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31 幻夢(VR)で少女と関係(誓約)を持つことに

「うわ、降ってきた!」

「間一髪だったな」

 俺たちが建物に入る直前、滝のような大雨が降り始めた。俺たちは建物に飛び込むと、錆で軋む扉を慌てて閉める。

 扉の外では雨の音と共に流れていく水の音が重なり、不規則な交響曲を奏でている。

「とりあえず、雨が止むまでは休憩だな。大きな雨漏りもないようだし、食事にしよう」

「そうね。床に浸水もないし、野営には問題なさそうね」

 しばらく雨は止みそうにないので、俺は〈全贈匣〉から〈グランダの鞍鞄〉を取り出すと、中から簡易式のテーブルと椅子を取り出して、部屋の中央に置いた。〈グランダの鞍鞄〉は騎乗用の動物に装備するマジックバッグだが、その大きさもあって最も容積が大きく、比較的大きな品物でも収納できる。鞍鞄事態を持ち運ぶのは面倒だが、俺には〈全贈匣〉があるのでこういった使い方ができるのだ。

 残念ながら他のマジックバッグの中に、他のマジックバッグを入れることはできないので、腰鞄の中に鞍鞄を入れるようなマトリョーシカ状態にはできない。まぁ限界まで〈全贈匣〉にマジックバッグを詰め込めば後2つは鞍鞄を仕舞えるので、鞄さえ手に入るのならばかなりの容量を確保できるのだが。

「雨のせいで外の様子が分かり辛いから、食事は交代制にしよう。まずは俺が警戒に当たる」

 食卓掛を用意し、今回は手早く食べられるようにカレーパンとサラダを用意する。水袋から薄めたワインを用意したカップに注ぐと、「いただきます」

 と言ってヴィオーラとスマラが食べ始めた。俺は扉の近くに座り、扉の隙間から外の様子を伺う。

 降りしきる雨のせいで、視界は非常に悪い。俺は目を凝らし、耳を欹てて見張りを続けた。

「はい。パンなら食べられるでしょ?」

 ヴィオーラがカレーパンを持ってきてくれた。だが俺は首を振り、

「見張りの最中は両手を開けておきたいんだ。交代してから食べるよ」

「冷めちゃうわよ。それなら、はいアーンして」

 ヴィオーラはそう言いながら目の前にカレーパンを突き出してきた。俺は思わずパンに噛り付いてしまう。

「これなら両手は空いているわよ。はいアーン」

 咀嚼したパンを飲み込み、もう一度突き出されるパンに噛り付こうとして、

「ちょっと待て、食事が終わったんなら見張りを代わってくれ」

 ヴィオーラが俺に付きっ切りになったことに気がつき、交代を頼む。ヴィオーラは不満そうに軽く頬を膨らませると、俺の食べかけのパンを持ったまま席に戻ってしまう。そして、

「せっかく気を遣ってあげたのに。まだ途中よ!」

 と言いながら、俺の食べかけのパンをそのまま食べ始めてしまった。探索中でなければ今のようなおふざけに付き合うのはやぶさかではなかったが、現在は探索中で、俺は絶賛見張り中である。さすがに油断しすぎだろう。

 俺は肩を竦めると、見張りへ戻った。雨は弱まる気配がなく、石畳に打ち付ける音と、石畳の上を流れていく音だけが聞こえてくる。

 しばらく見張りを続けていると、ヴィオーラが準備を整え、

「お待たせ。交代よ」

 と言ってきた。俺は頷いてヴィオーラに席を譲り、テーブルへと進む。やや冷めてしまったカレーパンとサラダを早めに胃に収めていった。

 カレーパンは冷めてしまっても旨かった。サラダも新鮮で旨い。手早く食事を終えると、幾つか残ったカレーパンを専用に用意した布で包んで腰鞄に収めた。そして食卓掛を畳み、テーブルを鞍版へ仕舞うと、〈全贈匣〉を開こうとして、スマラが外へと通じる扉を見つめて毛を逆立てている。

「どうした?」

「分からない。でも何か嫌な予感がするの」

 スマラの言葉に、俺は急いで〈全贈匣〉を開き、中に鞍鞄を押し込む。そして、スマラの言葉を受けて扉の前に陣取り、警戒するヴィオーラの肩を叩くと、俺は扉に耳を当て外の様子を伺った。雨や流れる水の音の中に、微かな、しかし確実に別の音が混じっていた。

 石畳の上を流れる雨水を掻き分けて何かが近づいてくる。音が近づいてくるにつれ、扉の隙間から覗く僅かな視界にそれは現れた。


 降りしきる雨に抗うように現れたのは、人ほどもある蛇だった。


 それは只の蛇ではなかった。鎌首を擡げた蛇の顔は、人間のような上半身に繋がり、鱗に覆われた逞しい腕や胸筋、腹筋を経て蛇の胴体へと繋がっている。


 〈蛇人間(スリザラー)


 遥か昔、長大な地下帝国を築いたと言われている古代種族だが、現在では能力の大半を失い、人里離れた荒野や砂漠の地下に原始的な集落を作って暮らしていると言われる。

 そんな蛇人間がなぜこんなところに…?

 蛇人間は石畳の上を滑るように進んでいく。時折チロチロと先の割れた舌を出しながら進んでいたが、不意に立ち止まり、周囲を確認し始めた。

 突然、雷光が周囲を光で照らし出す。その時、俺は気づいた。蛇人間の目があるべき場所は鱗で覆われ、この蛇人間が視力を持たないということを。

 光に続いて轟音が響き渡る。その音に驚いたのか、蛇人間は俺たちのいる建物を横切り、石畳を奥へと進んでいった。

 俺はいつの間にか止めていた息を吐き出す。どうやら見つからなかったようだ。俺は今見たことを報告しようと背後を振り返ろうとした。

その時、俺は思わず声を上げそうになる。

 石畳の通路の先から、別の蛇人間が姿を現したのだ。その数は2匹、3匹と増えていく。彼らは先行して奥へと進んだ1匹の後を追うように雨の中を迷いもなく進んでいく。

 俺は彼らが全て通り過ぎるのを待ち、更にしばらく様子を見た後で振り返る。

「ちょっと、じっとしたまま動かなかったけど、何があったの?」

「〈蛇人間〉が複数、遺跡の奥を目指して通り過ぎていった」

「え…?」

「〈蛇人間〉? 砂漠とかの地下に棲む? なんでこんなところに」

 俺の言葉にヴィオーラとスマラはそれぞれ疑問を口にするが、俺にも理由は分からない。俺は肩を竦めると、

「話の通じる相手なら良いんだが、あいつら共通語話せるのかな?」

「話したことがないから分からないわね。ヘビ語なら話せそうだけど」

 いや、流石にそんな言語習得してないぞ。役立つタイミングが限られすぎる。

「でも彼らがここにいるってことは、〈イグ〉の神殿でもあるのかしら?」

「〈イグ〉?」

 スマラの言葉にヴィオーラが首を傾げた。俺も聞き覚えのない単語に首を傾げる。

「〈イグ〉は原初の蛇とも言われる蛇の神で、全ての蛇の父とも呼ばれる存在よ。彼ら蛇人間は須らく信仰し、仕えていると言われているから、彼らが居るところには大抵イグ神の神殿があるの」

 スマラの言葉に俺たちは頷いた。

「この世界にも、固有の名を持つ神がいるんだな。てっきり太陽神とか、地母神とかしかいないと思ってたよ」

「え? 何言ってるの。貴方が言ってるのは神様の大まかな系統じゃない。神様は皆名前をお持ちよ」

 俺の呟きが聞こえていたらしく、ヴィオーラがツッコミを入れてきた。まずい、この世界の常識に疎いことがばれてしまう。

「貴方って不思議な人ね。私が全く知らないことを知っているかと思えば、当たり前のことを知らなかったり」

 ヴィオーラの指摘に俺は答えることができなかった。するとスマラが、

「仕方ないわよ。ヴァイナスは〈異邦人(ハイド)〉だもの」

 と言う。おい! 俺に許可なくバラすなよ!

「〈異邦人〉? やっぱり…」

 あれ? ヴィオーラはあまり驚いていないな。

「薄々そうじゃないかとは思っていたけど、やっぱり〈異邦人〉なのね。それなら納得できるわ」

 〈異邦人〉とはこの世界でのPCを指す言葉で、〈現地人〉の対になる言葉にあたる。

「あまり驚かないんだな」

「だって驚きよりも納得のほうが大きいんだもの。…そうか、それで〈陽炎の門〉なのね。門のことはよく知らないんだけど、貴方たち〈異邦人〉は、その門を通らないと故郷に帰れないんだ」

 ヴィオーラの言葉に俺は頷いた。本来なら他の手段でも帰れるはずなんだが、現状はそれ以外に帰る方法がない。

「それじゃあ門を見つけても…」

「ああ。ヴィオは通ることができないかもしれない。黙っていて済まなかった」

 俺はヴィオーラに向かって頭を下げた。言い出せなかったとはいえ、半ば騙して連れてきたみないなものだしな。

「良いわよ。別に気にしてないわ」

「え?」

 ヴィオーラの言葉に俺は顔を上げた。そこには微笑みを浮かべるヴィオーラが立っている。

「貴方がどこの誰であろうと、私の命の恩人であり、私の命を預けた人であることに変わりはないわ。もし行くことができなかったとしても後悔はしない。最後まで一緒に行くわ」

 微笑みながら真っ直ぐに俺を見てくるヴィオーラに、俺は何も言えずに再び深く頭を下げた。

 そんな俺の頭をヴィオーラはそっと抱きしめてきた。鎧越しなので温もりは感じなかったが、ヴィオーラの気持ちは伝わってきた気がする。

「そんなに謝られたら困っちゃうわ。…でも、そんなにすまないと思うなら、一つだけ我儘言ってもいい?」

 頭を抱きしめたまま、ヴィオーラがそう問いかけてきた。

「今の俺にできることであれば」

「大丈夫、貴方にしかできない、ううん、して欲しくないこと」

 ヴィオーラは答えた俺の顔を両手でそっと持ち上げる。俺はそれに合わせて上体を戻した。そして、


「き、キスして…」


 ヴィオーラは頬を赤く染めた顔でそう言うと、目を閉じて心持ち顎を前へと突き出した。


 え、ええーっと…。


 いきなりの要求に、俺の思考は真っ白になる。最近随分と態度が変わっていたけれど、どこかでフラグが立っていたようだ。やっぱり命を救ったのがフラグだったのだろうか…。

いやまぁ確かにヴィオーラは美人だし、NPC相手にするのはロゼと関係してしまった今、こういった行為に対して抵抗はあまりないのだが、まさかNPCのほうから要求されるとは思わなかった。

 まぁゲームなんだし、NPCとなら問題ないだろう。頬を染めたまま、目を閉じてじっと待つヴィオーラの様子に早くなる鼓動を感じならが、俺はそっと彼女を抱き寄せると、


 額へとキスをした。


 思っていたキスとは違うことが不満なのだろう、ヴィオーラは身を捩った。

「それじゃない…」

「キスはキスだろう?」

 ヴィオーラは不満そうにしながらも、俺の首へと手を回してくる。俺は苦笑すると、今度は頬へとキスをした。

「私のこと、嫌い…?」

 2度の肩透かしに、ヴィオーラの顔がくしゃりと歪む。からかい過ぎたかと思い、今度は唇にキスをしようとする。その時、扉の前でこちらをじっと見ている瞳と目が合ってしまった。


 そこには森の中で見た少女が佇んでいた。


「あ…」

 こちらを見ながらニヤニヤしていたスマラが俺の視線に気づいて少女を見た。そしてそのまま身構えたが、少女のあどけない様子に警戒はしつつもその場に留まった。

「ねぇ、いつまで焦らすの…? 嫌いならそう言って」

 俺が動こうとしないのを訝しんだのか、ヴィオーラが目を開けると、俺の視線が自分に向いていないことに気付いたのか、俺の視線の向かう先を見、その先に少女がじっとこちらを見ていることに気が付くと、慌てて手を放して身構えた。

「この子って…」

「ああ。森の中で会った娘だ。あの時は何かを伝えようとしていたけど、ここに現れたってことは、今回も用があるってことなのかな」

 俺たちは少女を取り囲むように位置を変えるが、少女は身構えもせずにじっと俺を見ていた。そして、

『ヴァルアロス…』

 と一言だけ発した。俺は何のことが分からずに首を傾げていると、スマラが、

「古代語よ。『来て』だって。随分古い言い回しだけど…」

 スマラの言葉に頷くと、通訳してもらう。

「どこに来てほしいんだい?」

『アルトゥス…』

「『祭壇』だって」

「それはどこにあるんだい?」

 少女は答えようとして、何かに気付いたかのように振り返る。そして、

『ウルス…』

 と一言残して空気に溶けるように姿を消した。

「『助けて』だって…。どうするの?」

「行こう。罠かもしれないが、その時はその時だ。行かずに後悔するより、行って後悔したほうが良い」

「行くってどこに?」

「遺跡の奥へ向かう。〈蛇人間〉達が向かった方向に、何かあるとは思わないか?」

 俺の言葉にスマラは頷くと、俺の影の中へと潜む。ヴィオーラも頷くと、気持ちを切り替えたのか、扉の前で外の様子を伺おうとする。俺はそんなヴィオーラに声を掛けると、

「ヴィオーラ」

「何?」

 振り向いたヴィオーラの唇に、素早く唇を重ねる。そして、

「嫌いなわけないだろ」

 唇を離して一言だけ添えると、動きの止まったヴィオーラの代わりに、扉越しに外の様子を伺った。外は多少雨足が鈍ったようで、雨音は小さくなっている。俺は扉を開いて、

「行くぞ」

 とヴィオーラを促した。その言葉にヴィオーラは慌てて反応すると、頬を赤く染めたまま頷いた。

「あの子、一体何者なのかしら?」

「さぁな。ただの直観だが、俺たちを害する存在とは思えない」

「そうね。私もそう感じたわ」

 兜を被り、その上から外套のフードを被ったヴィオーラは、俺の横に立って頷く。俺も頷きを返すと扉を開け、振り続ける雨の中へと進んでいった。



 雨の中、俺たちは遺跡の奥へ向かって進んでいくと、周囲の様子が変わってきた。建物の状態が良くなり、しっかりと形を保っている。壁面に施された彫刻も増え、かつては「都市」として繁栄していたであろうことがより強く感じられた。

 人気のない石造りの都市の中を進んでいく。しばらく通りを進んだ後、通りの先を何かが横切るのが見えた。一瞬だったので確証はないが、それはさっきの少女だったように見えた。

 俺は思わず足を速めた。ヴィオーラもそれに続く。入り組んだ都市の通路を、少女の姿を追うように進んでいく。ヴィオーラも最初は戸惑っていたが、少女の姿を確認したらしく、俺の隣に並ぶと迷いなく進み始めた。

「ねぇ、罠ってことは考えないの?」

「その時はその時だ。今は見失わないようにしたい」

 ヴィオーラが小声で尋ねてきたが、俺はそう答えながら進む速度を変えなかった。ヴィオーラも、その後は何も聞かずについてきてくれた。

 少女を追って進んでいたが、少女は不意に姿を消すと、それ以降現れなくなった。けれど俺は何かに導かれたかのように進み続け、一つの建物の前で立ち止まった。そこは寺院のようであり、神殿のようでもあった。

「ここなの?」

「分からない。けど気になるんだ」

 俺はそう言って警戒しつつ、中に入っていく。建物の中は高く吹き抜けになっており、広間を何本もの柱が支えていた。

 よほど造りがしっかりしているのだろう、建物の中に入ると降り続ける雨の音が遠のいた。代わりに聞こえてくるものがある。

 それは何かが争う声だった。

 俺はヴィオーラと目を合わせると、埃が厚く積もり、奇妙な形に並べられた長椅子の間を、武器を構えつつゆっくりと進んでいく。広間の中央には何かの石像があったようだが、無残に破壊されていた。

 争う音は奥から聞こえてくる。建物の中は暗く、奥へ進むにつれて視界が通らなくなってきた。俺はヴィオーラに目で確認すると、腰鞄から管灯を取り出した。この管灯は〈魔光(マジック・トーチ)〉の魔法が永続的に付与されたもので、シャッターも付いているので光量が調節できるのが使い勝手が良い。

 俺はシャッターで光量を絞りつつ、管灯を片手に持つと再び進み始めた。ヴィオーラも後に続く。

『スマラ、もう建物の中だから出てきてくれ』

『仕方ないわね』

 俺は心話でスマラに出てくるように言うと、スマラは影から飛び出し、ヴィオーラを挟んで最後尾に付く。

「埃っぽい…」

「後で一緒に水浴びでもしましょ」

 出てくるなり不満を零すスマラをヴィオーラが窘めつつ、俺たちは慎重に進んでいった。

 奥へ進むにつれ、争いの音は徐々に大きくなってくる。奥には階段があるらしく、どうやら上の方で争っているようだ。

 階段をゆっくりと登っていく。光量は限界まで絞ってある。近づくにつくれ、音がよりはっきりと聞こえてくる。

 複数の音が入り乱れていることから、どうやら複数の存在が争っているようだ。俺は管灯をヴィオーラに渡すと、足音を消しつつ、ゆっくりと近づいて行った。

 奥から僅かに漏れてくる明りを頼りにそっと覗いてみる。

 そこには僅かに開いた扉から心配そうに外を見る少女と、それを護るかのように扉の前に立ち塞がり、懸命に戦う獣頭の亜人と、〈蛇人間〉達が戦っているところだった。

 獣頭の亜人は数が少ないためか、明らかに劣勢だった。俺は心話でスマラに話しかける。

『蛇人間と獣頭の亜人が戦っている。亜人は少女を護っているようだ』

『獣頭の亜人? コボルドかしら?』

『いや少し違うようだ。けれど俺には分からない』

『戦いに夢中なら気づかれなそうね。そっちへ行く』

 スマラはそう言ってヴィオーラと共に近づいてきた。そして俺の足元と胸元から顔を出すようにして覗き込む。

「あれは〈食屍鬼〉ね」

「〈食屍鬼〉?」


食屍鬼(グール)


 ファンタジーゲームでは有名なアンデッドとして登場することが多いモンスターだが、この世界では犬とも鼠ともつかない奇妙な獣頭を持つ亜人だ。一説によると〈鬣犬鬼(ノール)〉の亜種であると言われるが本当のところは不明である。

 彼らはその名の通り屍肉を好んで食すと言われているが、どちらかというと穏やかな種族で、他者と争わないように屍肉を食しているらしい。

 だがどういった習性なのか、時折他の種族の子と自分たちの子供を「取り替える」ことがあるらしく、そうして取り替えた子供はグールとして育てられるそうだ。

 こうして育てられた子は〈取り替え(チェンジリング)〉と呼ばれ、グールの子は大抵鬼子として殺されるが、チェンジリングはグールに育てられた結果、特殊な能力を持つ存在として名を残すことがあるそうだ。

 日本でいうところの「神隠し」や、西洋の「妖精の取り替え仔」の伝承を元にした設定だとは思うが、屍肉で育てられた英雄とかは物語の主人公としてはいまいちイメージが良くないと思うのは俺だけだろうか?

 兎に角、あの少女はチェンジリングである可能性が高い。であるならばどちらに味方するかは自明の理というところだ。

 俺たちが様子を見る間に、数で劣るグールが一気に押し込まれ、戦線が崩壊してしまった。グールたちは次々と倒れていく。蛇人間たちは盲目であるのが嘘のように、グールを囲い込んでは引き倒し、牙を突き立てていく。

 気が付くと、グールは少女が覗き込む扉を護る1体となり、そのグールの命が消えるのもあと僅かであろう。

 俺たちが手を出さなければ。

「よし、〈蛇人間〉を叩く」

「ま、仕方ないわね。〈食屍鬼〉の方がまだ話は通じそうだし」

 スマラの言葉にヴィオーラも頷く。俺は管灯を仕舞うと、ヴィオーラに合図を送ると同時に飛び出した。

 俺は最後尾の蛇人間に向かって〈吹雪(ブリザード)〉の魔法を唱えた。魔力によって生み出された氷刃の嵐が、蛇人間たちを切り裂き、凍らせていく。魔法の範囲内にいた蛇人間の半数がその場に頽れる。

 その勢いのまま、俺は蛇人間に切り掛かった。〈吹雪〉の影響で動きの鈍った蛇人間を、突進の勢いを乗せて袈裟斬りにする。同時にヴィオーラが別の蛇人間へと切り掛かり、切り倒していた。スマラは背後から俺とヴィオーラの剣に〈付与〉の魔法を掛けている。

 突然の不意打ちに蛇人間たちは慌てて背後へと向き直った。だが、俺たちの勢いは止まらず、逆に背後から唯一残ったグールの攻撃を受けることになり、次々と倒れていく。

 やがて全ての蛇人間が倒されると、グールは改めて俺たちに向かって身構えた。だが、その膝がガクリと落ちる。

 少女が扉の影から飛び出し、グールへと近づいていった。俺たちも警戒しつつ、グールへと近づく。

 少女が縋り付くグールの腹部から、どくどくと血が流れていた。俺は慌てて〈回復〉の魔法を掛けるが、傷は塞がらずに血が流れ続けている。思わずスマラの方を見るが、スマラは首を振り、

「残念だけど、手遅れよ…。致命傷だわ」

 と言った。ヴィオーラも頷く。グールは少女に何かを呟くと、静かに息を引き取った。



 俺は、武器を納めると両手を上げて敵意がないことを示した。そして、

「言葉は通じるか? 俺たちは君に対して敵対するつもりはない。」

 と言う。後ではヴィオーラも剣を鞘に納めている。

 少女はしばらくグールに縋り付いていたが、しばらくして顔を上げる。泣いていたのかと思っていたが、その表情には悲しみの色は見えなかった。

「メルウス」

 少女はそう言って頭を下げた。

「ありがとうだって。この子、古代語しか話せないのかしら」

スマラが通訳してくれるが、確かに不便だ。俺は少女に、

「ごめん、俺は古代語が分からないんだ。共通語は話せるかい?」

と聞いてみた。少女は首を傾げると、

『ありがとう』

と言い直した。なんだ、話せるんじゃないか。俺は「どういたしまして」と答えようとして違和感に気付く。今、少女は声を出して話していたか?

「珍しい、この子〈精霊語〉で話してる」

 スマラが驚いた声を上げた。俺の疑問を感じたのか、スマラは、

「〈精霊語〉は主に精霊達が使う言葉で、精神で直接会話を行うの。言語に頼らないから、大抵の存在と意思疎通ができるわ。半面、文字がないから口伝のみと言う性質上、今では精霊以外に使うものはほとんどいないと聞いていたけど…」

 と説明してくれた。俺は頷くと少女に話しかける。

「君は俺の前に来てくれたよね? 何か用があったのかな?」

『私たち、とても困っているの』

 少女は眉根を寄せる。初めて少女の表情が変わった気がした。相変わらず口は動いていない。

『この蛇たちが襲ってくるようになって、私の仲間はどんどん減ってしまった。もう私しか残っていない。お願い、助けて』

 少女は真っ直ぐに俺を見てくる。助けることは吝かではないが、事情も知らずに助けて思わぬ事態になっても困る。

「君を助ける代わりに、知っていたら教えて欲しいことがある。この街に他の場所へ転移するための〈門〉はあるのかな?」

 俺の問いに少女はしばらく考えていたが、コクリと頷くと、

『街の奥に古い古い扉がある。でも、私たちは決して近づかない。蛇たちの住処が近いし、その扉は誰も開けてはいけないと言われているの。開けたら最後、二度と戻ることができないと言われているから』

 扉か。〈陽炎の門〉とは呼んでいるが、実物を見たわけじゃないので、その形が扉である可能性も十分にある。それに一度通り抜けると二度と戻ることができない、と言うのもログアウト専用のものと考えればありえなくはない。

「分かった。君を助けよう。その代わり、扉を開けるのを手伝ってほしい」

 俺の答えに、少女は一瞬眉を寄せるが、僅かに微笑みを見せた。

「俺の名はヴァイナス。彼女がヴィオーラで、あの猫がスマラグトゥスだ」

『リィア』

 俺の紹介に少女は一言だけ答えた。



 目的の扉がある場所へと近づくために、俺たちは蛇人間の住処を避けて近づこうとしたが、蛇人間たちが扉のある建物の前に陣取っていたため、やむを得ず排除することになった。

 さっきと同じように〈吹雪〉を撃ち込んだ後、俺とヴィオーラで動きの鈍った蛇人間たちを倒していく。

 暗闇の中で包囲されれば脅威となるであろう蛇人間だったが、リィアが照らす(俺の管灯を渡してある)〈魔光〉の明りの中では、俺とヴィオーラの敵ではなかった。

蛇人間を掃討し、周囲に潜んでいないかを確認しつつ建物の中へと入る。建物の中は精緻な彫刻が風化せずに残っており、静寂と相まって荘厳な雰囲気を醸し出していた。

「リィアは〈取り替え仔〉なのかい?」

 扉へと向かいながら発した俺の問いに、リィアは首を傾げる。俺は質問を変えることにした。

「君を護って倒れた〈食屍鬼〉は君の仲間なのかな?」

 俺の問いに今度は頷いた。やはりリィアはチェンジリングで間違いなさそうだ。どこから連れて来られたのかは分からないが、人里までは連れて行ってあげるしかないか…。一応確認しておく。

「別の場所に他の仲間がいたりするのかい?」

 俺の問いにリィアは首を振る。やはりどこかの街に連れていくしかなさそうだ。〈陽炎の門〉から始まりの街に行ければ良いんだけど。

 特に危険もなく、俺たちは扉の前へと辿り着いた。扉は高さ5メートルほどの両開きで、表面には建物の中同様精緻な彫刻が施されており、中央には装飾性の高いデザインの〈古の印〉が刻まれている。取っ手のようなものは見当たらない。どうやって開けるのだろうか?

「そういえば、何で蛇人間に襲われていたんだ?」

 扉の周囲を探索しつつ、罠などの確認をしながら発した俺の問いに、リィアは僅かに眉を寄せる。しばらく待つと、意を決したかのように、

『私のせい。彼らは私を生贄にするつもりなの』

 と答えた。生贄とはまたなんとベタな…。でも何のために生贄が必要なんだ…?

「生贄ってことは何かの儀式を行うのかい?」

『扉の封印を解くため。扉を開けるには私の命が必要なの』


 なんだって!?


 リィアの言葉に俺は思わず目を見開いた。スマラやヴィオーラも言葉を失っている。

 蛇人間たちも扉を開こうとしていて、しかも扉を開くにはリィアの命が必要…?

「それじゃあ俺たちが扉を開くときにも…」

『私の命が必要』


 なってこった…。


 衝撃的な事実を淡々と語るリィアに、俺は言うべき言葉が見つからなかった。リィアは俺が扉を開くと言った時に表情を変えたが、それには理由があったんだ…。

「それなのに何で俺たちと一緒に来たんだ…?」

『ヴァイナスは私を助けてくれたから』

 俺の問いに、リィアはあっさりと答えた。いくらゲームのイベントだとはいえ、この設定はキツ過ぎる。

 せっかく助けたリィアの命を奪ってまで、この扉を開く必要があるのか…?

 俺は思わずスマラたちと顔を見合わせる。彼女たちも同じ思いだったらしく、どうしたら良いのか分からない様子だった。

「ねぇ、別に〈陽炎の門〉は一つだけじゃないんでしょう?」

「ああ、そのはずだ」

「なら、他の場所を探してからでも遅くはないんじゃない?」

 ヴィオーラが何もリィアの命を奪ってまで扉を使わなくてもいいだろうと意見を出す。俺としてもリィアを犠牲にしてまで扉をくぐりたいかと言えば、答えは否だった。

 もっと手軽にログアウトできるものだと考えていたのだ。NPCとはいえ、こんな少女を犠牲にしてまで門を開かせようとするデザイナーには、一度直接会って文句を言いたいところだった。

「リィアはここ以外の扉は知ってるかい?」

『知らない』

 デスヨネー。

 駄目元で聞いてみたが、案の定求めた答えが返ってこなかったので、俺はこの後どうしようかと思案する。すると、

『ヴァイナスは扉を使わないの?』

「君を生贄にしてまで扉を使うつもりはないなぁ」

 これから生贄にされるかもしれないというのに、リィアは表情を変えずに話しかけてくる。なんだろう、イベントで生贄が前提のNPCだから感情系のプログラムの手を抜いているのだろうか?

 俺の答えに、リィアの表情が心なしか緩んだような気がした。俺は気のせいかと思ってこれからのことを相談しようとした。すると、

『ヴァイナスは私を生贄にしないけど、扉は使いたいのね』

「まぁ、そうだな」

『私を生贄にしなくても扉を開ける方法がある』

 リィアがいきなり爆弾発言をした。

「ごめん、聞き間違いかな? もう一度言って欲しい」

『私を生贄にしなくても扉を開ける方法がある』

 始めから言ってくれよ!

 俺は思わずそう叫びそうになるのを必死で抑えた。スマラたちも唖然としている。

 俺は心呼吸をして息を整えると、リィアに確認する。

「その方法はリィアに危険はないのかい?」

『大丈夫』

 リィアの答えに俺は頷く。そんな方法があるのなら早く教えて欲しかった。そこで疑問が頭をよぎる。

「リィアに危険がなくても、俺たちにはあったりする?」

『大丈夫。命が必要と言うわけじゃない』

 安心した。代わりに誰かを生贄にすればいいと言われるのかと戦々恐々だったのだ。俺は改めてリィアに方法を尋ねることにした。

「それで、別の方法と言うのはどういうものなんだい?」

『私と〈誓約(アイト)〉する』

「〈誓約〉?」

 俺の問いにリィアはコクリと頷く。俺はスマラを見るが、

「聞いたことがないわ」

 と首を振る。スマラが知らないんじゃ分からないな。俺はリィアに聞こうとすると、ヴィオーラが、

「ちょっと、どうして私には聞かないのよ」

「いや、ヴィオは知らないんじゃないかと思って」

 失礼ね! とヴィオーラは俺に詰め寄って来た。俺は仰け反るようにしてヴィオーラの剣幕を受け流そうとする。

「あのね、〈誓約〉っていうのは主に精霊と人が結ぶ契約の一種で、使い魔と結ぶ〈契約〉や悪魔との〈取引(ディアル)〉と似たものよ」

 凄い、ヴィオーラってば結構物知り。横ではスマラも関心したように頷いている。リィアもコクコクと頷いているところを見ると、どうやら間違ってはいないようだ。あれ? ということは…。

「リィア、君は〈精霊(エレメンタル)〉なのかい?」

『違う』

 リィアは首を振った。違うらしい。それならどうして〈誓約〉を結ぶんだ? 扉を開くためというのは分かるんだが。

『私はモルドの巫女』

「モルドの巫女?」

 俺の聞き返しにリィアはコクリと頷く。

『生と死を司り、運命を与える冥神に連なる神モルドの巫女』

 リィアは言葉を続ける。

『巫女は神の力を与えられた存在』

「それは〈奇跡〉を使えるってこと?」

 俺の問いにリィアは首を振る。

『違う。〈奇跡〉は神の力を借りた魔法。巫女は神に力そのものを与えられている』

 なるほど、巫女は言うなれば神から〈特殊能力〉や〈才能〉を与えられた存在ということか。リィアの説明は続く。

『巫女に与えられた力の一つに扉を自由に使えるものがある。他者がこの力を使うには、巫女を特別な儀式によって生贄に捧げるか、〈誓約〉をすることで力を共有するしかない』

 なるほどね、そのための〈誓約〉か。でもそれなら、

「蛇人間たちと〈誓約〉すれば命を狙われることはなかったんじゃないか?」

『嫌。蛇たちと〈誓約〉するなら死を選ぶ』

 俺の疑問はリィアに一刀両断された。するとヴィオーラが、

「〈誓約〉を結ぶということは、生涯共に行動するということよ。〈誓約〉が失われるのは結んだもののいずれかが死ぬときだけ。〈蛇人間〉と〈誓約〉を結べば、リィアは一生光の差さない地下で暮らすことになるわね」

 と言った。リィアもコクコク頷いている。確かにあんな奴らと地下で死ぬまで暮らすことを思えば、死んだ方がマシかもしれない。それにしても、

「俺と〈誓約〉を結ぶのは構わないのか?」

『構わない。ヴァイナスは命を助けてくれたし、貴方となら〈誓約〉を結んでも良い』

 リィアの言葉に俺は頬を掻いた。信頼してくれるのは嬉しいが、チョロ過ぎないか? まぁ、イベントなんだしこれくらいスムーズにいかないとストレスになりそうだが。

「俺は〈誓約〉すれば扉が使えるようになるんだろうけど、スマラやヴィオはどうなるんだ?」

「私はヴァイナスと〈契約〉しているから、多分大丈夫よ。基本的に貴方と同一の存在として扱われるから」

 俺の疑問にスマラが答えた。問題はヴィオーラだけど、

「私もリィアと〈誓約〉すればいいんじゃない?」

『無理。〈誓約〉は一人としか結べない。でも私とヴァイナスの二人なら、ヴィオーラ一人くらい大丈夫』

 リィアの言葉に俺は頷く。理屈は分からないが大丈夫らしい。それなら良いか。

「なら〈誓約〉を結ぼうか」

『分かった』

 俺が提案するとリィアは頷く。そしてリィアの指示に従って〈誓約〉の儀式を始めた。

 とはいっても特に複雑なことをするわけじゃなく、俺はリィアの前で跪いて目を閉じているだけだ。

 リィアは何やら呪文のようなものを唱えながら時折俺の額や肩に手を触れている。儀式の間は目を閉じているように言われているので、不意打ちで触れるリィアの少し冷たい、だが柔らかい指の感触にドキリとする。

 そして儀式は終わりに差し掛かったのだろう、リィアの呪文が大きく唱えらえると、俺の顔をリィアが両手で抱え込んだ。


 そしていきなり唇を塞がれる。


 俺は驚きに目を開きそうになるが、儀式が失敗するのを恐れて必死に我慢する。塞がれた唇の先からリィアの甘い吐息が伝わってくるので、どうやらキスされているようなのだが、唐突過ぎるキスに頭が真っ白になっていた。

 背後からはヴィオーラの「あの子あんなにアッサリ…」と言う声や、スマラの「儀式なんだからしょうがないでしょ」と言った声が聞こえたが、気にしている余裕はなかった。

 どれくらい時間が経っただろうか、気が付くと儀式は終わっていたらしく、キスをしていたリィアもいつの間にか離れていた。

『終わった。これでヴァイナスも扉が使える』

 リィアの言葉に俺は目を開くと、立ち上がる。儀式を終えても特に変わったところは感じない。俺は振り返るとヴィオーラたちに、

『儀式は終わったらしい』

 と伝えた。するとスマラが目を見開き、

「ちょっと、貴方〈精霊語〉なんて使えたの?」

 と聞いてきた。そういえば今、無意識に使っていたので気づかなかったが、儀式の影響か俺は〈精霊語〉が使えるようになったらしい。これは便利だ。少なくとも俺から話しかけるときは、周囲にばれないように会話ができるということだ。

「そんな便利には使えないわよ。〈精霊語〉はあくまで言語だから、普通の声と同じように、周囲の人には聞こえてしまうもの。私たちの〈心話〉とは違うわ」

 残念、そう上手くはいかないようだ。俺はリィアに向き直ると、

「それじゃあ扉を開こうか」

 と提案する。リィアは頷くと扉の前に立ち、そっと扉に触れた。すると彫り込まれた古の印が光り、鈍い音を立てながらゆっくりと開き始めた。扉の先は虹色の光が溢れている以外、何も見ることができなかった。

「私は影に入っているわね」

 スマラはそう言って影へと潜む。リィアはヴィオーラを手招きすると、その左手を握る。そして、

『ヴァイナスは右手を握って』

 と言われたので、ヴィオーラの右手を握る。なんというか、仲良し親子みたいで気恥ずかしかったが、ヴィオーラも同じ気持ちだったのが面頬を上げた兜から見える頬が赤くなっていた。

『それじゃ行きましょう』

 リィアの言葉に俺は頷く。これで現実世界に帰れるのだろうか。俺は期待と不安が混ざり合う気持ちのまま、リィアたちと共に扉の中へと入っていく。

 虹色の光に包まれた瞬間、周囲の知覚ができなくなり、平衡感覚も失われた。やがて光が強まったかと思うと、俺の意識はゆっくりと薄れていった。俺はヴィオーラの手を離さないようにしっかりと握りしめたまま、薄れてゆく意識に身を任せた。願わくば、始まりの街に繋がることを夢見ながら。


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