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悲しき死神

作者: 内田美紀
掲載日:2013/03/26

 

 死神は人を殺すことが出来ません。いや、殺してはいけないのです。

 理由を問われると困りますね。

 だってこれは自然の摂理なのですから。

 

 死神は人の寿命がわかります。

 そんなこと当たり前。

 だって死神なのですから。


 死神は人の感情が分かりません。

 何故だかわかるでしょう?

 だって神様なのですから。

 

 感情を持ってはいけないのです。

 そう、決して。

 何があったとしても。


 死神は人の姿をしていています。

 黒い髪に黒い目。黒いマントに黒いフードを目深にかぶった格好をしています。

 そんな姿をしていても、人は全く驚くません。

 だってそれが当たり前だからです。

 だから、違和感はないのです。

 

 それに性別もありません。

 15歳くらいの少年の姿をしていますが、性別はありません。


 死神は、人を平等に扱わなければ行けません。

 それが、神なる者の勤めだから。




 そんな死神は、ある日、一人の少女に出会いました。

 その少女は、昔から病気がちで、今は思い病気に罹っていました。

 そして、今日医師に余命宣告されていました。

 死神は全く驚きませんでした。

 だって人の寿命が分かるのですから。


 少女は死神に向かって言いました。


「明日死ぬのだったら、いますぐあたしを殺してちょうだい」


 死神はその願いを断りました。死神は人を殺すことが出来ないのですから。

 そんな死神に、少女は言います。

 

「役に立たない死神ね。いいわ、だったらあたしが死ぬまで私の所にいなさい」


 死神は頷きました。


 その後少女は、しゃべり続けました。

 嬉しかったこと。

 楽しかったこと。

 苦しかったこと。

 辛かったこと。

 友達のこと。

 少女は、死ぬまで話し続けました


 そして最期に、笑って言いました。


「あたしね、さっさと死にたかった。さっさと死んでこのからだからおさらばして、生まれ変わるの。そうして、外でいっぱい遊ぶの。友達と一緒にたくさん遊ぶんだ」


 少女はゆっくりと目を閉じました。

 死神は一粒の涙を零した。





 死神は人を殺すことが出来ません。いや、殺してはいけないのです。

 理由を問われると困りますね。

 だってこれは自然の摂理なのですから。


 死神は人の寿命がわかります。

 そんなこと当たり前。

 だって死神なのですから。


 死神は感情が分かりません。

 何故だかわかるでしょう?

 だって神様なのですから。


 感情を持ってはいけないのです。

 そう、決して。

 何があったとしても。


 もし感情が芽生えたのなら、その時点で、それは神ではありません。



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