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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんのコードブルー!

アンニュイな午後。

パンダさん御一行様は、河原でBBQとシャレこみました。

トナリのナワバリとの境界線に大きな川が流れています。

普段は満々と水をたたえているのですが、

ここんとこ、お天気続きだからでしょうか水は少なく、

大きな中洲までできています。

あそこまで行ってBBQしよう!

「中洲に入ってはいけません」の看板がありました。

なあに、かまうもんですか。

ホラネ、水深も浅く歩いてもラクラク渡れるじゃん。

中洲は案外広く、さっそく皆は火を起こしたりして準備です。

抜けるような青空の下、お肉焼いたりお酒呑んだり!

パンダさんはビール片手にのんびりと過ごしました。


どれくらい時がたったでしょう。

お天道様もそろそも西に傾いております。

パンダさんはフト、妙なことに気づきました。

水かさが増しているのです。

川はさっきまでチョロチョロだったのに、

今ではトウトウと押し寄せています。

それに中洲はずいぶん狭くなったようでした。

マズイ!

何で急にこんなことに?

おそらくは上流でビーバーのダムが手抜き工事で決壊したのでしょう。

みるみるうち、増水!さあ、大変!

奥さんは泣く、子供は喚く、友達は頼りにならない。

誰か助けてくれぇっ!


と、そこへラクダがトボトボと通りかかりました。

ラクダは金と銀のツボを月の砂漠まで配送中だったのです。

しめた!

パンダさんは大声でラクダに救援を要請しました。

助けてくれぇっ!

ところがラクダはボンヤリとパンダさんを見つめています。

どうやら川の流れがウルサくて、声が届いていない!

焦るパンダさん、しかしこのピンチに天才的なアイデアがヒラメキました。

得意のパントマイムで知らせよう。

パンダさんは両手両足を伸ばしたり広げたり全身を使って魂のパフォーマンス!

頭をグルグル回したり腰をクネクネ振ったりして訴えます。

「S・O・S!」

「タ・ス・ケ・テ・ク・レ!」


この様子を対岸からラクダはウツロな目で眺めていました。

ははあ、パンダさんが楽しそうに踊っている。

また新しい遊びを始めたようだ。自慢げに見せびらかしよる。

同じことを何度も繰り返しとるぞ。シツコイな。

あれ?ひょっとしてこれは“じぇすちゃあ”とかなのか。

オレに何かアピールしてるんだな。

ラクダはジッと凝視し、遂にパンダさんのパフォーマンスを解読したのです。


「生中ふたつ、枝豆とフライドポテトLで!」


つきあっとれん!こっちは仕事中なんだぞ!

憤然としたラクダはサッサと配達へ行ってしましいました。



パンダさんのコードブルー!

届かぬ想いがまたひとつ!


・・・・・・・・・・To Be Continued


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