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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんの草萌ゆる!

野生の王国!弱肉強食の無法地帯!

この地上最後の秘境には様々な動物たちがそれぞれナワバリで暮らしています。

ナワバリこそが動物のアイデンティティなのです。


といって、ナワバリの法的根拠はありません。なんせ無法地帯!

「ここは、オレのナワバリだ!」と勝手に主張してるにすぎない。

が、そこは弱肉強食。異論があれば腕力で解決します。

ナワバリもピンキリ、人気物件はエサが多いとか水があるやらで、競争率も高い。


パンダさんは、竹林にナワバリを設置してる。

里の外れだし川から遠いし他に希望者もいないので、スンナリ認められました。

ところで、ナワバリの運営は完全に自己責任!

パンダさんは、竹林内のトラブルをすべて自力で解決せねばなりません。


パンダさんは奥さんから草むしりを命じられました。

ほったらかしにしといたら雑草が伸び放題!あまりに見苦しいという理由です。

パンダさんは肉体労働なんて大キライ!ホントはやりたくなんかない。

しかし、ナワバリの長として、責務を放棄するわけにはいきません。


「何じゃこりゃーっ!」

現場に到着してビックリ!雑草が生い茂ってるなんてもんじゃないっ!

名も知らぬ、ありとあらゆる植物が繁殖していました。いや、これはもう侵略!

トゲトゲがあります。ツルがからまってます。毒々しい花や実がなってます。

草のクセにパンダさんよりも背が高いのも!

「こっこれに、単独で立ち向かえというのかっ!」


パンダさんは足元の草を抜いてみました。

ヒョロヒョロッとしてるのに、意外と根は頑丈で骨が折れます。

「冗談ではないっ!」

2秒でパンダさんは戦意喪失!そして改めて生命の強じんさに感服しました。

「コイツらもまた、生きているのだ!」

闘うことよりも共栄共存の道を探ろう。何かに役立てれば良いのだ!

「雑草メカニズムによるハゲの治療法」とか「親はなくとも子は育つ教育論」だの。

そういえば、雑草といえど植物!野菜や果物と同類でしょう。

ならば、食える!食えるぞ!

何といっても魅力的なのは、勝手に生えてくることです。

コメなんかワガママで八十八回も世話せにゃならんのにですよ!


食べて応援!一石二鳥!これで世界の食料問題は一気に解決だあーっ!


あのケチで有名なパンダさんがご馳走してくれるって?!

招待されたウシやウマにヒツジとヤギは半信半疑で出かけます。

パンダさんはにこやかに彼らを原っぱへ案内しました。

「ようこそ!選ばれしヴィーガン諸君!今宵は存分に堪能してほしい!ここに集った食材は幾千里もの各地より故郷を離れ山こえ谷こえ波に乗り海を渡り艱難辛苦旅の果て安住の地と定めし勇者たちの末裔ぞ。あだやおろそかに扱うでない。植物とて生きている。命をいただくのだ。命は地球よりも重い。心して、いただきまーす!ん?どうした?遠慮はいらぬ。さあ、食え!ホレ、食え!食って、食って、食いまくれーっ!何ィィィィ?マズイだとぉ?ナマイキいうなっ!ゼイタクは敵だっ!今この瞬間にも世界中で4秒にひとりの割合で子どもが餓死しておるのだぞ!腹いっぱい食えるシアワセをかみしめろーっ!」



パンダさんの草萌ゆる!

雑草などという草はない!(勅語)


・・・・・・・・・・To Be Continued


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