表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
178/224

パンダさんのサイレントマジョリティ!

野生の王国!弱肉強食の無法地帯!

ルールも情けも無用!勝てば官軍の常在戦場!

勝者だけが栄華を極める!血も涙もないサバイバル!

この美しき残酷な世界で、動物たちは生き残らねばなりません。

強者はそれで良いでしょう。では、弱者は?

野生の王国には、強者ばかり居るのではありません。

どころか、圧倒的に弱者の数が多いのです。

弱者はどうやって生きているのでしょう?

常にビクビクおびえながら?それともナニクソと困難に立ち向かった?

いいえ、そのいずれでもなかった。

彼らもまた、弱いものをイジメていたのです。

強者からは逃げ回り、弱者を叩いてウサを晴らしていたのです。

このヒエラルキー、そうです!食物連鎖!


大自然の過酷は、強者VS弱者が無差別級であることです。

ただ自分より弱いもの、だけではなく、もっとずっとうんと弱いのを探す。

ヘビー級のボクサーがわざわざ減量してまでクルーザー級で戦うのはナゼ?

そりゃ、ランク落とせば対戦相手が弱くなるから!

ボクシングはまだダイエットのリスクがありますが、動物は問答無用!

超ヘビー級オオアリクイの対戦相手はアリですよ、アリ!

50kgはあろうかというオオアリクイに対し、アリさんの体重はわずか1mg!

そりゃ、楽でしょう。勝てるでしょう。大人げない?いいえ、これが弱肉強食!


もっと悲惨なカーストがあります。さよう、植物!

野生の王国は動物ばかりが居るのではない。いや、むしろ植物のほうが多い。

彼らは大地に根を張ってその場に静かにたたずんでいるのです。

アリは小さいとはいえ、数が多い。動ける。堤防に穴開けて決壊させます。

しかし植物は?植物は雨が降ろうが敵が来ようが逃げも隠れもしない。

そして、なすがまま、なんの抵抗もできず食べられてしまうのです。

植物にとっての強者とは、嗚呼、他では弱者と呼ばれるヴィーガンたち!

ホントのことを教えましょう!弱いものがさらに弱いものを叩く!


さて、パンダさんです。

この哺乳網食肉目クマ科は、食物連座ヒエラルキー最上位。

つまり、とって食おうなどとという不届きな天敵は存在しません。

恵まれた体格、鋭い爪、どう猛な牙!

そんなパンダが選んだ対戦相手は・・・笹の葉!

何ということでしょう!これは酷い!アカラサマというかオーバーキル!

「だって楽じゃないか!植物は文句も言わないしな!」


「フフフ、本当にそう思ってるのかい?」

モーソーチクは不敵に笑いました。

「えっ?野菜だって果物だって無抵抗主義だろうが!」


「確かに我々は、見ざる聞かざる言わざる動かざる!何万年ものイニシエより不当な搾取から耐え忍んできた。だからといってその逆境に甘んじているとでも?積年の恨みツラミに一矢も報いないとでも?声を上げないのは諦めてるんじゃない!俺たちは俺たちのやり方で、静かなる復讐をしているのだよ。それが何か分かるかね?君たちはそう、野菜や果物を栽培するであろう。基本、おてんとう様と水があれば育つ。だけど、それだけじゃマズイんだ。君たちは、ウマくしようと品種改良したね。そこでだ、我々はワナを仕掛けた。肥料で味を良くしたんだ。肥料とは何だ?お前らのフンじゃねぇかっ!つまりキサマらは、自分のフンと間接キッスしてんだぞ!ワーハッハッ!これからも俺たちは肥料を使えば使うほどウマくなってやる!さよう、それが俺たちのレジスタンス!」



パンダさんのサイレントマジョリティ!

Yesで、いいのか?


・・・・・・・・・To Be Continued


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ