堂々巡り
必ず夜は明けるから
必ず陽は射すから
だから耐えろって
もう逃げるのは止めろって
よく言われてきたけど
それはあくまでも
この星で生きている
時間、の話であって
言い替えてしまえば
いつまでもここに居られる訳じゃないんだから
早くしろよ
このクズ ノロマ
って罵られているのと
実はそんなに変わっていない
幼い頃から
ありとあらゆる機会にふれてきた
希望の言葉と
倒れてもまた立ち上がれば大丈夫
みたいな文句
長い時間
爪を噛みながら見上げてきて
ようやく分かった事がある
評価される側も
評価する側も
もうそれまでの間に
一定以上の評価を受けてきたから
そこに立っているんだって
認められなかった傷は 傷にはならない
裁かれなかった罪は 罪にはならない
今更 誰かを責める気は無いよ
責める気は無いけど
僕は本当に何も持てていなかったから
自分を責め続ける事しかできなかったんだ
不幸 不遇 不条理
そんなの比べていたらキリがない
そんな事していたら
自分が相当な浅瀬で溺れているのを
再確認するだけになる
でもだからと言って
抱えてきたこの苦しみを
自分以外の誰かが全て理解できるとは思えないし
だから僕も人の痛みを理解できるなんて口が裂けても言えない
ねえ 僕らは
初めからこの世界の隅に追いやられるべくして
生まれてきたのかな
はじかれるために 一人になるために
生まれてきたのかな
そんなはずは無いって
ずっと抗ってきたけれど
少なくとも今の時点で
僕の中はあの闇に覆われたまま
一度も明けないし 陽も射し込んではいない
手放せば
あきらめれば
それで楽になる
ずっと楽になる
もうそれで良いと そうしようと
それで良かったのに
それで良かったはず
だったのに