悪魔の宴の終演
色のない灰のように項垂れる僕に無邪気な笑顔を浮かべている優奈。
始業式以上に腹を抱えて笑う悠太。
(情けない…)どこかに飛んでいけるなら、今すぐにでも飛び去りたい気持ちでいっぱいだった。
「あーもうこんな時間!?」優奈は凍りついた空気の中でそう呟いた。
確かにお帰り会2反省会2暴露大会6のこの会も、いつの間にか夜になっていた。
「そうだね。じゃあ、ボチボチ帰ろうか?」この会を仕切っていた沙織が締めにかかった。
未だ笑い泣きしている悠太は、ボロボロの僕に
「じゃあ、会計頼んだな、カズ君(笑)」そう言うのだった。
この世の終わりにボロボロになった僕は言葉もなく伝票を手に取った。
会計を済ませ、ファミレスを出た僕を待っていた4人。
「あっという間だったね。楽しかったなぁ」夜空を見上げながら沙織はそう言った。
「じゃあ、帰りますか」そう言って帰路に向かおうとする悠太。
「なぁ優奈は、どっちに帰るの?」悠太が尋ねると優奈は悠太達とは反対方向を指指した。
「じゃあ、カズと同じ方だな。しっかり送って行けよ」
ニヤニヤしながら悠太は冷やかしてきた。
「へいへい」どうでもよくなってる僕は、悠太の冷やかしに反応すら出来なかった。
何故か心配そうに見つめる美奈ちゃんにすら反応出来ずに、優奈と帰路に向かっていた。




