38 幻夢(VR)でも触手は苦手だ
〈妖精郷〉からダンジョンへと戻ることにした俺は、せめて見送りだけでもさせてくれと言うゴブリンロード達やクライスやエメを従えながら扉をくぐった。
広間へと戻った俺達を待っていたのは、玉座に泰然と座るモリーアンだった。素早く構えを取る俺たちに向かって、
「待て! もう争うつもりはない!」
立ち上がり、両手を広げて敵意のないことを示すモリーアン。それに従い武器を納めるが、当然油断はしない。〈妖精郷〉の扉が閉まるまで1分は掛かる。俺はともかく他の者は先に帰しておいたほうが良い。
俺はそう考え口を開こうとすると、
「試練は果たされたのだ。これ以上闘う必要はない」
モリーアンはそう言って玉座に座り直した。ゴブリンロード達も構えを解いている。俺が目で問いかけるとゴブリンロードは頷いた。どうやら大丈夫そうなので、緊張を解く。油断はしないが。
それにしても再出現が早い。もしかしたら地竜も復活しているのかもしれないな。
「まさか、我が勇者でない者にあのように倒されるとは思わなかったぞ」
モリーアンはそう言って笑っている。本当に敵意はないようだ。
「無我夢中だったのではっきりとは覚えていませんが、必死でしたよ」
俺の言葉にモリーアンは呵々大笑する。そして、
「〈聖剣〉を持った勇者でも、我と互角に闘うことができるのがせいぜいなのだぞ? 一合で五体が泣き別れになるとは思わなんだ」
と言う。どうやら俺は予想以上に成長したようだ。
もちろん、このダンジョンが想定してる難易度が俺のレベルに対して低い可能性もある。1~2レベル対応のダンジョンであれば、モリーアンの強さが、それに合わせて設定されていでも不思議ではない。
低レベルの探索者が〈聖剣〉( 推測になるがかなり強力なマジックアイテムだろう。〈固有品〉以上、もしかすると〈伝説品〉かもしれない )を使って互角となると、今の俺の力はそれを遥かに凌駕しているということになる。
「それにその〈護拳短剣〉、とても短剣とは思えぬ威力を持っていたな。もう一つの長剣と比べても短剣の方が痛かったぞ」
モリーアンは興味深そうに俺の左手を見つめている。確かに、今の俺のレベルを考えると、カタールはバスタードソードの2倍以上の威力を持つはずだ。
「魔法の武器ですからね。それにしても復活が早いのですね」
俺の問いにモリーアンは頷き、
「我は試練の守護者であるゆえ、斃されてもすぐに復活することになっておる。もはや呪いのようなものだ」
と苦笑する。俺だったら嫌気がさして逃げ出しそうだ。
「大変そうですね」
「そうでもないぞ。勇者と闘うことは我が喜びであるし、永劫闘うことができるのだ。これ以上の栄誉はない」
女神ヌトスの槍にかけて。モリーアンはそう言って奉じる女神に感謝を捧げる。なるほど、モリーアンもヌトスの信奉者だったのね。
「それにしても、我が配下が其方の元に仕えているとは思わなんだ。ガデュスよ、一体どういう心境の変化だ?」
どうやらガデュスと言うらしいゴブリンロードは、胸に手を当てると答えた。
「偉大なるモリーアンよ。我らは貴方様を正面から打ち破った主殿の武威に惚れたのです。お傍を離れることをお許しください」
「良い。其方らは女神の導きに従い、我に仕えてくれたのだ。新たな主の元で、良き戦に恵まれることを祈るぞ」
「御意!」
モリーアンの言葉に、ゴブリン達は一斉に跪き、首を垂れた。
「勇者よ、こ奴らは我の配下でも忠義に篤い者たちだ。よろしく頼む」
「私は勇者ではありませんが、無下には扱わないと約束します」
モリーアンはそうであったな、と笑うと、
「それでは名を聞こう」
「ヴァイナスと申します」
俺の自己紹介に続き、スマラやクライス、エメロードも紹介していく。
「一角獣に翠竜まで従えるとは、お主は本当に勇者ではないのか?」
「〈聖剣〉も持っていませんしね。ただの〈盗賊〉ですよ」
「なんと! 〈戦士〉ではなかったのか…。それであの強さとは」
モリーアンの驚きの声に俺は苦笑を返すしかなかった。そう、俺は〈盗賊〉のはずなのに、なんでこんなに闘ってばかりなのだろうか…。
思わず遠い目をした俺に気付くことなく、モリーアンは、
「これからどうする? と聞くのは野暮か」
「はい、試練を続けようと思います」
「そうか、我を倒したお主に多くは言うまい。武運を祈る」
「ありがとうございます」
俺はモリーアンに頭を下げると、ガデュス達に〈妖精郷〉へ戻るように指示を出すと、彼らが戻ったのを確認し、広間を後にする。この先にはどんな試練が待ち受けているのだろうか…。
モリーアンの広間を抜けて奥に進むと、鉄でできた武骨な橋が見えてきた。橋の下には溶岩が流れており、咽るような熱気が立ち昇っていた。
『いかにも何かありそうな橋ね…』
いつの間にか影から出たスマラが心話で話しかけてくる。
『そうだな。警戒して進もう』
俺は頷くと、鉄橋へと近づく。溶岩によって熱せられた鉄橋からはブーツ越しに熱さが伝わってくる。
『熱っつ! これは無理。影に入るわ』
踏み出した前足の肉球を火傷したのか、しきりに舐めていたスマラが影へと姿を消す。俺は苦笑すると、意を決して足を踏み出した。
エンチャントを施したブーツは大丈夫でも、俺自身が熱さに耐えられるかどうかは別の話だ。
半ばまで進んだところで我慢の限界が来たので、俺は〈飛行〉の魔法を使って対岸を目指した。
何か起きそうだった印象とは裏腹に、何事もなく鉄橋を渡り終えることができた。俺は小さく息をつくと、先へと進んでいく。
鉄橋を渡って先にあった通路をしばらく進んだら、木製の扉に行き当たった。罠と鍵を確認し、解除した後にそっと扉を開けて様子を伺う。
扉の先は部屋になっており、何やらうっすらとした煙のようなものが部屋一面に漂っている。それによって視界が悪いのだが、辛うじて奥に扉があるのが見えた。俺は部屋に足を踏み入れようとして思い留まった。
あの煙のようなものは何だ? 俺は煙に向かって右手を差し入れるが、特に何も起きない。仕方がないので意を決して中に踏み込むが、特に何か起きたようには感じなかった。
煙を吸い込むと、微かな甘い香りと共に刺激を感じるが、それ以上のことはない。どうやら毒ガスのようだったが、俺には効果がないようだ。ありがとう《毒無効》。
『大丈夫?』
『ああ。だが影から出るなよ。かなり強力な毒みたいだから』
『分かったわ』
スマラにそう心話で伝えると、俺は部屋の中を慎重に探索していく。視界が悪いため、罠があっても気づき辛いので自然と探索する速度は遅くなる。
だが、その甲斐あってか床の探索も終わりに近づいたとき、足元の違和感に気付くことができた。
僅かに沈み込む感触に、スイッチを踏んだかと身構えたが、何かが発動する気配はなかった。俺は足を動かし、足元の床を調べる。動かせそうな床板を外すと、そこには小さな空洞があり、小さな箱が収められていた。鍵や罠はなく、蓋を開けると中には幾つか宝石が入っていた。只の宝石みたいなので、ありがたく頂戴しておく。
部屋の奥には草臥れた長椅子が置かれていて、毒ガスの影響なのか、以前は見事であったであろう装飾はボロボロになっている。
そんな長椅子の上に無造作に置かれたものを見つけ、俺は手に取った。
被っていた埃を払うと、鮮やかな色彩が目に飛び込んできた。痛みを感じない状態に、おそらく魔法が掛かっていることが窺えるのは、青、紫、橙の糸を使った長衣だ。胸の部分に施された刺繍には見覚えがあったが、どこで見たのかは思い出せない。
丈の長い羽織というか、トレンチコートのような造りなので、色合いも気に入ったし、後で装備しようと考えて腰鞄に仕舞おうとすると、長衣の下に隠れていた剣に気が付いた。
見事な造りの一振りのカタナが、抜身のまま置かれている。鍔の部分には長衣と同じ紋章が刻まれているので、恐らく揃いのものであるのだろう。
俺は何気なくカタナを手に取る。その行為が迂闊なことだったと後悔したが、その時にはすでに別の場所へと転移させられていた。
気が付くと、俺は見たことのない場所に立っていた。広大な空間で、明りも殆どないため周囲の様子は分かり難かった。幸い俺には《暗視》があるので大した影響はなかったが、そのことに後悔することになった。
僅かな光源は奥に見えるのだが、そこには巨大な毛むくじゃらの何かがおり、その傍らで竪琴を弾く者の演奏に合わせて、ゆったりと動いている。
一見して何をしていたのか分からなかったが、どうやら演奏に合わせて踊っているようだ。時折鳴き声なのか、
「Tekeli-li, Tekeli-li」
と奇妙な声が漏れている。
巨大な体を震わせて蠢く様に、俺は言いようのない嫌悪感を感じる。思わず身構えると気づかれたのか、竪琴の音は止み、演奏していた者がじっとこちらを見つめていた。
「ようやく、代わりの者が来てくれたか」
どうやら演奏していたのは男性のようだ。フードで分からないが、声からするとそれほど年を取っているようには感じなかった。
男は俺が手に持つカタナと長衣を見て微笑むと、
「なるほど、次の『守人』は試練を受けにきた勇者であったか。随分と待たされたが、これでようやく役目を終えることができる」
それにわざわざ私の装備を持ってきてくれるとはね。男はそう言って手招きをした。俺は警戒しつつも男に近づいていく。
「ふむ、勇者である割には〈聖剣〉を持っておらぬようだが…。まあ良い。いずれにせよ『守人』としての役目には不要なもの。さあ、それを我に渡すが良い。そしてこの竪琴を手に取るのだ」
男はそう言って竪琴を渡してくる。状況が全く分からないので、とりあえず俺は質問することにした。
「あの、ここはどこで後ろの巨大なものは一体? それにあなたは誰ですか」
「ふむ、役目の引継ぎの前には自己紹介も必要かな。私はアディオール・セス・ズォン=カ。一応、皇子ということになる」
第六皇子なので、継承権なぞないも同然だがね。そう言って肩を竦めるアディオール。なるほど王子様なのか。
「私はヴァイナスと申します。探索者をしています。それにしてもなぜ皇子がこんな場所に?」
「話せば長くなるが、簡単に言うと〈慈悲の剣〉の試練に失敗してね。ここで〈粘漆黒〉の『守人』をやることになったんだ」
アディオールはそう言って肩を竦めた。俺は彼の背後に佇む巨大な毛むくじゃらを見上げた。
〈粘漆黒〉
遥か昔、地球の外から飛来したと言われる古代の種族が造り出した異形の生命体。伝承に謳われる姿に比べるとかなり小さいが、それでも高さは俺二人分はゆうにあるし、縦横の幅も象を遥かに超える。
良く観察すると、巨体を取り巻く体毛は細い触手であることが分かる。それはことあるごとに形を変え、不定形な存在として背徳的な舞踊を舞っているのだ。
その舞踏を見た俺は、言いようのないショックを受けた。まるで魂が削られるような、今まで感じたことのない衝撃。
突然襲った精神的な衝撃に俺は歯を食いしばって耐えた。
『ちょっと、大丈夫?』
スマラが心話で心配そうに話しかけてきた。俺は激しく胸を打つ鼓動を鎮めようと、大きく深呼吸した。そして、
『ああ、大丈夫だ』
とスマラに心話を返す。それにしても、
今のは一体何だったんだろう…。
ショゴスは竪琴の音が止んだためか大人しくしているのだが、放置をしていると良くないことが起きそうだ。俺は動揺をごまかすように質問を続ける。
「『守人』とは?」
「『守人』はこの竪琴を使って演奏をすることで〈粘漆黒〉の心を鎮め、見守ることを役割とする者のことだよ。君がここに来たということは、僕に代わる新たな『守人』だということだ」
君はショゴスに選ばれたんだよ。アディオールはそう言って笑顔で竪琴を渡してくる。俺は戸惑い、
「そんなことを急に言われても…。それに私は竪琴を弾くことなんてできませんよ」
「問題はない。別に曲じゃなくてもいいのだよ。竪琴の音さえ聞いていれば、〈粘漆黒〉は幸せなのさ。ただひたすらに鳴らしていれば良い」
アディオールはそう言って竪琴を渡そうとしてくる。俺は首を振り、
「申し訳ないですが、俺には受け取れません。やらなきゃいけないことがあるので」
俺の答えに、アディオールの表情が変わる。
「一体何を言っているんだい? ここに来た以上、『守人』を受け継ぐ以外ないんだ。そうしなければ〈粘漆黒〉は怒り狂い、周囲の全てを滅ぼすだろう。そして真っ先に殺されるのは役目を放棄した『守人』となる」
彼の言葉に対し、俺は再度首を振った。いくらイベントだとはいえ、こんな所に閉じ込められていつ来るとも分からない次の『守人』を待つなどということは決してやりたくはない。
アディオールは苛立ったように無理やり俺に竪琴を渡そうとした。
「君の意思に関係なく、すでに『守人』の引継ぎは行われているんだ! もはや彼は私の演奏など気にも留めない! いいから早く受け取って、音を鳴らすんだ! そうし」
アディオールの言葉は最後まで続かなかった。
不意に頭上が暗くなったかと思うと、漆黒の粘液の塊が一瞬のうちにアディオールを飲み込んだのだ。
竪琴ごとアディオールの姿は見えなくなる。ショゴスはアディオールを飲み込んだ勢いのまま、俺に向かって襲い掛かってきた。
俺は慌てて長衣を投げ捨てると、飛び退きつつ手に持ったカタナを振り抜く。カタナは大した抵抗も受けずにあっさりとショゴスを切り裂いた。
しかしショゴスは堪えた様子もなく、身体から触手を伸ばして攻撃してきた。
「Tekeli-li!」
俺を覆い隠すように四方から襲い掛かる触手。何とか捌けているが、躱した触手の一撃が足元の石とも金属とも知れない床を、まるでバターのように切り裂いたのを確認し、思わず息を飲む。
迫り来る触手を切り裂きながら俺は出口を探すが、閉じられた空間なのか、出入り口の類はどこにも見当たらなかった。
『スマラ、〈神速〉の魔法を頼む』
『分かったわ、無理はしないでね!』
俺は心話でスマラに魔法を頼み、カタナを右手に構えたままカタールを抜き、双方に〈付与〉の魔法を掛ける。エーテルの輝きを刀身に宿した二刀を以て、ショゴスの触手を迎え撃つ。
とにかく、ショゴスを倒せば状況が変わるはず。万が一脱出できない場合は、やりたくはないが自殺して『蘇生』すれば脱出できるだろう。
〈神速〉の魔法を受け、倍する速度を得た俺はショゴスの動きを圧倒する。だが、ショゴスはその巨体に見合った生命力を発揮し、切り裂かれる傍から触手を再生し、絶え間なく襲ってくる。
ダメージは与えているようなのだが、ショゴスはまるで動きが止まる様子がない。いつ果てるとも知れない猛威の中、俺はひたすらに攻撃を続けていった。
SPが底を尽き掛けるころ、ようやくショゴスの動きが鈍ってきた。スマラも魔法の掛け過ぎで、影の中で喘いでいる。
すでに〈付与〉を掛けるSPはなく、〈鋭刃〉に切り替わっている。SPが尽きれば拮抗し、千日手になるのは明白だった。
そうなる前に動きが鈍ってきたことに安堵しつつ、俺はそのまま攻撃を続けていった。
「Tekeli-li…」
その巨体のどこから出しているのか、不思議な響きの鳴き声が弱弱しく発せられる。その動きが完全に止まるまで、俺は攻撃を加えていった。
完全にショゴスが動きを止めるのを確認し、俺はその場に大の字で転がった。
体のあちこちに負った大小の傷が気にならないくらい、疲れ果てていた。
スマラが影から抜け出し、俺に〈回復〉の魔法を使おうとする。
「止めとけ。〈月神の護り〉を使うから。その前に少し休ませてくれ」
俺はスマラにそう答えると、息を整えることに集中する。
無限に思えた戦闘だったが、実際には30分くらいの時間だったようだ。もっとも、30分休みなしに動き続けたのは、成長したこの身体でも相当な負担だった。
何とか息を整えた俺は、身を起こして〈月神の護り〉を使い、傷を癒した。負った傷の大小に関わらず、全快してくれるこの首飾りは本当にありがたい。
俺が休んでいる間に、ショゴスの骸は徐々に姿を変えていた。形を保っていた触手は粘液へと変わり、黒い靄となって消滅していく。そして最後にはアディオールと共に呑み込まれた竪琴だけが、その場に残された。
短い間であったが、言葉を交わしたアディオールの冥福を祈る。せめて遺骨でも残っていれば埋葬してやろうと思ったのだが…。
「ねぇ、ここから脱出できそう?」
スマラの問いに俺は肩を竦めた。今では形見ということになってしまったカタナと長衣( 見覚えがあると思ったが、ズォン=カの紋章らしい。役人の制服や兵士の鎧に描かれていたのを思い出した )をどうするかと思ったが、せっかくなので使わせてもらうことにしよう。
俺は放り出した長衣を拾うと、スマラに尋ねる。
「これって装備しても大丈夫かな?」
「見せて。…大丈夫じゃない? 特に呪いとか感じないし、戦用の陣羽織みたいだから、鎧の上からでも羽織れるし」
ふむ、所謂〈上衣〉というやつかな。鎧の上から着こむためか、全体的にゆとりのある造りをしているし、フードもあるし肩を覆うように布が配置されているのもあって、防水、防寒性もマントに比べて高そうだ。流石皇家の者が装備するものは質が良い。
身に着けてみると丈の長さも丁度良い。少々派手な気もするが、配色のセンスが良いので俺が着ても大丈夫そうだった。
「どうだ?」
「悪くないわね」
スマラに聞くと無難な答えが返ってきた。まぁ駄目出しされなかったので、気にせずいくことにする。
それにしてもどうすれば脱出できるのか?
俺は周囲を探索してみたが、やはり出入り口のようなものは見当たらない。隠し扉の類も探してみたが、物理的なものだけでなく、魔法陣や空間の歪み等も見つからなかった。
仕方がない。
俺はため息を尽きつつ、唯一残されたもの、竪琴を手に取ることにした。ショゴスを倒したのだから守人』になる心配はないだろうとは思うが、万が一の可能性もある。できれば触りたくなかったんだが、他にできることもなさそうなので、試すことにしたのだ。
俺は竪琴に近寄り、ゆっくりと触れる。その瞬間、竪琴が強烈な光を発すると、周囲は真っ白に包まれた。




