第十七話
急に正気になって恥ずかしくなったんで残ってた2話投稿してエタろうと思います。なんなすみません。風呂敷を盛大に広げた結果10話あたりで正気に戻って「あっ、これ無理だ」と思ってましたけど、16話までは無視してたんですよね。
でも16話投稿した後に「あー、もう…いいかな」って。まぁ、だから許してくれとは言いませんけど。楽しみにしてた人には申し訳ないです。許してください。なんでも許してください(傲慢)
柏野歌火視点
袋に入れられ揺さぶられ、どれくらい経っただろうか、やがてゆっくり地面に降ろされた後に袋から解放された。外の空気を吸いたくて目一杯に吸い込んでる内に僕を運んだ人たちを見た。服は学生服で、この間早乙女さんと出会った時に居た人たちと同じようだ。そのうちの数人は僕の両手両足を縛り、そして残り1人は外部と連絡を取っていた。
”この時下手に暴れでもしたら命の危険があるためじっとしている方がいい”とどこかで見た気がする。
「あぁ。目標は予定通り運んだ。あとはあなたが着くのを待つだけだ。それまで監視してる。」
「えっと、僕をどうするんですか?」
恐る恐る聞いてみると何人かはひそひそと話、うち一人が僕に向かって話した。
「実を言うとほとんど何も聞かされてないんだ。上からお前をここに連れてこいとしか言われてなくてね。どうなるかは俺たちも知らないし知らされてない。」
そして待つこと数分、急に僕のいた建物の扉が爆発したかのようにひしゃげて、吹っ飛んで行った。何があったのか僕も攫った人たちもわからないようでみんな驚いてた。だけどその影3つのうち2つは見知ったものだった。
「柏野!助けに来たぞ!!」
「柏野くん!無事ですか!?」
どうやら早乙女さんとブランさんが助けに来てくれたみたいだ。そのことに安堵した。
「チッ、相手は3人だ!集団で囲って叩け!!」
僕を攫った人がそう叫んで戦闘になる。2人は僕のそばで待機させ、他は早乙女さん達の相手をするという形になった。
少数対多数という戦闘でありながらも早乙女さん達は危なげなく捌いていく。時々魔法を使って火の球や水の球を飛ばしてるブランさんに攻撃がいくけどもそれを十分に回避し魔法を当てていく。早乙女さんは殴り合いで殴られた相手が軽く10mは吹き飛ぶくらいの威力を何発も出している。
だけども一番目を引くのは早乙女さん達について来たうちの学校の男子生徒だ。
まるで自分の体を知り尽くしているような立ち回り、相手を戦闘不能にする威力のあり、それでいて怪我をしないような微妙な力加減を必要とする攻撃を相手の攻撃に添うように当てている。一見二人よりも地味だが、あれは並大抵の努力だけでは決してたどり着けない領域だと頭の中の誰かが告げているような気がした。
しばらくするうちに僕を攫った人全員が地面とキスをしていたら。僕は早乙女さんに両手足の縄を解かれた後、入念に身体チェックされ、ブランさんは周りの警戒、ついて来た男子生徒は生徒一人に目的など色々聞いていた。
「大丈夫か柏野!?どこも怪我してないか!?首に当てられた跡とかないか!?他には……」
「あの…早乙女さん。そろそろ、僕も恥ずかしい」
「あ、そうか…わ、わりい。心配して…」
「あ、あぁうん。心配してくれてありがとう。」
するとブランさんから声をかけられた。
「お熱いですわねぇ。ヒューヒュー」
「ば…ち、ちげえよ!これは柏野を心配して!」
「まあ何はともあれ一件落着ですわね。」
「そうだね。」
「それはどうかな?」
僕がそう言った時、誰かが僕に言った。それは、普通に入り口からやって来た。大人数の学生を引き連れて。
「やあやあ、理想学園の生徒会副会長とその小間使いじゃあありませんか。よくも私の可愛い親和工業の生徒に手を出してくれましたねぇ。これはどう落とし前をつけてくれようか……」
「先に手を出したのはそっちじゃねえか!親和工業の生徒会長!!」
その人物、親和工業の生徒会長は悠々とした足取りでこちらに近づいて来た。そして後ろに2人がつき、さらに後ろにたくさんの人を連れながら。あれはざっと数えて20人か30人はいるだろうと思う。
「ええ、私が生徒にここに理想学園のある人を呼ぼうとして、その手段を生徒に託したんですが…いやはやこんな方法とは…」
「白々しいな。何が目的だ」
さっきまで生徒に質問していた男子生徒が僕を守るように庇いながらその人に聞いた。
「いや、理由があっても話すわけないじゃないですか…ねぇ、サー・ランスロット。生徒会副会長のあなたに話したらそちらの会長がどんな顔してうちに来るのか恐ろしくて夜も眠れませんよ。」
僕を守ってた人って生徒会副会長なんだ…と思いながらその副会長の名前にソロモンの知識が引っかかる。
サー・ランスロットはアーサー王物語に出てくる湖の騎士として有名だ。最優の騎士とも呼ばれ、白馬の王子のモデルとして有名だ。しかし、アーサー王に仕えながらアーサー王の王妃、グネヴィアと不倫関係にあり、それで円卓の騎士を二分した人物だ。目の前の人はまるで白馬の王子のような出で立ちであり、不倫をするような人に見えない。
「親和工業のあなたが今から何をしようとしても無駄です。もうじきすれば会長も来るでしょう。無駄な抵抗はやめて白状しなさい。」
だけども親和工業の生徒会長は薄く笑ってばかり。怪しく思ったランスロットさんは考えを巡らせるがすぐに答えに行き着いた。
「そういえば……会長からの連絡が未だ来ない…貴様!!」
「えぇ、そういうことです。あなたの会長はどこで道草を食べてるんでしょうねぇ?」
その顔はまるでいたずらが成功したようなそんな顔をしていた。対してランスロットさんは焦りに満ちた顔をしている。そして僕に対して小さく
「できるだけ私の近くにいろ。防衛に徹すればあの2人がなんとかしてくれるはずだ。」
「は、はい。」
だけどもこの数を相手にするのは流石の僕でも無理だと思った。
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龍皇浅兎視点
チッ!俺とスカアハと凛と、さらにオイフェも引き連れて現場に向かってこれじゃオーバーキルもいいとこだと言われそうだが人を助けるのに数なんて知ったことか。本当はもっと増員したかったが皆外したくても外せない用事があるとのことでこの人数だ。
だが目の前にいるやつは人数でなんとかできる次元じゃない。
「ふぉっふぉっふぉ。ここで足を止めていいんでぇすかねぇ?ほらほら、会長の生徒たちを助けなくていいんですかぁ?ま、私がそうさせないんですけどねええ!!!」
「チッ!福音の者か。しかも割と幹部クラスの…この件に関係してるってことか!?」
「おおっと、まぁ私の口からはなんとも…というか敵に聞くとか頭ハッピーですねぇ?」
目の前にいるやつは自称『世界平和調節機構』本人たちの口からは『マリア様の御言葉完遂部隊』俺たちは『福音』と呼んでるテロ組織に所属している者だ。その中でも序列100位に入る精鋭の内の一人と判断する。常人では見分けがつかないが、気配の質が人のそれではなく、悪魔か邪神のように禍々しく漂わせているのが序列100位以内の幹部クラス、それ以外は下部組織の者だ。警察では役に立たないくらいの実力を持ち、世界の平和と言ってテロ行為を行う組織だ。それがほとんど平和に繋がらないことはとっくに知れ渡っていて討伐対象SSクラスの組織に認定されている。
この組織が設立したのはつい最近と言っても過言ではなく、およそ10年前辺りだ。その話はまたいつかするとして問題は目の前にいるやつだ。福音が絡んでいるなら…奴が危ない!
「会長、正面突破ですか?」
「だが相手はあの福音だぜ?正直あたしらでやれるかどうか…」
「例えやれたとしても大分時間を食われるだろうな…どうするスカアハ、龍皇。」
俺は頭の中で軽く考えてから結論をすぐに出した。




