俺は修行中
「ふぅ…。」
ん?俺が登場サボった?
う、うるせぇ!こっちにだって色々事情があんだよ!
ったく。
さて、メタい発言はこの程度にしておいて本題に入る。
今俺は樹海に来ている。
まぁもちろん俺のステータスは変わらず、オール1で世界最弱だ。
何をするかというと、言わずもがな修行だ。
「さて、やるか。」
今の俺じゃスライムにも殺される。このままモンスター相手に戦うなんて無謀だ。
だからまずは基礎ステータスを高めることから始める。
ちなみに俺のレベルは132。これは恐らく今まで倒してきた奴らの蓄積だ。レベルなんて気にしたことなかったから見ることもなかった。
トレーニングメニューはというと、
とにかく筋トレ。そして木刀での素振り。最後にこの樹海を有名なものにした、世界最大の樹木。横幅も縦幅も端が見えないほどの巨大な木だ。
それをただひたすら打つ。それを毎日倒れるまでやり続ける。それがメニューである。
「まずは腕立てと腹筋からやるか!」
腕立て伏せ
ググッ
「10…!……グフッ……」
腹筋
「20!……ぐはっ……」
なんてこった……。これじゃ地球の頃よりできねーじゃねーか……。まぁ気長にやり続けるしかねぇ。
素振りは意外とできた。途中から数を数えてないが、10000くらい振ったと思う。
深夜になり樹木殴りが始まる。
「オラァっ!」
べキッ
……
「いってぇぇぇえ!!」
手首が変な方向に曲がって痛みが走る。
「ちくしょう!」
べキッ、べキッ……
「はぁ……はぁ…」
今日のメニューが終わったのは朝日が登ってからだった。
とりあえず……寝よう。
2日目。俺は昨日と同じメニューをした。
腕立ても腹筋も筋肉がねじ切れるほどやり続け、30回を100セットくらいした。
素振りは手の皮が全部ズル剥けた。それでも振り続けると血がボタボタ垂れてくる。だからと言ってやめる訳では無いが。
そして萩田名物の樹木殴りだが、今日は昨日よりもしっかりと殴ることが出来て、べキッからゴッ!としっかり打ち抜くことが出来た。
もちろん拳からは血が出る。俺の手は平も甲もほとんど皮がないわけだ。
一週間経った頃に少し変化が見れた。
萩田獅音 Lv148
筋力 125
耐久 110
敏捷 98
魔力 80
スキル
なし
「おお!ちょっと上がってる!」
確実にちょっと強くなった!
トレーニングにやる気が湧いてきた。よし!やるぜ!
♢♢
「ギルドマスター!滅拳はどこへ!?」
「彼は今修行してるらしい。十傑から外しておけ。」
彼女ーーー、カレンは修行を終え、レオに再び挑みに来たのだ。
「そんな……。というか彼に修行は意味ないのでは?」
私はカレンに説明した。主殿が敗れたこと。音兎が連れ去られたこと。ギルティ=ロードの恐ろしさ。
「ほうほう!つまりそのギルティ何とかを倒せば私のが強いことになるわけか!面白い!」
「やめておけ。ギルティ=ロードは一度の滅拳を下している。それに加え今はその滅拳のステータス、スキルも上乗せされている。今挑むのは得策ではない。」
今の世界ではギルティ=ロードに勝てる生物はいない。
「しかしアルフィナ殿。このまま野放しにするわけにも……」
「カレン。君は話を聞いていたのか?」
カレンは首を傾げて頭上に?を浮かばす。
「私は今挑むのは、と言ったぞ?」
そうーーー。滅拳は滅びない。彼は再び蘇るのだ。
それまで耐え抜くことが我々に出来ることだ。
……耐えれるかは分からないが。主に寂しさに。




