校舎裏
校舎裏に出たところで何が変わるわけでもないが、とりあえずここから離れた方が良い。
そう僕は思った。
上を見上げると、空が淡い紫色に染め上げられていた。綺麗で、美しく、神秘的だが、どこか不気味な色…。
とりあえず校門に行ってみる事にした。
ここら辺はだいぶ賑わっている。商店街やスーパーなどが身近にあるし、この時間帯なら仕事帰りのサラリーマンが車を飛ばしてる所だろう。校門からは車道も見えるし、すぐ人に出会えるのではないだろうか。
足を進める。が、人の気配は無い。校門に辿り着いたが、車が通るどころか人一人居なく、学校の前のコンビニの灯りも消えていた。
まるで、この街から僕以外消え去ってしまったような…。
ビチャッ
…頬に生温い感触が触り、頬をなぞってポタリと落ちた。頬を撫でる。どうやら液体のようだ。手に付いたそれの色を確認する。
紅い、紅い、血…。
身体がガタガタと震え出し、胸の奥の恐怖心が一気に飛び出した。怖い、怖い怖い怖い!上を見上げようとも思ったが、恐怖心で見上げる事が出来なかった。血のついた手を握りしめ、僕は思考も何もなく、地面を蹴った。
「はぁ……はぁ……ッ」
今日は天気が悪く星一つ見えない。街灯もつかない、家屋の電灯もつかない。僕が眠っている間に何があったというんだ。
疲れてしまい歩っていたが、やっぱり怖くて早足になる。もうここがどこだか全く分からなくなっていた。