パンダさんの地球の運動について!
アンニュイな午後。パンダさんは博士の研究所を訪れました。
博士は天才的科学者でしたが、パラノイアな発明で、学会から永久追放。
人里離れた野生の王国に亡命してきたのです。
博士は世間に復讐しようと新しい研究に着手。動物たちに協力を求めました。
ここでなら誰憚ることなく思う存分、非人道的な生体実験ができるでしょう。
研究所行ったらお小遣いもらえるしゴハンも出るので、みんな喜んで、
クスリ飲んだり、電気流されたり、解剖されたりしてるのです。
さて、パンダさんです。博士から一向に声がかかりません。
博士は小動物ばかり優遇しているのです。これはズルイ!不公平!差別だ!
研究所は楽しそう。あんまり愉快なんでそのまま帰ってこないのもいる。
そして聞き捨てならないウワサが耳に入ったのです。
「研究所の待合室は大画面モニターで話題のアニメが見放題!」
パンダさん、とうとうガマンできずに自分から押しかけちゃった。
動物たちに大人気なのが、ロボットアニメ!
新作の劇場公開に合わせて、シリーズ作品が続々配信されています。
でもヒキョウなことに、これらの多くは有料でした。
そうでなくとも、水と安全はタダだと思ってるお国柄です。いわんや、アニメをや!
行き過ぎた資本主義!抗議のためにも、パンダさんは断固無課金をつらぬきます。
しかしそれではアニメが観れず、世間からは置いてけぼり!
ジクジたる思いのパンダさんに、おおっ見よ!救いの手が!
博士は腐っても上級国民なので、各サイトのプレミアム会員なのです。
かくてメデタく、動物たちはアニメ鑑賞にいそしむのでありました。
動物たちは熱狂していました。泣き、笑い、怒り、推し、考察や二次創作まで!
そんな中、パンダさんはポツンと離れてムズカシイ顔をしています。
はて、パンダさんが悩んでいる?博士は不審に思いました。
パンダさんは常々このシリーズは初代から欠かさずリアタイ視聴と豪語!
この手の古参の悪いクセ、ファーストこそ至高!の原理主義者なのです。
新規が受け入れられず、ケチをつけるつもりだな?博士は身構えました。
「どうしても、分からん!」
ん?敵と味方がゴチャゴチャになったのかね?
「いや、そうじゃなくてさぁ、このシリーズ全体に共通することなんだが」
ライバルの変な目隠しは正体がバレると危な・・・
「そんな枝葉はどうでもいい!もっと根本的な、世界観というか設定だよ!」
コロニーは人類が宇宙空間で生活・・・
「違うよ!あのさ3話くらいになると、戦いの場所を変えようってなるじゃん?」
大気圏突入かね?マサツで熱くなるんじゃよ・・・
「話を聞けよ!仕切り直しだって皆、青い丸いモンに落ちてくけど、あれ何?」
博士は真っ白な灰になりました。この大熊猫はこれまで何を観てきたのでしょう?
アレ知らずに、強化人間だの最終兵器やらをエラそうにdisってたのかよぉ!
あっ・・・あれは地球じゃよ。ホラ、今ここにいる・・・
「チキュウ?ウソつけ!あんなに小っちゃくて丸いじゃないかっ!」
パンダさんの地球の運動について!
みなさんの住んでいる地球は、丸くてお空にポッカリ浮かんでいます。
それどころか、お日様の周りを回転しながらグルグル回っているのですよ。
Yes、バージニア?異端者は火あぶりですぞ。
・・・・・・・・To Be Continued




