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俺の炎(2)

お久しぶりです。

「ふぅ。久々だな。」


俺は二年ぶりにギルドに顔を出した。ちなみにおっさんが魔法で街まで転移させてくれたのだ。


「おいあれ。レオ=ハギタじゃねーか?」


「確かに。あと2日だしな。」


ギルド内がいつもとは違ったざわつきを始める。


「受付さん。久しぶりだな。アルに用があるから通るよ。」



「…この二年、あなたのことを首を長くしすぎて死ぬんじゃないかってくらい待ってましたよ?さぁ早く行ってあげてください。」


可愛い受付嬢は可愛い笑みを浮かべて俺を通してくれた。







「お待たせ。アル。」



ポロッとアルは手にしていたペンをこぼし、なんとも言えない表情を数度変化させた。そして。


「あるじ……どの」


「おう」


「主殿ぉぉぉぉ!!」



俺に飛びついてくるアルを迎え入れるかのように両腕を開く。しかしーー



ズドォ!


「ぐはっ!?」


「この馬鹿者ぉ!来るのが遅いのだ!」



鳩尾への洗練されたボディブローが入ったことにより呼吸が止まる。



「ア、アル?分かるけどもう少し感動の再開ってやつをだな。」


「私だってそうしたい!けれど音兎を助けてからだ!」



「……あぁ。分かってるさ。明日の夜明けと共にベート古城に行くよ。」


今日はティアとクルンに会わないとね。多分ボコボコにされるけど。


「うむ。色々話すこともある。」



ギルティに挑んだ冒険者は後を絶たなかったが誰一人として帰ってきた者はいなく、いつしか挑戦は途絶えていたようだ。


それもそのはずだ。ギルティは俺のステータスを奪ったのだから。



そしてアルと共に二年ぶりの我が家に着いた。


ドアを開けて居間に入るとクルンとティアスタがこちらを見やる。


「旦那様…!」


「ご主人様!?」



この後は言うまでもないだろ?



フルボッコだ。



なぜかアルも加わって凄絶なリンチを受けた。



「お前ら……加減ってもんを知らないのか?」



『当然の仕打ちだと思う。』



ぐうの音も出ない。



「それで…もちろん強くなったのだろうな?」



アルがジト目で俺を睨む。



「……」




「主殿?まさか……」



「いや…その…あとちょっとなんだけどさ……」



本日3度目のリンチが始まる。



「ちょっ、待っ、ぎゃあああああ!ほんとなんだって!クルン!魔拳はやめて!あああああああ!」



『問答無用!!』





「うぅっ……。ほんとにあと一歩でちからが掴めるんだよ…。」


ちから?」


未だ胸ぐらを離さないクルンがふざけたことを言ったら殴る!と言わんばかりに右拳を振りかぶっている。


「それがな。ーーー」



俺はおっさんとのこと、修行のことをすべて話した。


そして話し終わる頃にはみんなの猛攻は鎮火していた。


「なるほど。つまり旦那様はその炎を習得すればギルティ=ロードに勝てるかもしれないんですね?」


「まぁそうだ。お前達の力も俺に貸してくれ!」


『もちろん(です)』


この子たちシンクロ率高ぇ。


「炎魔法だとするなら私が一番詳しいな」


確かにアルの得意魔法は炎だ。炎魔法を学べば答えは出るかもしれない。


「まず大事なことはイメージだ。これは炎だけではなく魔法全般に言えることだが、炎魔法は特にイメージが重要だ。」


「イメージか…。」


「主殿はどんな炎を使いたいか。また、炎と聞いて何を一番に頭に浮かんだ?」



………。



「そして言えることはその炎、その魔法は主殿だけのものだ。」



「……なるほど。少し答えに近づけたかもしれない。」



そして俺はあしたに向けて久しぶりのベッドで体を休めることにした。




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