思い出の場所2
とうとうやってきた、フェアリーランド。
僕の心配を余所に、優奈ははしゃいでいた。
「ねぇねぇ美奈ちゃん!何から乗る?」
美奈ちゃんの手を引っ張りながら相談していた。
そんな優奈を一番後ろから見つめていた僕の隣で沙織はポツリと呟いた。
「もう大丈夫みたいだね。優奈…」
「あぁあれから4年も経ってるしな…」
僕は沙織の頭を撫でながら、そう答えた。
少し離れた場所から僕たちを呼ぶ声が聞こえてきた。
「早くぅ!沙ぁちゃん!カズ君!」
いつもと変わらない無邪気な笑顔で優奈は手を振り読んでいた。
「今日は楽しもうな、沙織」
そう言って僕は沙織の背中を押して走り寄って行った。
久しぶりのフェアリーランドにはしゃぐ優奈は、次々とアトラクションを楽しんでいた。
「なぁ優奈?ちょっと休もうぜ」
最初に音をあげたのは悠太だった。
「ユウ君だらしないなぁ。次はもっかいジェットコースター乗るんだから!」
両手を腰に当てたまま、優奈は遊び足りなさを伝えていた。
「なぁ優奈?そろそろ昼にしないか?もうこんな時間だぞ」
「えっ?ヤダ!?もうこんな時間なんだ。」
あっという間の時間に優奈は驚いていた。
(このままだと、アイツ倒れてしまいそうだな…)
そう思いながら、レストランを探す優奈の背中を見つめていた。