表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の姫君  作者: レイン
第一章~亡国の姫君、そして異世界~
5/14

第四話

遅くなりました。第四話です。検定やら卒業やらでごたごたして

執筆する暇がありませんでした。

                  異世界の姫君

             第1章~亡国の姫君、そして異世界~

                   第四話


「さっき言ってたゴルドンって国について少し教えて欲しいんだ」


 この質問の答えによって最終的な方向性が決まると誠二は考える。

 エリフィアの世界にも異界という概念が存在するのなら別の文明が発達した異世界に跳ばされたという説明でも、エリフィアには信憑性のある話にはなる。

 だが万が一という事もあるので、技術国なる国のことを確認するべきだと思った上での質問だったのだが。


「えっと魔力を持たない人が殆どだという事と、変わりに魔石を用いた魔動機という技術が発達していることくらいしか分かりません」


 殆ど情報という情報は無かった。強いて言えば魔動機なる恐らく機械に近い技術が発達しているということくらいだが、そのくらいは推測の範疇であったのでたいした驚きは無かった。


「その魔動機ってのはどういうのがあるんだ?」

「よく知りませんが、都市を守る結界とか遠方にいる人と会話出来たりとかそんな感じみたいです」


 結界というのはファンタジー物にありがちな要素だが、遠くの人間と通信できるというのは完全に電話と同じだ。だが、現代と同等な技術というわけでもないようだ。

 それならば説明は楽かもしれない。


「なるほど。わかった、ありがとう。・・・・・・ところで、君はこれからどうしたい?」


 エリフィアの世界と彼女の現状を大方理解した誠二はこれからの事について話を

振った。

 誠二には自分になにが出来るかなんて確証はないが彼はその性格から困ってる人間を

ほっとくということは出来ない。正直彼女の話を全て信じた訳ではないがそんなことは彼にとってあまり重要ではない。

 彼にとって重要なのはいかに彼女の願いを聞いてあげるかということであり、いかに彼女の力になれるかということなのである。


「・・・・・・国に、戻りたいです。」


 俯き、か細い声でそう言うエリフィア。誠二もそう言うだろうことは推測していたし話しの途中ですでにそうしてやりたいと思っていたが、いざ考えてみるとどこから手を付けたらいいのか分からないことだらけだ。

 だがまずはエリフィアに自分の現状を正確に理解してもらう必要がある。彼女は禁術とやらでこちらの世界に飛ばされたのだが、彼女はそんなこと思いもしないだろう。せいぜいが違う大陸のどこかに飛ばされたと思うのがいいとこだろう。しかしそこについては納得させる術を誠二はすでに考えてある。問題はどうやって異世界だということを理解させるか。


「だろうな。因みに、帰り方とかは?」

「分かりません・・・・・・」


 分かっていたことだが想像通りの答えだった。


「ふむ。・・・・・・たしか禁術っていうのは異界から生物を呼び寄せる魔法なんだよね?」

「はい」

「なら、何かの手違いで君が禁術によって異界に飛ばされたってことはないかな?」

「・・・・・・え?」


 予想通りの反応だった。彼女からしてみれば”ならお前はどこのだれなんだ?!”という感じだろう。だがそれが真実でありそれを信じてもらわなければ話は先に進まない。


「君が禁術を使った時なにか異常は無かった?例えば伝えられてた手順とは違うなにかがその祭壇に起こったとか」


 ファンタジー物ではそういう類の魔法は手順を間違えると大惨事になることが

多い。だから今回の禁術もそうした原因で彼女が異世界に飛ばされたのだと誠二は考えていた。


「なにかと言われても。術を発動する直前、敵兵が祭壇まで攻めてきたくらいです。」


 それを聞いた誠二は何かに気づいた風に目を細めた。


「もしかしてさっきの腕の傷はその時の?」

「そうです。矢を射られて」

「恐らくそれが原因だと思う。君がここに現れた時、傷から流れた血が地面に滴っていたから。術を発動するのに術者の血を捧げなくてはならないとかあった?」

「いいえ、そのようなことは伝えられてません」

「やっぱり。多分術を発動する時に術者の血を使ったことで本来とは別の作用が働いたんだと思うよ」


 誠二は得心がいったと言う風に頷き自分の見解を話す。

 しかし。


「で、ですがあなたとは普通に話しが出来ます!言い伝えでは召喚された者は私たちと会話どころか、意思疎通すら出来なかったと聞いてます!」


 エリフィアは信じられないという感じに声高に反論する。


「言語に関しては俺もよく分からない。だけど、その召喚された者っていうのは俺や君みたいな人間だったとかって話はあった?それに召喚で呼び出す先の異界についてはどのくらい分かってるの?」


 誠二はまずエリフィアに、禁術の正体の不明瞭さに疑問を持たせるような質問を投げ掛ける。そもそも異界などという正体不明の場所から何者かを呼び出すなんて分からないことだらけなのが件の禁術だ。術を発動させる先の事は分からない。そこにどんなものが住んでいるのか分からない。そして何が呼び出されるかも分からない。その時点で十分怪しいし本来なら詳細に調査するものなのだろうが、禁術という枠組みゆえにそれをするのは憚られたのだろう。だがもし、エリフィアの世界で発動させた禁術がこちらの世界に作用されてたとしたら。そしてもしその召喚された怪物というのがこちらの世界の動物、もしかしたら恐竜という可能性もあるがその類であれば意思疎通ができなくてもおかしくは無い。そう考えれば彼女がこちらに跳ばされたのも頷ける。


「では、ここは異界だと言うのですか?あなたも異界人であると?」


 暫く黙ってなにかを考えていたエリフィアは頭が冷えたのか落ち着いた口調で聞いてきた。まだ信じ切れてないが禁術の正体の不明さには納得がいったという感じだ。それを感じ取った誠二はこの世界のことについて告げる。


「そうだと思うよ。俺が住んでるこの国は日本という島国。いま俺が喋ってるのも日本語という国語。そして・・・」


 そう言い置いて席を立つ誠二はリビングのソファーに放ってある自分のバックまで行くと中から財布を取り出し、硬貨と紙幣を取り席に戻る。


「これがこの国で使われてる通貨だよ。名称は円。日本円と呼ばれてる物だ。・・・

・・・君の話を聞く限り、君はグランディア公国の王族だと推測するんだけど、もし君が王族なら世界の通貨くらいは知ってるんじゃないかな。その中にこの日本円はあった?」


 誠二の話を聞いたエリフィアはまだ信じられないという顔で誠二の提示した貨幣を取りためつすがめつ観察する。


「ありません・・・・・・。見たこともないです」

「まだ、信じられないかい?・・・・・・だったらここが異界だという証拠を見せるよ」


 誠二はそう言うと再び立ち上がり壁際の棚から雑誌ほどの大きさの少し分厚い紙を持ってくる。

 席に戻った誠二は持ってきた紙を広げる。それは世界地図だった。


「これがこの世界の地図だよ」


 広がられた世界地図を食い入るように見るエリフィア。


「ここが今俺達の居る日本。こっちがこの世界で一番人口の多い中国という国だ。こっちは世界の経済の中心地であるアメリカ、この大陸そのものをアメリカ大陸とも呼ぶ」


 世界の国々を次々と指差して解説していく誠二。


「大きな国はこれくらいだけど、この他にも大小様々な200を超える国がこの世界には存在しているんだ。これで信じてくれるかい?」


 そう言ってエリフィアの方を見る誠二だが、当の彼女は呆然と目の前に広げられた世界地図を眺めてる。

当たり前だろう。自分の知る世界地図と全く別の世界地図を出されて「これが今居るこの世界だ」なんて言われれば誰でも茫然自失となる。何も持たされず見知らぬ土地に放り出されたようなものだ。

 だが、彼女は違った。一度目を閉じて数瞬の間を置いて目を開いた彼女の瞳は絶望などに染まっておらず、強い意思の感じられるものに変わっていた。


「ここが異界であることは分かりました。その上で、迷惑を承知でお願いします。私が私の世界に帰る手段を探す手伝いをしてください」


 そう言ってエリフィアは深く頭を下げた。


かなり無理繰りな内容に感じてます・・・。強引な話の持って行き方と感じたら自分の力不足です。無駄なくだりも多かった気がする。

自分的には小説の序盤が一番の難関で起承転結の承に入れば結構スムーズになるっていうか序盤は簡単なプロットだけで殆ど行き当たりばったりな執筆でいつも悩んでます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ