表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

堂々巡り

作者: 朝焼 悠

必ず夜は明けるから

必ず陽は射すから

だから耐えろって

もう逃げるのは止めろって

よく言われてきたけど


それはあくまでも

この星で生きている

時間、の話であって

言い替えてしまえば


いつまでもここに居られる訳じゃないんだから

早くしろよ

このクズ ノロマ

って罵られているのと

実はそんなに変わっていない


幼い頃から

ありとあらゆる機会にふれてきた

希望の言葉と

倒れてもまた立ち上がれば大丈夫

みたいな文句


長い時間

爪を噛みながら見上げてきて

ようやく分かった事がある


評価される側も

評価する側も

もうそれまでの間に

一定以上の評価を受けてきたから

そこに立っているんだって


認められなかった傷は 傷にはならない

裁かれなかった罪は 罪にはならない


今更 誰かを責める気は無いよ

責める気は無いけど

僕は本当に何も持てていなかったから

自分を責め続ける事しかできなかったんだ


不幸 不遇 不条理

そんなの比べていたらキリがない

そんな事していたら

自分が相当な浅瀬で溺れているのを

再確認するだけになる

でもだからと言って

抱えてきたこの苦しみを

自分以外の誰かが全て理解できるとは思えないし

だから僕も人の痛みを理解できるなんて口が裂けても言えない


ねえ 僕らは

初めからこの世界の隅に追いやられるべくして

生まれてきたのかな

はじかれるために 一人になるために

生まれてきたのかな


そんなはずは無いって

ずっと抗ってきたけれど

少なくとも今の時点で

僕の中はあの闇に覆われたまま

一度も明けないし 陽も射し込んではいない


手放せば

あきらめれば

それで楽になる

ずっと楽になる


もうそれで良いと そうしようと

それで良かったのに

それで良かったはず

だったのに


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ