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6. キツネさんとクマさんと一緒

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。


 僕は効率が悪いことが嫌いだ。

 オークション会場に行かなきゃ駄目だって言うのなら、仕方がないから行くけど、回り道までして時間をかけながら行くなんてことはしたくない。


 なるべくだったら、パッと行ってパッと帰って来たい。用事なんかチャッチャと済ませて、成功間近のプリンアラモードを、カフェレストラン『三年二組』に帰って堪能したい。


 プリンアラモードはただのプリンではないのだ。プリン・ア・ラ・モード、最新の、流行の、クリームとフルーツ盛り盛りのプティングなのだからして、間違いなく美味しいに違いない。今年は早くからメロンが収穫できたと言うので、メロンマシマシでいくらしい。メロンマシマシプリンアラモード、早く帰って食したい。


「先生〜、これで本当に大陸の南端に位置するルーベの街まで行けるバウかぁ〜?」


 僕は、狐の獣人と熊の獣人と手を繋ぎながら、森の中を歩いている。


「行けると思いますよー、だって今歩いているこの道、僕らが通って来た道で間違いないですもん」

「バウ太郎、先生の手は絶対に離さない方がいいですネ〜」

「そうバウかぁ?」


「これだから鈍感なクマ野郎は、呑気で全く羨ましいですネ〜、この時空の歪みを強制的に進んでいく感じ、後に体が持って行かれるような感覚、先生の手を離したら、何処に飛ばされるか分かったものじゃないですよネ!」


「えええ?本当バウかぁ?」

「痛っ」

 バウさんがぎゅっと僕の手を握った為、鋭い爪が皮膚に食い込んだんだよ。

「ちょっと、力が強いですよバウさん!爪!爪が痛いです!」

「ああ!これはすまんバウ」


 熊の獣人と狐の獣人に挟まれて歩いているわけだから、ついつい、あの歌が頭の中を回っちゃうよね。だって、森の中で、熊さんと狐さんと一緒に歩いているんだよ?


『 ある日、森の中、クマさんと狐さんに、挟まれて、ひたすら手を繋ぎ〜、ルーベへ歩いてく〜。狐さんの言うことにゃ、

「空間の歪みがエグいのネ〜、一体何処に連れて行かれるのか恐怖を感じているのネ〜」

言ってる意味わからない〜、言っている意味わからない〜 』


「先生、頭の中で変な歌を歌うのやめて欲しいバウ。変な歌すぎて気になって仕方ないバウ」

「はい・・すみません」

『スタコーラさっさっさのさ〜、スタコーラさっさっさのさ〜』

「先生?」

「はい・・すみません」 


 カーンの街に居た僕らは、生徒たちがオークションにかけられる腐の国キンヴァン王国にあるリヤドナという都市に向かう事になったんだけど、そこに行くにはまず水の国の王都の中にある転移陣を使って腐の国の王都に移動をするわけだ。


 この世界には転移陣なるものがあって、各国内を緊急事態に限り移動することが可能となっているんだってさ。

転移陣で腐の国の王都から馬車で三日の距離にあるリヤドナまで移動するって言うわけだよ。


 火の国と腐の国は隣同士であり、腐の国のリヤドナは火の国のルーベとお隣同士だって言うんだよね。だったら、ルーベ経由で行ったほうが早いでしょうと思った僕は、カルスト平原経由でルーベへまずは向かおうと思ったわけ。


「それじゃあ、現地集合にしましょうか?」

と、『この人』さんに言ったら、現地集合ってなんだ?移動手段はなんなんだと質問されることになり、生徒たちがルーベからやって来た経緯も説明しながら、僕だったらルーベに向かえるだろうって事を説明したんだよね。


 そうしたら、手を繋いでいたら一緒に移動可能なんじゃない?なんていう話になって、右手に狐獣人の『この人さん』左手に熊獣人の『バウさん』(強い人は名前が不詳なことが多い)を連れて移動中という事になるわけだ。


 途中、小川も流れる森の中を越えて、無数の石灰岩が転がる、2台のバスが放置されたままのカルスト平原に到着。


 二人は見たこともないバスを目の前にして仰天していたけれど、

「早く行くネ、早く行こうネ」

と、急かしてくるこの人さんに従って西へと移動。


 森の小道の中を西へ、西へと移動をしていくと、そのうちに気温が上昇してきたなと思ったら、灌木が生い茂る荒涼とした地域に出る事になったのだ。


 そのまま、腰の高さほどしかない木がまばらに生える平原を進んでいくと、城壁で囲まれた巨大な街が見えてきたわけ。


 カーンの街と違って、アラビアーンな世界を再現したような感じで、庶民の家並みは剥き出しの煉瓦の壁で出来ているし、遠くの方には屋根が椀状になった煌びやかな建物も見えてくる。


 この人さんは有名人なのか、ルーベの街でも顔パスで城門を潜ると、勝手知ったるみたいな感じで街の中を進んでいく。


 こちらの建物は平らな屋根がほとんどで、暑い日差しを避けるようにして、薄暗い室内にパンや果物などを並べて売っているようだった。


 カーンの街は初夏となっても涼しいんだけど、ルーベの街は日差しが強く、カラッとして暑い。屋台も大きな傘を利用して日陰を作っているし、道ゆく人も、長袖のゆったりとした足元まで覆うワンピースのようなものを、男性も女性も着ているのだった。


 頭に被っているショールは宗教的な理由とかそういうものではなく、単なる日除けのための物らしい。街の中を馬じゃなくてラクダが歩いているのを見ると、本当に南の方へやって来たんだなぁと実感してしまう。


「はあ・・無事にルーベに到着して良かったネ〜。まさか生きている間に、始まりの地に行く事になろうとは思いもしなかったネ〜」


 露天でサトウキビのジュースを購入して飲みながら、この人さんがため息まじりにそう言うと、

「えええええ!あのヘンテコな巨大遺物があった場所が?まさかの始まりの地だったバウか?」

と、バウさんが驚きの声をあげている。


「あの、始まりの地ってなんなんですか?」

 僕の問いにこの人さんが狐顔を顰めながら言い出した。


「異邦人は必ず、ここから隔絶された始まりの場所に到着するネ。エレメントの神が居るのがあれと同じ類の空間だとは話に聞いたことがあったけどネ、神威が凄すぎて、何度、空間を吹き飛ばされそうになったか分からないのネ」


 ええ?吹き飛ばされる?意味がわからないんだけれど。それはバウさんも同じようで、

「そんなだったバウか?あんまり感じなかったバウけど?」

と、理解できない様子で問いかけると、この人さんが言い出した。

「お前は他人の思考が読めるギフト持ちだから、あの世界の中に居ても、隔絶されたままだったから負担が少なかったのネ!神も自分の思考は読まれたくないのだネと思ったものネ」


 熊獣人のバウさんは、名前を秘しているから『バウさん』呼びでいいらしいんだけど、他人の思考を読むことが出来るギフトを持っているんだってさ。


 裏の仕事をするこの人さんなんか、物凄く重宝しているらしいんだけど、今言ったことを要約すると、あの場所は神様の場所か何かで、その神様が思考を読まれたくないが為に、バウさんは移動中、何かで隔絶されていたってことになるわけか?


「僕の生徒で、始まりの地っていうんですか?あそこで羊飼いの人に遭ったって言うんですけど、そしたらその羊飼いは神様だったんですか?」


「それも神様だし、先生がカーンの街で会ったのも神様なのネ」


 はあいいい?


「先生が神威の力を使えるのは、神様に会ったからなのね。会っているから特殊ギフトを所持出来ているのね」


 はああああああああい?


「誰?誰?誰が神様だったんだろう?神様でーす!みたいな人に会ったことないんですけど?」

「そんなもん、その時々で見かけが違うから、それがアレとか言えないのネ。ところでどするのネ?闇カジノの前まで到着しちゃっているのネ」


「ええええええ?」

 

 気がつけば、やたらと豪奢な建物の前に僕らは到着していた。


ここまでお読み頂きありがとうございます!

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