予感
夏休みが終わり、和久井健太は学校に通い出した。一ヶ月前と同じ風景、同じ
学校での振る舞い、友達との他愛ない会話、それら全てに嫌気がさしていた。
今日も無愛想に振る舞いながら教室のドアをくぐった。 するといつも通り鬱陶しいやつがいた。「おはにゃー!健太クーン!!清々しい朝日を浴びながら、今日も君と会える喜び!神様あざーす!」
高山和也は、いい奴だが、いつも少し
うざい。昨日は、ブリッジしながら学校に来たり、授業中はほぼ寝るなど、普通の人ではない。しかし、俺は和也をうざく思う反面和也との会話を楽しみにしていた。今もそうであった。「おはよー。てか、なんだよそれ、大袈裟だな〜!
少しはその元気を勉強に活かせよ!
昨日の数学0点はやばいだろ。俺ら
高3だぜ!」この話題を切り出すのは間違いだった。和也の顔から色が抜け、先ほどの元気がなくなっていく。まあいいや
それも、一時間後には、いつも通りの
憂鬱が始まっているんだ。「ちょいちょい!俺らの仲では勉強話禁止っしょ!
健太ひでー。まあ事実だからねぇーははっ。それよりもさ、明日転校生が春高に来るらしいぜ。まだクラスは決まってないけど。」春高とは僕らが通ってる春嶺高校のことである。そして僕はその転校生を楽しみしている反面三年になってから、来るなんてそいつは馴染めないだろうと心配していた。そして、その転校生に自分の日常の変化を何故か感じていた。