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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
177/223

パンダさんの失われた時を求めて!

パンダさんは、おモチを食べています。

もそもそ、もそもそ、おモチを食べています。

ここんとこずっと、朝昼オヤツ晩夜食と、おモチを食べています。


へぇーっ!パンダさんってよっぽど、おモチが好きなんだね!

ちがぁ―うっ!そうじゃないっ!

おモチがあるから食べてるんだ!カビちゃうから食べてるんだ!

まだこんなに残ってるんだ!これ全部ひとりで食べなきゃならんのだ!


食いしん坊バンザイのパンダさん、おモチは大好物です。

大みそかにいっぱい、ペッタンペッタンペッタンコ、おモチをつきました。

そして迎春!元旦から怒涛のおモチラッシュ!

そりゃ始めは、みんなウマイウマイと食べてましたよ。

でも諸行無常、どーしたって飽きるじゃないですか。

奥さんや娘ちゃんは三日からは通常メニューに戻りました。

そこから、パンダさんの孤軍奮闘がスタートしたのです。


当初、パンダさんは、よゆうシャクシャクでした。

おモチ大好き!いくらでも食べられる。

何なら、娘ちゃんの分もツマミ食いしてたくらいです。

おモチの分量を決めたのもパンダさん!

それくらいにしといたらという、奥さんを振り切ってのモチつきでした。

だから、製造者責任を厳しく問われる。適切に処理せねばなりません。

ううっタイムマシンが実用化されていれば・・・

過去の自分の暴走を止めたい。キネを奪ってブンなぐってでも!


パンダさんは、おモチを食べています。

もそもそ、もそもそ、おモチを食べています。

おモチは、のびたりちぢんだり、口の中でネバネバしてる。


ガチッ!

イキナリ固いものが奥歯に当たりました。

イテテ・・・おモチのはしっこの焦げたところでしょうか。

パンダさん、かまわずガリガリ噛み続けました。

しかし大熊猫の強靭な牙でも砕けなかったのです。

どうしたんだろう?ペッ!

うわぁぁぁあーっ!何じゃ、こりぁあぁぁーっ!

なんとソレは、パンダさんの右上奥歯1のカケラだったのです!


パンダさん、おモチ食って歯が折れる!


野生の王国、騒然!

さっそく、大喜利が始まりました。

「パンダさん、歯が折れたってねぇー?」

「パンダさん、歯壊(はかい)」

「パンダさん、歯滅(はめつ)」

「パンダさん、落ち歯(おちば)」

「パンダさん、歯無し家(はなしか)」

「パンダさん、歯隠れ(はがくれ)

「パンダさん、歯無星(ハムスター)」

「パンダさん、歯零無(ハーレム)」

「パンダさん、必死歯逝く(ヒッチハイク)」

「パンダさん、栄光の欠け歯死(えいこうのかけはし)」

「パンダさん、僧侶歯痛(そうりょハイター)」

「パンダさん、折歯君(オリバーくん)」*秀逸



パンダさんの失われた時を求めて!

おモチを食べるときは充分に注意しましょう。


・・・・・・・・・To Be Continued


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