか人件費の高騰による大赤字で難航の末ついに完成!

そしていよいよ有史以来の論争に終止符が打たれる!

クス玉が割られテープカット。ゲストの有名人が厳かに蛇口をひねった。「流水!」


水は無色透明で分かりにくいので、目印にソーメンも流しました。

おおっ見よ!水はゆるやかにしかしはっきりと流れてゆく!

その行方は?ああっ「大きな山」へ流れゆく。野生の王国側だ。

「高い山」は「大きな山」より高かった!トナリの国の勝利だ!


その時、野生の王国で大歓声が上がった!

「わーい、水が流れて来たぞー!」「やったーっ!ソーメン食べ放題だぁ!」

「やっぱ暑いときは流しソーメンですね」「風流だし毎年やりますか」



パンダさんの神々の山嶺!

トナリの国は「高い山」を削り始めた。


・・・・・・・・・・To Be Continued


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