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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんの放課後ティータイム!

ごきげんいかが?ワタクシ、さる上級国民の令嬢でございますの。オホホホ・・・

お父様お母様の深い愛情につつまれ、蝶よ花よと甘やかされ、健やかに育ちましたわ。

晴れてこの春、伝統と格式ある名門女学院に転入しましたの。

「清く、正しく、カッコよく!」をモットーに優美でエレガントな秘密の花園!

ブリリアントでゴージャスなスーパーレディのワタクシにピッタリの舞台ですわ。


女学院でワタクシは注目のマト。さっそくカーストTOP生徒会長に立候補しましたの!

でも対立候補には貴族や政財界の大物の子女が!まあ、いやですこと!

身の程知らず権力を手中におさめようと陰謀論をめぐらすではありませんかっ!

ワタクシも対抗上、学友に商品券を配りましたわ。ケチだと思われたくありませんものね。

さらにワタクシはお茶会を開催し彼女たちを手なづけようとしたの。

旧校舎の音楽室にテーブルを並べ、レースのクロスをふんわりかけるの。

もちろん、イスはロココ調ですわ。シャンデリアの下にはバラの花を飾るの。

高級マイセンのティーカップに銀のスプーン、有名店のスイーツをお取り寄せ。

さあさ、すっかり準備はできましてよ。それでは皆様、いただきましょう。


お茶会では淑女にふさわしいオハナシが不可欠ですわ。

ねぇ、こんな格言を知ってる?

「働けど働けどわが暮らし楽にならざり、じっと手を見る」

ところが、です。ああ、何ということでしょう!

教養あるグローバルな女性を目指すべく学友たちはポカンとするではありませんか。

どころか、知らん顔してお菓子をつまんでますの。なんたる無知、おバカさん!

それだけならまだしも、勝手にオシャベリはじめる始末。

その内容は、恋バナ・オシャレ・グルメ・アイドル・アニメ!お下劣なものばかり!

なんとハレンチなっ!ワタクシ、速攻でお茶会を中止しましたわ。


ワタクシは失望、ビッチどもは当然出禁ですわ。朱に交われば赤くなりますものね。

けれど他を当たってみても似たり寄ったり。ガッカリですわ。

そこでワタクシ、下級生に目をつけて教育しようと思いましたの。鉄は熱いうちに打て!

後輩は美しいワタクシにあこがれのマナザシ、お茶会にノコノコやってきましたわ。

ねぇ、こんな格言を知ってる?

「諸君、わたしは戦争が好きだ・・・」

「よろしい、ならば戦争だ!少佐の演説ですね!」

まあ、何ということでしょう!ワタクシが終わりまで言わないうちに!

イントロ当てクイズではなくってよ!ナマイキなメスガキも出禁ですわ!


「今日はお茶会ないの?」

誰も来なくなった音楽室に現れたのは、なんとパンダでしたわ。

まぁ、コイツなら出しゃばったマネはしませんよね。

ワタクシ、精いっぱいのおもてなしをしましたわ。

ところがこの大熊猫、バリボリお菓子を平らげると「おかわり!」

おやおや、主役はこちらですわよと、お茶を出すなり「替えてくれ!」

あらいやだ、まさか、ティーパックの使いまわしがバレちゃったかしら?

ワタクシ、あわてて新品を出しましたが結果はまたも「コレジャナイ」

何ということでしょう、お茶が分かるとでもいうの?ケダモノの分際で!

ならば最後の手段、修学旅行のオミヤゲでとっておきのお茶を開封しましたの。

いかが?お高いんですのよ!これなら文句ございませんでしょう!


パンダは茶碗を見つめて「これを淹れ直してくれ」

さぁそれからワタクシ、お茶を淹れては出し淹れては出し、何回も何回も何回も!

茶葉の量に温度や器、思いつくことは何でも試したのに、パンダは首を振るばかり。

ワタクシ、ヘトヘトになって69回目のお茶を差し出したところ、

ようやくパンダはニッコリ笑って・・・

「ほうらごらん、茶柱が立ったよ!」



パンダさんの放課後ティータイム!

ねぇ、こんな格言を知ってる?

「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」


・・・・・・To Be Continued


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