表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の遊戯盤の上で  作者: 赤葉忍
5th stage  『主人公』たちの物語
47/110

part2

ソニア「神遊豆知識、今回は1st stage登場、ペトラに関してだ!!」

シャルン「実は、ペトラには見た目イメージと名前のモデルになったキャラがおるんやでー!!」

オクター「そのキャラは・・『アルカナハート』の『ペトラ・ヨハンナ・ラーゲルクヴィスト』だよ!!」

ソニア「おい、名前まんまじゃないか!!」

シャルン「しかもこのキャラもお嬢様系でほぼペトラのイメージ通りやんか!!まあ、こっちのペトラは金髪やけれど・・。」

オクター「見た目ならペトラより『ストリートファイター』の『神月かりん』が近いかもですね。」

ソニア「どっちも格闘ゲーム出身キャラ・・作者の趣味が分かるな!!」

《???side》


やあ、皆元気?私はムーン!!もちろん私は元気だよ!!

 ・・え?誰に話しかけているかって?それはもちろんこっちを見ているあなたたちだよ!!あはは!!とても驚いた顔しているね!!「もう死んだかと思っていた?」ああ、あれね~。うん、私死んじゃったよ!!てへ☆

 実はねぇ~、私、ムーンちゃんは『死んだら幽霊体になる』ってギフト持ちなんだ!!えへへ~、凄いでしょー!!ごいすーっしょ?

 でねでねー?元々このギフトを持っていたおかげか私って昔から幽霊とかよく視えてたのね。それが死んでからさらに強化されたみたいで~・・。

 なんか、『第四の壁』?みたいな奴を認識できるようになったっぽいんだ。いろんな人が私のこと見てるね~。えへへ~、照れるぅぅ!!

 ・・ん?あそこにいるのは確か・・“わたし”ちゃんだったかな?他にも知らない女の子が何人かいるね~。なんか私を指さして震えてる。どうしたんだろう?


「か、身体が透け透けだにゃーー!!!?ゆ、幽霊だにゃぁぁぁぁ!!!!!??」


 ・・あ、私の身体透けてるんだ。まあ、幽霊体になったんなら納得だね~。とりあえず、初めて会う子たちに自己紹介もしたいし、こっちから声かけよっと♪


「がおーー!!食べちゃうぞぉぉぉ!!!」


「ひぃぃぃ!?殺されるにゃぁぁぁ!?・・がくっ。」


 あ、気絶しちゃった。ちょっと怖がらせ過ぎちゃったかな~?

 あと、“わたし”ちゃん。そこは、「食べないでくださーい!」って言うところだよ?そうだよね?





《チームスマイルside》(スマイル&サキ&クラッカー&“わたし”ちゃん)


「へえ・・君は『ギフト』の力でそんな身体になっているんだね。面白いじゃないか!!君も僕の仲間にならないかい?」


「いいよ~。喜んで~♪私たちも少し心細かったからね~。」


 スマイルが差し出した手を、先程ムーンと名乗った幽霊?は躊躇うことなく握り返す。サキとしてはこんなうさんくさい幽霊を仲間にするのは抵抗があったが、スマイルの決めたことならしょうがない。それに、それを言うならサキはあのイカれたピエロやニャンコを仲間にしたこともまだ納得出来ていない。

 そんなサキの不安が顔に出ていたのか、スマイルがこちらを見て優しくほほえみかけてくれた。


「心配しなくていいよ、サキ。僕と本当に拳で語り合ったのは君だけだから。君は一番信頼できる僕の仲間さ!!」


「あ、ありがとうございます!!」


 たった一言。それだけでサキは先程まで抱いていた不満や不安が一瞬でなくなるのを感じた。スマイルが自分を信頼してくれている。それを知れただけで、他の些細なことなど最早どうでもなくなった。


「ところでさー、ちょっと聞きたいことがあるんだけれどいいかな~?」


「なんだいムーン。何でも聞いてくれてかまわないよ。」


「スマイルって男の子なの?それとも女の子なの?」


 ムーンが無邪気に発したその疑問を聞いた瞬間、サキだけでなくクラッカーや“わたし”ちゃんの表情までもが変わる。


「それそれ~!!私もそれ気になっていたなりぽよぞな~!!!」


 にやにやと笑いながらスマイルの顔を見上げるクラッカー。てか、あんたはいい加減語尾統一しなさいよ!!


「にゃぁぁぁ・・。確かに臭いも雄か雌かはっきりしないにゃー!!」


 くんくんと鼻をひくつかせてスマイルの臭いをかぐ“わたし”ちゃん。なんてうらやま・・じゃなくて!!雄とか雌とかってあんたは動物か何かか!!

 そしてムーンとかいう幽霊。「気になるよね~?」ってお前誰に向かって話しているのよ!!

 しかし、三人に心の中でそんなことをツッコミながらも、サキが一番ムーンの言葉に動揺していた。


(た、確かにそのことは私も気になっていました・・。もし男だったら・・い、いや!!別に男だからどうとかいうことはないんだけれども!?)


 サキは必死に平静を保とうとするが、スマイルにちらちらと視線が行ってしまうのを抑えることが出来ずに居た。

 そんな三人(ムーンを入れれば)四人の視線を一身に受けたスマイルは、しかしながら全く動揺することもなくいつもの笑顔を浮かべこう答えた。


「僕は男でもあるし、女でもあるよ。ほら、主人公って男だったり女だったりは作品によって違うじゃないか。つまりそういうことだよ!!」


(((((つまり・・結局どっちなんだよ!?)))))(にゃー!?)


 その時、初めてスマイル以外の全員の気持ちが一つになった。




《レイニー&レレside》


 一足先にロキの第一の試練を突破したレイニーとレレの二人。この二人は、『感情によって天候が変わる』ギフトと『感情を音で伝える』ギフトで能力の相性もよく、まさしく最強のコンビと言えよう。

 しかし、そんな二人のコンビは今、絶賛解散の危機に陥っていた。


「ひどいよ・・せ、せっかく恥ずかしいのを我慢して歌ったのにぃぃ・・・・。」


 レイニーは涙目で頬をぷくーっと膨らせている。その隣ではレレがひたすら頭を下げていた。


「ご、ごめんよ。つい本音が出てしまったんだ・・。」


「・・それ、もっとひどいですよ~。うううう・・・。」


 しかし、レレの謝罪はかえってレイニーを拗ねさせてしまったようだ。レイニーは頬を膨らませたままぷいっ!とそっぽを向く。なんだこの生き物。拗ね方までめっちゃ可愛いなおい。

 拗ねているレイニーをこのまま眺めているのもレレとしては全く問題ないのだが、このまま口をきいてもらえないのは少々どころかかなり寂しい。そこで、レレは妥協案を出すことにした。


「・・分かった!!それならレイニー、君も私にひどいことを言ってくれ!!それでおあいこにしようよ。」


 レレがそう提案すると、先を歩いていたレイニーがぴたりと立ち止まってこちらを振り返った。


「い、いいの・・?そ、それなら私、むちゃくちゃひどいこと言っちゃうから!!か、覚悟しててよね!!」


 レイニーはよほど腹が立っていたのか、顔を真っ赤にしてレレの提案に乗ってきた。レレは、殊勝な顔で「ああ、もちろんだよ。」と言いつつ、心の中では「・・計画通り(にやり)」とほくそ笑んでいた。

 この解決策なら、レレの悪口を言うことで、レイニーの気は収まるし、そしてレレもレイニーのような美少女に罵られるならご褒美だと考えていたのだ。・・こいつ、なかなかの変態である。


 そんな変態(レレ)の顔をじっと見つめ、レイニーはぱくぱくと口を動かす。どうやらなかなか罵る言葉が思いつかないようだ。だが、数秒後、顔をさらに真っ赤に染めつつ、ようやくレイニーが言葉を発した。


「ば、ばーかばーか!!レレさんの・・えっと・・ばーかぁぁ!!」


 なんだこいつ唯の天使か。

 思わずレイニーの可愛さを讃える歌を口ずさみそうになってしまうレレ。だが、口から出かかったそのフレーズを、唇を噛みしめすんでのところで押さえ込んだ。レレの唇からつーっと血が垂れる。この血はレレの理性の強さの証である。断じて鼻血などではない。

 一方、レイニーはレレのそんな様子も目に入らない様子で、何故か再びネガティブモードに入っていた。


「ああ・・レレさんにあんなひどいことを言うなんて・・!!私ってやっぱり最低だぁぁ・・・・。」


「いや、それは流石におかしいと思うよ!?あれがひどいっていうならほぼ全ての人類の言葉が暴言に値するよ!!」


 それに、どっちにしろ私にとってはご褒美だよ・・。レレは、その本音は心の内に納め、レイニーをネガティブモードから救済するため再びウクレレを構えたのであった。


 

《ニトナ&イレイザside》


 ここは、ロキランドの第一のゾーン、『遊園地ゾーン』。そのゾーンのゴールに向けて笑い声を上げながら走る二人の少女の姿があった。


「ふはははははぁぁぁぁ!!!!ニトナたちは最強コンビだーーー!!!」


「そうだねーー!!私たちはさいきょー!!いえーい!!」


 二人の少女に近づこうと何人ものピティーが近づくが、その手が彼女たちに触れる前に目に見えない何かによって弾かれてしまう。


「ぜえ・・ぜえ・・。そ、それにしても、友情って重いモノなんだね・・。へへ、私、初めて知ったよ!!」


 イレイザが息を切らしながらそんなことを言うのも当然のこと。なぜなら、イレイザは先程からずっとニトナを背負って走っているからだ。

 そう、ニトナの考えた策とは、走るイレイザの背中でニトナは動かず『ひきこもる』能力を発動することで、無敵状態で移動することが出来るというものであった。

 動いているのに「ひきこもり」とはこれいかに・・と疑問を持つ方もいるかもしれないが、ニトナ本人はイレイザの背中で動いていないので全く問題ないのだ。

 しかし、一見完璧に見えるこの策だが、一つだけ欠点があった。それは・・ニトナを背負って走るイレイザにかかる負担がめちゃくちゃ重いことだ。

 最初こそ笑顔で走っていたイレイザだったが、徐々にそのスピードが遅くなっていき、ついには体力の限界を迎えて膝をついてしまった。


「ど、どうした!?立つんだ、立つんだイレイザぁぁ!!」


 突然止まってしまったイレイザにニトナが慌てて声をかけるが、イレイザはひゅー、ひゅーと苦しげに息を吐くだけで反応できない。それでもあきらめずニトナは声をかけ続け、イレイザは何とか返事を返すことが出来た。


「に、ニトナ・・。もう限界・・。」


「諦めるなよ!!お前なら出来る出来る!!己に打ち勝つんだ!!」


「だ、だってニトナ身長の割にそこそこ重い・・。」


「うがぁぁぁぁ!!?乙女に向かってなんてことを言うんだぁぁぁ!!!」


 普段から自堕落な生活を送っているニトナは最近お腹がぷよぷよしている自覚がある分、イレイザに体重のことを指摘され背中の上で暴れ、その拍子に地面に落下し「ぶへっ!?」とうめき声を上げる。それと同時に、イレイザも完全にダウンし地面につぶれ、「むぎゅう・・。」と声を出した。

 地面に落ちたニトナは、それまではイレイザの頭で隠れて見えていなかった前方に視線を向けた。すると、数十メートル先に目的地とおぼしきゲートが見えた。


「ちょ、イレイザ起きてよ!!後もうちょっとで目的地だよ!?」


 ニトナはイレイザの背中を揺するが、よほど疲れていたのか、イレイザは寝息を立てて眠っており起きる気配がない。ニトナはそんなイレイザを一瞥し、ぱんぱんと服に付いた土汚れを払い立ち上がった。


「・・まーいっか。ここまで運んでくれてありがとねー。じゃ、ニトナは先にあのゲートくぐらせて貰うから。」


 ニトナはそう言うと、気絶するイレイザを置いてゲートへと歩いて行く。


「ふふふ・・ニトナ、一緒に試練突破しようね・・。」


 しかし、その時イレイザの寝言がニトナの耳に聞こえてきた。その声を聞いたニトナは思わず足を止め、「あああぁぁ!!」と頭を掻きむしり、イレイザの元へと戻っていった。


「もう!!何でこいつはニトナのこと友達にしようと思ったんだよ!!ニトナなんてただ楽して生きることしか考えていないひきこもりだってのに!!」


 そんなことを口にしつつも、ニトナはイレイザの脇に腕を入れ、イレイザの身体を持ち上げる。そして、そのままゲートに向かってイレイザの身体を引きずりつつ歩き始めた。


「はあ・・はあ・・ニトナに重いって言ったくせに、自分も結構重いじゃないかよっ!!起きたら文句言ってやる!!」


 息を切らせながら、何とかあともう少しでゲートにたどり着くというその時、ロキの声がニトナの頭に響いてきた。


『よお、お前ら、元気でやってるか!?・・こっちはちょっとトラブルがあってなかなか連絡が出来ずにいたが、お前たちのことはずっと見てたぜ。とりあえずここで現状報告だ。今、第一の試練突破者は二名だけ。他はまだ誰も突破できてねえ。他の奴らはもうちょっと頑張れよ!!・・ただ、あんまり無茶なことはするなよ。いい・・』


 しかし、その声は途中で誰かに遮られたかのように中途半端なところで途切れてしまう。ニトナは、若干そのことを気にしつつも、今はゲートをくぐる方が先だと足を動かす。


「やあ、そこの君。そのゲートをくぐるのは、主人公パーティの役目だよ。」


 その時、ニトナの後ろから少年のような声が聞こえてきたのだった。

今回メタ幽霊がいるせいでメタ発言が若干多めです。メタ要素嫌いな方はすいません!!でも、この描写は必要なんです・・。


次回更新もなるべく早い内に!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ