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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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伊達政宗

氏家定直の取り次ぎで、すぐに政宗の居室まで案内される2人

そこには、政宗の母で最上義守の娘·義姫と政宗の父親である伊達輝宗が枕元に並んで座り 医師と思われる白衣の男が政宗の脈を採っているようだ

「輝宗殿、義姫様 今日は、天よりの遣いの者をお連れいたしました」

「定直殿 久しぶりであるな わざわざ見舞いに来てくれたのか すまぬな

ご覧のように政宗の体力も限界のようじゃ 聡明で活発な子であるのに

わずか6歳で。。。残酷な話よのう」伊達輝宗が唇を噛みしめる

「ルイと言います 時間が無いようですので急ぎます」

義姫と輝宗の間に割って入り 政宗の胸元を開く

「小さいのによく頑張ったな これは天女様よりお前を治すために預かった護符だ

今から治してやるからな」政宗の耳元に顔を近づけ囁く

全身を膿疱に覆われた政宗の胸に符を貼り 右手の平を乗せる 流す魔力量は学習済みだ

少年の身体が黄色く輝き、ルイの魔力に反応する 「ん!?」

侍女の時よりも多めに魔力を流していく 膿疱が徐々に萎んでいき 黒ずんでいた表皮が

健康的な赤みを帯びていく 混沌としていた意識が回復したのか 母·義姫が握っていた

手を握り返す 「政宗!」流れる涙を拭う 義姫

あばたを残すことなく回復したが、片目だけは萎んだままだ。。。

「すまない俺の力では、これが精一杯だ病は完治しているが 片目のままだな。。。

天女様なら、おそらく治せるだろう」

「ルイ殿、この伊達輝宗 この恩は一生忘れぬ、何か困った事があれば いつでも力になろう」

「それでは、早速だが ベヒーモスという火竜が京の都を襲い、将軍義昭公が亡くなった 織田信長とその重臣達もな市中の民は、数万人も犠牲になったそうだ」

「なんだと!? 将軍と天下に最も近いと言われていた 織田信長が死んだ。。。?」

「そうだ 武田信玄の元で俺と天女は仲間達と共に、その火竜を討つ この国の平定のためだ、武田信玄に何か要請を受ける事があれば、できる限り助力してやってくれ」

「どのような頼みでも、惜しみなく助力する事を約束しよう」

「それと鳩小屋を置いて帰るから、俺たちに何か連絡したい時には、鳩を飛ばしてくれ

あっ それと政宗だけど、何か特別な力を持っているな 俺には、よく分からんが 俺の力を押し返したからな 一度、天女様に会わせるといいと思うぞ」

「ルイ殿。。。ありがとうございました」 「おう」政宗に笑顔で応える

「政宗! 気分はどうじゃ!?」

「父上 いつかルイ殿や天女様のお役に立ちたいと思います」


「じゃあ俺は、京に戻るよ 世話になったな」米沢城を出て、氏家定直に別れを告げる

「ルイよ、【鬼切·鬼丸】を忘れているのではないか?」

「ん? ここにあるぞ」ポンッポンッと胸元を叩く

「あっ それとこれをやるよ 馬に貼ると1日だけの効果だが、いくらでも走ってくれるし 軽い病や怪我なら貼っておくだけで治るぞ」余った2枚の符を渡す

「良いのか!! これは天女様の加護が込められた。。。家宝にするぞ」

「使わなければ意味がないと思うぞ」

『急ぎ帰るぞ 嫌な胸騒ぎがしよる』袴の裾を妖狐が引っ張る

「そうだな 行くか」風のように走り去る ルイと妖狐



急遽、正親町天皇に拝謁する事となった 武田信玄と浅井長政にエヴァも同行する

正親町天皇より、天女殿にも是非会ってみたいという要請にエヴァが快諾した

有事という事もあり、朝服ではなく武家の正装で望む2人と、いつもの緋袴姿のエヴァが

内裏の西 陰陽門から入り常寧殿へと案内される 右手を見ると天皇の居室である

清涼殿から南側のほとんどが焼け崩れている

承香殿を左に折れ、常寧殿を正面に臨む渡り廊下で正親町天皇を平伏して待つ


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