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3. 絶対絶命の危機

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

多分、僕は担ぎ上げられていたんだと思う。

 放り投げられた僕は硬い土の上に体を打ちつけて目を覚ましたわけだけど、その僕の前にはゴブリンの祭司が気味の悪い顔をニタニタさせながら大声を上げている。


 どうやらラグビーボール状のゴブリンの棲家の上へと運ばれて来たようで、ゴブリンの群れを見下ろす形になったわけだけど、エルフの二人組が何処にもいない。


「腐ってもAランクの冒険者か・・僕を置いて逃げやがったな・・・」


 見上げれば、ゴブリンの祭司が僕のリュックを背負っている。無茶苦茶シュールだ。


「「「γγΦνΦψΔΣ!」」」


 眼下に広がるゴブリンの群れがなにを言っているのか相変わらず分からないけど、ゴブリンの祭司がめっちゃ鋭利なナイフを引き抜いた事から、まずはあいつを殺せーみたいな事を言われているのかな?


「ξξγνμ」


 白い樹皮で出来た木の剣をお付きの者に渡した祭司は、太陽の光を浴びてギラギラ光る刃渡り20センチくらいのナイフ?剣?を僕の喉元へと突きつけてくる。


 この日は天気が良い日で、太陽は燦々と輝き、心地よい風が吹いている。

 右を見ても左を見てもゴブリン、いや、本当にゴブリンって居るんですね。


 普通だったら、そろそろ誰かが助けてくれる頃合いだとは思うんだけど、右見てもゴブリン、左見てもゴブリン、後を見てもゴブリン、前にはゴブリンの群れだから、完全に詰んじゃってるよね?


「はあっはあっはあっはあっ」


 喉に剣を突きつけたまま祭司がおしゃべりをしているものだから、喉の薄皮が何枚か切れてとっても痛い。血が流れて肌着まで湿ってきたような気がするよ。


「ξΣψΩ!」


 大きな声と共に、祭司が太陽でキラキラ光る剣を振り上げた。


 絶対絶命の危機、僕の頭の中に校長、教頭、教育委員会、保護者各位がぐるぐると回り出す。

 このまま僕が死んでもアレだけど、生徒達が死んでもアレだよね。

 生徒だけでなく、あれだけ親身に面倒を見てくれたフランジェさんやその家族がゴブリン共の餌食になるなんて、そんな事はアレだよな。


「うわぁああああああああ!」


 僕は指先を向けて貫通魔法を実行すると、祭司は頭を撃ち抜かれた形で後方に転がる。右、左、後、両手を使って近くのゴブリンを倒していくと、

「制限解除してくれーーーー!」

叫びながら両手の指を広げる。


『ピロロロロ〜ン 『効率を求める教師』の希望により制限を解除し、貫通魔法は貫通後、その威力を維持したままとします』


 頭の中に言葉が響いたのと同時に、10本の指から貫通魔法が照射される。

 爆裂魔法じゃないと破壊できないと言われたゴブリンの巣は何処までも穴が開いていく。


「うぉおおおおおおおおお!」


 イメージ!イメージが大事!何処までも何処までも伸びていく、レーザービームみたいなもので貫通していくイメージで。


「うわおおおおおおお!」


 襲いかかるゴブリンを弾き飛ばし、下に集まっている奴らを悉くビーム照射で殺していく。何故だか何処を攻撃すれば効率よく相手を倒せるかを理解していた。


 抱えるほどの大きな斧を振り回して近づいてくる奴を撃ち抜き、大剣を掲げた奴は神の針で縫い付け地面に叩きつける。


 もちろん他勢に無勢だ、矢は飛んでくるし、肩には刺さってるし、額から血が流れ落ちて目が開きづらい。いつの間に頭を傷つけていたんだ?


 気がつけばゴブリンの巣は完膚なきまでに崩れ落ち、破壊された土の塊に足を取られた僕は地面に転がった。


 頭上を炎の壁が覆っていくし、周囲に氷の槍が絨毯のように生えていく。

 マジでもう知らねえよ!勝手にやってくれ!

 倒れ込んだ僕がゼエゼエ言いながら必死で息を吸い込んでいると、

「「先生大丈夫か!」」

二人のイケメンが僕の顔を覗き込んでくる。


「大丈夫なわけあるかーーー!僕を置いて逃げ出したくせにーーー!」

「ごめん!ごめん!」

「先生がここまでやるとは思いもしなかったから!」


 ごめん!ごめん!じゃねえよ!腹立つなーー!


 二人は何かの液体を僕にぶっかけて、色々な呪文を唱えてくれたから、だいぶ僕の体もマシになってきた。


 後から聞いた話だけど、ゴブリンは自分の武器を糞尿に浸して置いておくという習性があるらしく、これで傷つけられると皮膚でも腕でも腐り落ちるという事で、彼らは持っていた最高級の治療薬を僕のためにぶっかけてくれたそうなのだ。


「う・・ううううう」


 起き上がってみたら、ゴブリンの死体の山、山、山、匂いが酷い、気分が悪い。


「先生、早くここは逃げたほうがいい」

「嫌な予感がするんだ」


 見た感じ、ゴブリンの皆殺しは出来たように見えるんだけど、ピロリロリーンがやって来ない。絶対にレベルが上がっているはずなのに、ピロリロリーンが来ないぞ?


「わかった、わかりました、逃げよう、今すぐ逃げよう」


 這いつくばりながら起き上がった僕は、いつの間にか自分のリュックを背負っていたし、祭司が使っていた剣を知らぬ間に拝借していたようだ。それを杖代わりにして立ち上がると、生まれたての子鹿のように足がブルブルと震え出す。


 ああーカミーユさんの言葉に乗っかって生徒達を連れて来なくて良かったよーー。

 こんな血みどろの現場に生徒を連れて来たなんてバレた日には、懲戒免職処分になるかもだよーー。


 くそ〜―ー異世界転移!ふざけんな!危機が訪れるにしても多すぎるだろ!


『ピロロロロ〜ン エンカウント発生『効率を求める教師』は今すぐ英雄王(ゴブリンキング)を倒さなければチームが全滅する事になります』

「はぁあああい?なんですってー〜?」


 僕が脳内の声に向かって叫び声を上げている間に、後ろの大地が陥没するように崩れ出し、巨大な何かが這い上がるようにして現れたのだった。



ここまでお読み頂きありがとうございます!

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