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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
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パンダさんの外は白い雪の夜!

どんよりと低く雲が垂れ込めます。

北からぴゅうぴゅうと冷たい風が吹いてきました。

小さな白い結晶がヒラリヒラリ・・・冬がやってきたのです。

冬!それはもう、寒くって寒くって凍えてしまいます。

冬は、雪の女王と北風小僧&ナマハゲが支配していました。

吹雪とブリザードの見渡す限り、氷の世界。

マイナス30℃では、バナナで釘が打てるのです。

そんな過酷な環境ですから、多くの動物たちは冬眠します。

寒いし、どーせエサもないなら、暖かくなるまで寝ていよう!

そんな訳で今、野生の王国は1/4ほど機能が停止しています。


冷たい底冷えのする晩でした。

クマさんの穴倉をドンドンたたくものがあります。

はて、今ごろ何だろう?クマさんは不審に思いました。

「ボクだよ、パンダだよ!ヒマだから遊びに来ちゃった」

冬眠といっても、いろいろあります。

最初から最後までずぅーっと寝てるのもあれば、時々目覚めるものも。

近頃は地球温暖化とライフスタイルの変化で、起きてるヤツも結構いる。

クマさんもちょうど起きてて大人買いしたコミックス全巻読破中でした。

「うぅーっ、寒いねぇ。お酒ある?おっ、このゲーム新作出たんだ!」

パンダさん、散々飲み食いして、明け方やっと帰っていきました。


さあ、それからというもの!

パンダさんの冬眠陣中見舞い凸が、毎晩毎晩毎晩毎晩!

初期は歓迎してた動物たちも、だんだんウザクなってきました。

そもそも、冬眠とは体力温存のため!生命活動をギリギリまで抑えてる。

ウツラウツラしてるとこに、あの騒々しいKY大熊猫!

断ろうにも、寝てるだけだから用事もなければ忙しくもない。

在宅は確実なので、居留守が使えません。

冬眠動物、戦慄!このままではオチオチ寝てられません。

そこで動物たちはSNSでコミュニティを形成しました。

ウサギに頼んで、パンダさんの動向を逐一報告させたのです。

そしてパンダさんの今後を予測、警報や注意報を発令。

警戒レベルも1~4まで、取るべき行動も詳細に指示されます。

ところで、動物は基本、寝起きが悪い。

だから熟睡中に起こすなんて、宣戦布告も同然なのです。

なので、さすがのパンダさんも電気消えてるとやって来ない。

そこで!パンダさんの進路にあたる穴倉はすべて消灯!

フトンかぶって、嵐が過ぎ去るのをひたすら祈るのです。


ドンドンドン!「ちっ、寝てるのかあ・・・」

パンダさんの足音が遠ざかっていきます。

どうやらアキラメたようなので、ハリネズミはホッとひと息。

「そうだ!久しぶりにクマさんのところに行ってみよう」

ええええええーっ!ハリネズミ、ビックリ仰天!

クマさんの穴倉は反対方向、スッカリ油断してることでしょう。

くそっクマ公、カンジンなときに電源入ってないじゃないかっ!

ハリネズミはこっそり抜け出し先回りして、クマさんに通報!

「ひえぇぇぇーっ!何てこった!」

クマさんは大慌てで部屋の片づけ、ハリネズミも消灯を手伝います。

消せっ!消せっ!消せーっ!灯は全部消すんだーっ!

「おーい、クマさーん!ボクだよー、パンダだよーっ!」

いっイカン!もう入り口まで来てる!

ドンドンドン!クマさんとハリネズミは息を殺して震えています。

ガチャ!ついにパンダさん実力行使、入ってきちゃった。

「あれ?ハリネズミもここだったんだ!いやあ、最近みんな寝ててね。

スマホ充電してるから、きっと起きてると思ったよ!さあ、遊ぼう!」

暗闇の中、わずかな赤ランプ、パンダさんは見逃さないぜ!



パンダさんの外は白い雪の夜!

雪はしんしんと降っています。すべてをおおいつくすように・・・


・・・・・・・・・・To Be Continued


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