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現実に起こりうる恐怖譚・後編

   

「……なんで?」

 唖然とする俺は、メッセージランプが赤く点滅していることに気づいた。

「誰か、メッセージをくれたのか?」

 個人的に親しくしている人はいないはずだが……。作品を読みに来て、消えているから連絡をくれた? 俺が削除したと思って?

 あるいは、作品と一緒に感想欄が消えたことで、そこにコメントできなくなったから、わざわざメッセージ機能で感想をくれた?

 そんな想像をしてしまったのだが。

 メッセージを開いてみると。

 運営からの通達だった。


『あなたの作品は、二次創作小説です。ガイドラインに抵触するので、削除します。本来ならば警告で済ませるところですが、複数の作品で同じ問題が通報されたため、このような措置に踏み切りました。なお、今後も同様の作品を投稿するのであれば、アカウントも……』


 ……え?

 俺は目の前が真っ白になり、その文面も、途中までしか読めなかった。


 オリジナル小説は、二次創作ではない。だから、いくら好きなものをテンコ盛りにしても、あくまでもパロディ・オマージュの範囲にとどまるように、他作品の用語や固有名詞は使わないように気をつけてきたはずだが……。

「昨日のテンションは、一段アップしてたからなあ。もしかしたら、深夜のテンションに流されて……」

 どこまでならば書いても許されるのか。それを自分で定めた、ファイナルブレーキ。今までは、きちんと機能していたのに……。

「俺の素人作家としてのファイナルブレーキが! ついに壊れてしまったのか!」

 誰もいない部屋で、PCを前にして。

 俺は、涙を流しながら叫ぶのだった。




(『「俺の素人作家としてのファイナルブレーキが!」――ある素人作家の恐怖体験――』完)

   

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