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俺、奴隷を買う。

今回は少しシリアスに書いてみました。

眩しい…この世界にも太陽があるってことはこの世界は宇宙のどっかか?


朝、眩しさと少しの寝苦しさ、そして圧倒的な柔らかさで目を覚ま…柔らかさ?


バッ!と布団を剥ぐとそこには美女と美少女(妹)が俺の布団で寝ていた。


異世界2日目。人生最高の目覚めです。


「うむぅ…」


音兎の声に兄として不覚にもドゥッキュンと来た。ドキッのレベルじゃないほどの胸きゅんです。


「はふぅ…おはよう主殿。」


続いてアルフィナ。その微笑みはまるで女神フレイヤ。ただおっぱいはBくらいなのが唯一の残念ポイントだ。

「今わたしの胸を見てその顔になったのか?もしそうなら私の最大魔法技をお見舞いするぞ?」


笑顔だが背には三面六臂の阿修羅が佇む。


「そんなことないよ?アルフィナは(胸以外)かわいいからね。」


「主殿…私はさとりだぞ?多少なら思考は読めるのだよ?」


さとりってあの心を読めるってやつか?


「そうだ。」


……オワタ\(^o^)/


「ま、まぁ私のことをかわいいと言ったのは本心のようだし、許してやらん事もなくもなくもない。」


アルフィナはそっぽ向きつつも顔を朱に色付かせ、ギャンかわなデレを見せてくれた。


「お兄ちゃんおはよ~…」


音兎が起きた。そこで1つ問題が起こる。音兎のおっぱいは推定Fはかたい。つまりーーー


「主殿?」


こういう事だ。あぁ儚い異世界人生だったな…


ってさせるかぁ! 俺はアルフィナを押し倒し、自らを守るため奮起する……つもりだったが


「はふぅ……」


アルフィナがパンクした。



♢♢


「さて、今日は行きたいところがある。アルフィナはギルマスの仕事。音兎は留守番頼んでいいか?」


アルフィナは「うむっ!」と頷くが音兎は「えっ…」って悲しそうに表情を曇らせる。


俺は耳元で 囁く。

「ちゃんと留守番出来たら膝枕してやるから。」


これは音兎への魔法の言葉。全快しやる気満々だ。


「じゃそゆことで~」



♠️♠️


「「いらっしゃいませ~!」」


俺は奴隷館に足を運んでいた。あのときのクソ野郎に虐げられる奴隷を産まないために。


「家事ができて戦力になり、そして一番辛い思いをした奴隷を見せて欲しい」


俺の要望に少し戸惑いながらもやはりプロだ。


「かしこまりました。10分ほどあちらの個別室にてお待ちください。」


♢♢


きっかり10分。連れられてきたのは1人の恐らくネコ科の獣人。

しかし彼女には片耳がなく、体中に傷を残していた。もっとも目に付いたのは左の額から右目の下まで続く大きな切り傷。


「これは虎族の獣人のティアスタ=サーヴィでございます。見ての通り見窄らしく傷物ですがどういたしましょう?」


奴隷館の男はチェンジだろ?とその瞳で語ってきている。

だが俺はーーー


「少し話してもいいか?できれば席を外してくれ。」


男は目を白黒させながら了承する。


「さて、俺は萩田獅音。俺は君を買いたいと思っている。君は俺が主でいいか?」


希望を失い、暗く堕ちた瞳に小さなきぼうが宿ったように見えた。その瞳は堕ちてなお美しく、悲しさが溢れていた。


「…私達奴隷にそのような心遣いをなさるお方は初めてです。私は数々の方を見てきました。私の姿をご覧になり引く方。ゴミを見るような目で見るお方。しかしあなたは違いました。私を…人として認めてくれた初めてのお方。私はあなた様の奴隷になりたい。よろしくお願いします。」


あぁ…俺は日本で生まれ育ったから平和しか知らない。奴隷なんて以ての外だ。こんなに人を抱きしめてやりたいと思ったのは初めてだ。

「宜しくな。ティアスタ。君が一緒に買って欲しい奴隷はいるか?いたらそいつも買おう。」


ティアスタの瞳に明らかな希望が宿ったのはさとりじゃない俺にもわかった。


「1055番のクルン=ラルフも一緒にご購入頂きたい所存です。」


「わかった。その娘も家に呼ぼう。」


俺はできるだけ優しい笑顔を浮かべた。元々そんなイケメンじゃないけどね?


「クルン=ラルフです。」


小柄で華奢な犬族っぽい女の子。見た目は生傷はあるが、目立った傷はない。そして巨乳。


「よろしく。俺は萩田(ry」


さっきのティアスタと、同じなので略す。


クルンはティアスタよりも明るい。希望は捨てているが魂は捨ててない的な感じだ。



「2人でいくらだ?」


俺は先日のSSランク報酬で金を貰っている。

恐らく足りるとは思うがーーー


「それらは欠損奴隷と犯罪奴隷なので10万キラでございます。」


安すぎる。いくら何でも人の命をそんな安く売るか?

俺は怒りを抑え、10万キラ払った。


ちなみに1キラ1円くらいだ。


「首輪について説明いたします。お客様の命令には強制的に従うことになり、拒否すれば耐え難い苦痛が走ります。他には制約はお付けしますか?」


「いや、いい。それじゃ」


「「ありがとうございました!またのお越しを!」」

♠️♠️


さて、奴隷館は出た。そして2人はやせ細っている。行くところは一つだ。



「所でお前たちはなぜ床に座っている?」


ティアスタが「私共は奴隷ですので…」と呟いた。


俺はまたしても怒りを覚える。しかしこの子達を不安にさせない。


「なら初命令だ。椅子に座り好きなものを頼め。」

「「!?」」


2人は首輪の力により強制的に椅子に座ることになった。

「御主人様!?なぜこのような命令を!?」

ティアスタが心底分からないという表情を浮かべ、クルンは口をパクパクさせている。


「断っておくが俺はお前たちを奴隷扱いしない。お前たちは俺の家族であり大切な仲間だ。」


2人は唖然呆然とした。少しクサかったか?


「うっ…うぅぅ」 「……」


クルンは声を出して泣き、ティアスタは無言で涙を流す。でもその涙は暖かい涙だと俺は思う。


「さぁ泣くのは帰ってからもできる。まずは腹いっぱい飯を食え!何でも好きなだけな!」


「「はいっ!」」


力強く答えてくれたティアスタとクルンだが涙は止まることはなかった。だけど俺は止めなかった。そしてお互いを見て笑い合うふたりを見て家に呼んで良かったと心底思った。


「腹いっぱいになったか?…ってなるよな。ハハッ」


漫画とアニメでしか見たことのない皿の山。その向かい側ではクルンが照れ笑いし頬を掻き、ティアスタが羞恥から耳まで赤くしてうつ向く。


「ご会計11万5000キラです。」



飲食店を出てから服を買いに行こうと思ったが先に家に行くことにする。音兎に頼みたいこともあるしな。


「ティアスタ、クルン。悪いけど俺に掴まってくれるか?ちょっと走るからさ」


2人揃って頭上に???を浮べたがとりあえず衣服を掴んだがそれじゃだめだ。

俺は抱き上げ、「喋ったら舌噛むぞ!」と注意を促し、家に向かい一直線に駆け出した。



30秒くらいで家に到着。ティアスタとクルンは目を回し、下ろしてやるとフラフラでまともに歩けそうにない。仕方ないのでさっきと同じように抱き上げ。音兎のいる部屋へ向かう。


「音兎~。ただいまー。ちょっと頼み後あるんだけど~?」


ドタドタドタドタ!


「ただいま!…レオ…そのメス共なに?」


メスって荒みすぎじゃね?俺の妹怖い。


「ま、まぁ聞いてくれ。この娘らは奴隷館で買ったんだ。音兎1人じゃ家事も大変だろ?」


「ふーん?まぁそういう事なら分からなくもないけど。んで名前は?」


何とか理解してくれたか。恐ろしや。我が妹よ。


「ティアスタ=サーヴィです。」


「クルン=ラルフです!」


音兎は先程とは違い、ひまわりを擬人化したような暖かな笑顔で


「私は萩田音兎。こいつの妹よ。よろしくね!ティアスタ!クルン!」


「「はいっ!」」



♢♢


「音兎。本題に入るけど、魔法でティアスタとクルンの傷を直してやれないか?頼む。」


「当たり前じゃない。任せなさい!…頑張るからご褒美期待してるよ?」


うちの妹はギブアンドテイクのテイクがギブの5倍はする。どうなるんだろ…


一転、真剣な表情に変わった音兎は神級最上位の天使の息吹ヘブンズキュアの派生魔法らしい女神の慈愛ヴィーナスリバイブを唱える。


光がティアスタとクルンを包みこみ、光球になる。

それが霧散して体中の傷は跡もまったく残らず美しい肌に戻った。音兎すごい。とてもすごい。

俺は鏡で二人を写すとティアスタは自分の顔をぺたぺた触り、涙を浮かべ、クルンは腕や背中の生傷が消えたのを確かめる。


そして今日2度目で1度目を大きく上回る号泣するのだった。



to be continue

ご観覧感謝の至です。明日はキャラ設定などを投稿します。

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